苛立つカバ、縄張りに侵入したライオンに牙をむき襲う(南ア)

サファリツアーガイド歴約13年のデイヴ・プージーさん(Dave Pusey)が14日、クルーガー国立公園を流れるクロコダイル川で捉えた動画が注目を集めている。

動画は川中の大きな岩に寝そべっていたライオンを、巨大なカバが襲う瞬間を捉えたもので、デイヴさんはその日のことをSNSにこう綴っていた。

「クロコダイル川はあの日、雨季による雨のおかげでかなり水位が高かった。ライオンはきっと、川を渡ろうとしたのだろう。しかしカバの群れに追い詰められ、行きついたのがあの岩だった。そうして身動きが取れなくなり、群れに囲まれてしまったようだ。」

「カバたちは当然、自分たちの縄張りに入ってきたライオンが面白くなく、結局はあの大きなカバがライオンを攻撃したというわけだ。」

当時の動画ではまず、水面から目と耳を出しライオンの様子をうかがうカバと、牙をむき出しカバを威嚇するライオンが映し出される。

すると突然、巨大なカバが大口を開けてライオンに突進、牙を露わにしてライオンに迫っていく。

ライオンは最初こそ前脚で反撃していたが、劣勢なのは明らかで、あっという間に岩の端へと追いやられ、川を泳いで逃げだした。

デイヴさんは「川には少なくとも30頭のカバがいた。それでもライオンは無傷のまま、なんとか岸に到達した」と明かしており、動画はここで終わっている。

さらに同じ場面に遭遇し、この様子を観察していたという別のグループのサファリガイド、ステイン・ヤコブソンさん(Steyn Jacobson、30)は、当時のことを『Latest Sightings』に次のように語っていた。

「川には多数のカバがいて、岩の上のライオンに苛立ちを募らせていたようだ。そうして岩を囲むように集まると、大きなカバが突然、ライオンを攻撃した。岩の隅に追いやられたライオンはその後、岩から水中へ飛び込むしかなかったようだ。」

デイヴさんによると、カバに襲われたライオンは若い5頭のオスのグループの1頭だったそうで、次のように述べている。

「実はあの朝、若いライオンが襲われた大きな岩からそう遠くない場所で、2頭のオスライオンを見かけていてね。もしかしたらあの若い個体は、2頭が支配する縄張りに入り込み、川の中へと追い立てられたのかもしれないね。そうして不運にも、カバの群れに囲まれてしまったのではないだろうか。」

ちなみにオスのライオンは若い時、数頭でグループを作って力をつけ、成熟すると別の群れのオスのリーダーに挑戦する。そうしてリーダーを倒すと自分のプライド(群れ)を形成し、今度は若いオスに挑戦される立場になる。

常に気を抜くことができない弱肉強食の世界に生きるライオンだが、今月11日にはタンザニア北部のセレンゲティ国立公園東部に位置するナミリ平原で、“キング”と呼ばれていたオスライオンが若いオスのグループに襲われていた。壮絶なキングの最期はカメラが捉え、「美しきキング、安らかに」といった追悼の言葉が多数寄せられていた。

画像は『Leo Vantage Safari Sightings 2023年3月14日公開YouTube「Male Lion Trapped on Rock Attacked by Hippo」』のサムネイル、『Latest Sightings  2023年3月14日付「Hippos Attack Lion That’s Stranded on a Rock in a River」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2023/3/31 18:00

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