「10人の子を妊娠したようだった」病院嫌いの20歳女性、47キロの卵巣腫瘍を摘出(米)

物心ついた頃からぽっちゃりしていたというアリソン・フィッシャーさん(Allison Fisher、20)は今から6年前、体調不良が原因で医師の診察を受けた。ところが当時14歳だったアリソンさんは、医師に「ただの肥満」と冷たくあしらわれ、減量プログラムへの参加を強いられた。

「風邪でも、耳の感染症でも、医師は私にこう言ったの。『とにかく痩せなさい』ってね。そんなこともあって、私は病院に行かなくなったのよ」と明かすアリソンさん。16歳で父親を亡くし、健康保険に加入できなかったことも病院を頑なに避けてきた理由だったという。

アリソンさんは当時のことを「私は17歳で初潮を迎えてね。その後生理が1年間も続いたの。それに腹痛や膨満感に悩まされるようになった。でも病院に行っても『肥満の合併症』と言われるだけだから、行かなかったわ。『きっとそのうち治るだろう』くらいに思っていたのよ」と振り返り、こう続けた。

「そうして1年続いた生理が終わると、月経周期は安定せず、出血が酷くなった。私のお腹はまるで妊婦のように膨らみ、岩のように硬くなったわ。そしてうつぶせ寝ができなくなり、内臓が潰されてしまっているように感じていたの。」

「そんな時だった。SNSで卵巣腫瘍についてシェアする人がいることに気付いてね。その人たちは月経不順の悩みも明かしていたの。それで『もしかしたら自分のお腹も何か問題があるのでは?』と思うようになったけど、コロナ禍だったし、病院が怖くてそのまま放置してしまったの。」

ところが2021年、母親ががんと診断され、闘病生活を目の当たりにしたアリソンさんは「自分の身体の状態から目を背けるのは止めよう」と気持ちを改め、翌年11月に地元の「アセンション・セント・ビンセンツ・リバーサイド病院(Ascension St. Vincent’s Riverside Hospital、以下ASVS)」を訪れた。

アリソンさんは「その頃の私のお腹は、10人の子を妊娠しているように大きくなっていたわ。車の運転もできず、5分以上立っていることさえつらかった。そして検査の結果、腹部に腫瘍が見つかり、医師に手術を勧められたまま12月を迎えたの」と語り、こう明かした。

「クリスマスの直前だったわ。性器から酷い出血があり、ASVSの救急救命室に運ばれたの。そしてそこで婦人科腫瘍医のマーティン・マルティーノ氏(Martin Martino)と出会い、2日後には腫瘍の摘出手術を受けたのよ! 信じられないでしょう!」

マーティン医師によると、搬送されてきたアリソンさんは息も絶え絶えの状態だったそうで、緊急で心臓や呼吸器専門の医師を含むチームを作り、傷が小さく早期回復が期待できる“ロボットアーム”を使用した手術を行った。そうして摘出されたのは、46リットルの液体を含む約47キロの腫瘍で、アリソンさんの体重は約226キロから約179キロまで減った。腫瘍は良性で、左側の卵巣を残すことができたために将来妊娠も可能という。

こうして手術から約3か月後、アリソンさんは「人生で第二のチャンスを与えられた気分なの!」と嬉しそうに述べ、その後の身体の変化についてこのように話している。

「実は長い間、お腹で自分の足が見えなかったけど、今ではそれが可能だし、以前より長い間立っていることができるの。それに身体がぐんと軽くなり、人間らしく生きられるようになったわ。既製の洋服を着ることもできるし、普通の人がしていることもできるようになった。ただ腫瘍で腰を痛めてしまったので、今は腰を鍛えているところよ!」

「今後は減量手術を受け、あと68~90キロくらい痩せたいと思っているわ! 私はこれからの自分の人生を、とても楽しみにしているの!」

なおこのニュースには、「14歳で肥満で、健康保険もなかったの? 経済的に大変だったのね」「アメリカの健康保険は高すぎる。それで亡くなる人も多い」「長い間、こんなに大きな腫瘍が卵巣にあったなんて! つらかったでしょうね」「若くて楽しい時期を、腫瘍で台無しにしてしまったのね。きっとどんどん太ってしまったのでしょうね」「身体の4分の1を腫瘍が占めていたのに、病院に行かなかったなんて!」「なぜ誰も、20歳になるまで助けてあげなかったのだろう」「最初に診察した医師も酷い」「これをきっかけに健康で幸せな人生を送れるといいね」といったコメントが寄せられた。

ちなみに2020年にはインドで、体重が106キロの女性から50キロの卵巣腫瘍が摘出され、「世界一の大きさでは?」と話題になっていた。

画像は『Florida Times-Union 2023年3月28日付「‘Life-changing’ surgery: Doctors remove 104-pound tumor from woman in Florida」(BOB SELF/FLORIDA TIMES-UNION)(PHOTOS COURTESY OF ASCENSION ST. VINCENT’S RIVERSIDE)』『Action News Jax 2023年2月15日付「Jacksonville 20-year-old gets a second chance at life after having a 104-pound ovarian tumor removed」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2023/3/30 15:00

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