両目の下の膿疱で「醜い」と見向きもされなかった犬、シェルターの“切ない呼びかけ”で幸せに(米)

米フロリダ州の動物シェルター「オレンジ郡動物サービス(Orange County Animal Services、以下OCAS)」に昨年、4歳のメス犬“ダッチェス(Dutchess)”がやって来た。当時の飼い主が「家主の方針で犬を飼うことができなくなった」と飼育を放棄したためだったが、ダッチェスは両目の下に被毛に包まれた先天性の膿疱があり、その後1か月経っても引き取り手が見つからなかった。

見かねたOCASのスタッフは日本時間の昨年12月16日、Facebookに「ダッチェスは毎日、他の犬が引き取られていくのを見ているだけ。ここにやって来る人々は、ダッチェスに目をやることもなく通り過ぎていくわ。そして私たちが最もつらいのは、こんなコメントを聞いた時なの」と投稿し、このように綴った。

「この子は醜いわね。」

「あの目の下のできものは何?」

「この子はどこか悪いの?」

「目が見えないのでは?」

「この腫瘍のケアにいくらかかるかしら?」

「この子は一生引き取り手が現れないでしょうね。」

さらに切ない投稿は続き、このように訴えた。

「心が引き裂かれそうなのは、ダッチェスは人が大好きで、優しく、素晴らしい犬だということ。だから外見だけでこの子を判断せず、心を開いてシェルターに来て欲しい。そして全ての犬舎を覗いてダッチェスを探して。誰にも望まれない子を探して欲しい。なぜならそうやって命が救われ、変化が生まれ、世界が変わるのだから…。この素敵な夢を叶え、この子に家を与えよう。」

この投稿には1300件を超えるコメントが寄せられ、OCASは数時間後「ダッチェスはフロリダ州シトラス郡の非営利団体『レスキュー・ドッグズ・ドリーム社(Rescue Dogs Dream, Inc.、以下RDD)』に行くことが決まったわ」と嬉しい報告をした。

こうして最初の投稿から48時間も経たないうちに、ダッチェスはボランティアの家庭に一時的に預けられ、RDDには「是非、引き取りたい」という申し出や問い合わせが少なくとも20件寄せられた。

そしてRDDは12月22日に「ダッチェスにピッタリの家族が見つかった」とFacebookを更新、27日にはこんな素敵なニュースを伝えていた。

「昨日、ダッチェスの視界を遮っている膿疱(デルモイド)を切除する手術を行ったの。膿疱は良性で手術は成功したわ。全てが予定より早く進み、ダッチェスの新しい飼い主(ママ)が今日の午後にも引き取りに来るわ! ママはダッチェスが家に慣れるまで2週間仕事を休んで対応してくれるのよ!」

ちなみに新しい飼い主は飼っていた2頭の犬のうち1頭を亡くしたばかりで、ダッチェスを“レネ(Lena)”と改名、レネがやってくるのを心待ちにしていたという。

さらにRDDは1月10日、Facebookで「誰からも望まれなかった優しいこの子は、みんなが欲しがる犬になった。そして完璧な永遠の家を見つけたの! 新しいママとパパは『レネはこれまで飼った犬の中で最高に可愛い犬だ』と言っているわ。レネには兄貴分の犬もいるし、家族に思い切り甘えている。それに手術痕は確実に回復しているの」と伝え、3月19日には新しい飼い主から届いたというこんなメッセージを投稿した。

「レネはもう1頭のオス犬ととても上手くやっているわ。それに犬のしつけ教室のレベル1を修了し、これからレベル2を受ける予定よ。ただキッチンのカウンターの上にあるバターや、バーベキューの焼き網の上のチーズバーガーを食べてしまったり…と訓練しなければならないことはまだまだあるわね。それでも遊ぶのが大好きで、いつも私たちのそばにいるの。私たちはそんなレネのことが大好きよ!」

なおRDDはその後、レネについてこう綴っていた。

「特別なあの子が幸せになってとても嬉しく思う。美しいあの子はきっと愛され、大切にされて残りの人生を過ごすのよ!」

ちなみにこのニュースには、「シェルターにいる犬たちは、自分が保護されたって分かるんだよ。そして愛してくれた人のことは忘れないんだ」「なんていい話なんだ!」「こんなニュースばかりだといいのに」「外見で犬を判断するなんて最低だし、それは人間にも言えること。大切なのは中身だよ」「レネを可愛がってくれてありがとう!」「つい笑顔になってしまうよ」といったコメントが寄せられている。

画像は『Orange County Animal Services 2022年12月16日付Facebook「**DUTCHESS (A503964)**」』『Rescue Dogs Dream, Inc. 2022年12月17日付Facebook「Welcome Dutchess to Rescue Dogs Dream」、2023年1月10日付Facebook「Dutchess (Now Lena) found her FOREVER HOME」、2023年3月19日付Facebook「PUPDATE: On our Famous girl」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2023/3/24 5:00

この記事のみんなのコメント

2
  • トリトン

    3/24 8:08

    ↓すべての人がそうではないよ、悪いやつがいれはを良い人もうちも下半身麻痺のワンちゃん引取14年飼ったことがある本来なら保健所でも気にせずにもらったことも、あと出来物だらけの犬ももらい出来物なくなるまで治療してもらってもらったことも。すべての人が層ではないよ。中には必ずをそんな人もいるはずだよ。

  • あきひろ

    3/24 7:43

    病気の犬は見向きもされず治療したら引き取られるなんてコレが現実。犬好きは口先では理想ばかり並べ立てる者ばかりだけど実態はこんなもんなんですね失望しました。

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