【2024年卒就活生】インターンシップが早期化の傾向 「より早い時期に学生と接点を持ちたい」 採用との「連携」の動き広がる

インターンシップの実施が早期化しているうえ、増加傾向にあることがわかった。就職情報サービスの学情(東京都千代田区)が2023年3月28日に発表した。

調査は、企業や団体の採用担当者を対象に実施。2024年卒のインターンシップを振り返り、分析したところ、より早い時期に学生との接点を持ちたいという企業の意向がうかがえる結果となった。

大学3年生の夏・秋開催のインターンシップが増加し、12月以降の開催が減少したことや、インターンシップの実施回数を「増やした(増やす予定)」企業が半数に迫った。

早期化進む...「3年生の夏や秋」実施企業が増加

調査によると、2024年卒の学生を対象とするインターンシップ(オンライン形式)を、「3年生の夏や秋」に実施した企業は、「3年生の6月前」で7.9%、「3年生の7~9月」が51.8%、「3年生の10~11月」の47.0%と、前年度(23年卒採用)と比べ、それぞれ0.6ポイント、1.6ポイント、3.2ポイント増えた。

対面形式の場合でも、「3年生の夏や秋」に実施した企業は、「3年生の6月前」で5.29%、「3年生の7~9月」が50.18%、「3年生の10~11月」の39.4%と、前年度(23年卒採用)と比べ、それぞれ1.1ポイント、9.1ポイント、6.1ポイントと大きく増えた。

その一方で、インターンシップをオンライン形式で「3年生の12~1月」に開催した企業は61.4%(前年度比4.2ポイント減)、「3年生の2月」開催の企業が42.9%(同5.3ポイント減)と減少している。

対面形式でみても、「3年生の12~1月」に開催した企業は53.5%(前年度比1.0ポイント減)、「3年生の2月」開催の企業が38.9%(同2.5ポイント減)と減少していた。【図1参照】

より早い時期に学生との接点を持ちたいという企業の意向がうかがえ、インターンシップ開催の早期化が進んでいるとみられる。

参加者を「通常選考で優遇する」企業36.5%

調査によると、インターンシップを「実施している」企業は前年比2.0ポイント増の61.7%だった。

また、実施企業を株式上場の有無で比べると、上場企業では80.8%が実施。非上場企業は58.6%と、差があることがわかった。予算や人手をやり繰りしやすい上場企業のほうがインターンシップを実施しやすい状況にあるようだ。

インターンシップの実施回数をみると、前年と比べて「増やした(増やす予定)」と答えた企業は48.4%と半数に迫り、「前年並み」の45.6%を上回った。年々インターンシップの重要性が増すなか、学生との接点をできるだけ多く設けようという企業が目立った。

また、インターンシップと採用との連携について聞くと、インターンシップの参加者を「通常選考で優遇する」と答えた企業は36.5%にのぼり、最多。前年度の調査(31.9%)から、4.4ポイント増えた。

23年卒の調査では、33.5%の企業が「通常選考で優遇まではしないが、インターンシップの参加者限定の情報提供やセミナーなどを実施している」(24年卒は31.2%)と答え、最多だったが、「通常選考で優遇する」が上回った。【図2参照】

インターンシップ実施を実質的に採用活動と連動させる動きが広がっているとみられる。

なお、調査は全国の企業・団体を対象に、2023年1月5日~31日にインターネットで実施。有効回答数は、1862件(このうち、上場企業・製造業は107社、上場企業・非製造業は154社。非上場企業・製造業453社、非上場企業・非製造業は1148社)。

2023/3/30 19:15

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