保護したのは子犬? コヨーテ? DNA鑑定で真相が明らかに(米)

米テキサス州のダラス警察の警察官が先月末、パトロール中にゴミ箱のそばをうろつく小さな子犬を発見した。周囲に親の姿が見えなかったため警察官は子犬を保護することに決めた。子犬は明るい茶色の被毛とつぶらな瞳を持つ可愛らしい姿をしていたが、保護した警察官は「もしかしてコヨーテでは?」という疑問を抱いた。

コヨーテはアラスカ州とハワイ州を除くアメリカ全土に生息している。近年は住宅街にも出没するようになったため、今回発見した子犬がコヨーテの子どもである可能性は否定できなかった。イヌ科のコヨーテは、成体になればすらっとした体格になり犬と判別しやすいが、子犬の時点では見分けがつきにくい。昨年4月には米マサチューセッツ州で、ある一家が道路脇で弱っていた子犬を保護するため自宅に連れて帰ったところ、コヨーテだったというケースが発生している。

コヨーテの可能性を捨てきれなかった警察官は、動物保護施設「ダラスアニマルサービス(Dallas Animal Services)」に連絡したという。施設のスタッフらは保護された動物について「この子の足には白い靴下のような模様があり、片耳が垂れていることから、可愛らしい子犬であることは間違いないと思っています」とFacebookに投稿した。

子犬であればすぐに里親募集を行うところだが、万が一コヨーテだった場合には様々なリスクが考えられるため、DNA鑑定をして犬なのかコヨーテなのかをはっきりさせることになった。検査には10日から14日を要するため、保護された動物は“トースト(Toast)”と名付けられ、結果が出るまでダラスアニマルサービスの役員で野生動物専門家でもあるジャッキー・サザーランドさん(Jacqui Sutherland)が面倒をみることになった。

そしてDNA鑑定の検査結果で、トーストはコヨーテではなく3種の犬種が混ざったミックス犬であることが判明した。犬種の内訳はジャーマン・シェパードが42%、シベリアン・ハスキーが38.6%、オーストラリアン・キャトル・ドッグが19.4%だった。今回の件は検査結果が明らかになる前から各メディアで報道されており、大きな注目を集めていた。そのためトーストの里親募集を開始すると希望者が殺到し、すぐにトーストの新しい家族が決まった。

なおダラスアニマルサービスは、Facebookで「野生動物を扱うことができるのは、訓練された専門家だけです。コヨーテは犬ではありませんし、絶対に野生動物の赤ちゃんに触れるようなことはしないでください。もし心配になるような状況であれば、311(ダラス市が運営するコールセンター)に電話をしてください」と呼びかけている。

画像は『The Dodo 2023年3月18日付「DNA Test Reveals The True Identity Of ‘Mystery Animal’ Rescued By Police」(DALLAS ANIMAL SERVICES)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2023/3/24 16:00

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます