前田公輝、夢を多く叶えた2022年を振り返る やるべきことは「今の状況を日常化する」

ゴーレムと呼ばれるゾンビが蔓延る“終末世界”を舞台に描く、竹内涼真主演の極限のゾンビサバイバル『君と世界が終わる日に』。3月19日、日本テレビ系日ドラ枠で「君と世界が終わる日に 入門編 完全新作SP」の放送後、Huluにて独占配信されるSeason4に、俳優・前田公輝が出演する。

前田演じる下村海斗は、冷淡で狡猾な元詐欺師。ゴーレムウィルスが蔓延する前から捕まっていた囚人たちの内の一人で、閉鎖された刑務所にそのまま収容されている。本作出演の喜びや、現場の様子などを前田に聞くと共に、話題作への出演が続く現在の心境からマイブームまで、たっぷりと語ってもらった。

──まずは本作への出演が決まった時の心境をお聞かせいただけますか。

うれしかったです。すごく“遊べる”役だなというのが、最初の印象です。役が役を演じているところがあるので、役者によって色が大きく変わるキャラクターだと思いました。大きなやりがいを感じて、下村海斗を演じることが本当に楽しそうだなと思いました。

──役の中でさらに役を演じるのはどういう感覚なのでしょうか。

本読みの段階で、役の中の役を演じたものの評判がすごく良かったんです。キャストの方も「あの役、もう出てこないの?」と言うほど好いてくれたみたいで(笑)。台本上は「あ、ありがとう」と言葉に詰まるところのあるキャラクターだったんですが、そういう方って、必ずしも一文字言って、次がスムーズに言えるわけじゃないんですよね。「あああ、ありがとう」となるかもしんないし、「あ、ありがありがとう」と言うかもしれない。とはいえやりすぎると聞き取れなくなってしまうので、最初から試練が待ってるなと思っていました。このキャラクターを乗り越えるためには、説得力をしっかり出さないといけないと思ったので、エネルギーをものすごく使って、ものすごく疲れました。でも、楽しかったです。

──ハードな展開が続く今シリーズですが、現場の雰囲気はいかがですか。

すごく明るくて、Season1から出演されている方によると、今回が特段に明るいらしいです。新キャストにお話好きな方が集まったみたいですね(笑)。海斗は、唯一の肉親である兄への思いが大きな幹になるので、陸斗役の姜暢雄さんも色々とお話してくれて、すごく助かっています。僕自身にも本当に兄貴がいるので、弟役は演じやすく感じました。自分の等身大が出せるように思えたこともうれしかったです。

──主演の竹内涼真さんはどんな印象ですか。

涼真くんはナイスガイです。(竹内演じる)響は、Season1、2、3と積み重ねてきているのでエネルギーを使うと思うんですが、現場で疲れている姿を見せないんです。鍛えていらっしゃるということもあるかもしれませんが、涼真くんからは人間的な生命力みたいなものを感じます。頼りがいがありますね。

──実際にもお兄さんがいらっしゃるということで、海斗の弟としての立場に共感はしますか。

僕は家族がめちゃくちゃ好きなので、自身の兄貴があんな風になったら嫌ですね。海斗は、兄の陸斗を少し怖いと思っている部分はあると思うんですよ。年も離れてるし。兄弟愛の葛藤もきっとあると思うので、そこもうまく表現できたらいいなと思います。

──ここからは少し質問の種類が変わりますが、今作で人類最後の希望の都市とされるユートピアにちなみ、前田さんが「こんな世界があったらいいな」と思うユートピアとはどういったものでしょう?

そうですね〜。無期限で、2個まで夢が叶えられる世界に生きてみたいです。2022年に僕は本当に色々な作品に出させてもらって、夢が何個も叶ったんです。こんなところに自分がいていいんだろうかと思ったりもしました。でも夢が叶ったら、また次の夢が出てきたんですよ。夢って永遠に出てきて無限だと思うんですけど、それを自分で叶えていくから、人生は面白いんです。でも、どうしても縁も運も必要だと思うから、そんな夢が2つ叶うような世界線に生きられたら、それ以外は今と一緒でいいです。

──2つの夢をいつ叶えるかは好きなタイミングでいいということですか?ドラゴンボール的な。

そうですそうです。神龍がずっと待っていてくれて、いつ叶えてもいいんです。10代の時に2つ叶えてしまう人がいたりしてもいい。「前に使っちゃったんだよね〜」と話したりするのも楽しそう。

──2つというところに戦略が生まれて面白そうですね。前田さんはこれまでにたくさんの夢を叶えてこられたと思いますが、連続テレビ小説『ちむどんどん』の出演も話題になりましたよね。

芸能界の景色が変わりました。例えば、前にテレビ局で今田耕司さんとすれ違ったんです。僕は今田さんとは面識がなかったんですが、今田さんの方から帽子を脱いでくださって「いつも見てます」と言ってくれたんです。「そのままお言葉をお返しします」という感じでしたが、すごいなと思いましたね。隣のスタジオで大河ドラマの撮影もしていて、名だたる俳優陣が行き来する中に自分もいるんです。それ以降も新しい現場にクランクインするたびに「朝ドラ見てたよ」と今でも言っていただきますし、本当に全てが変わったと言っても過言じゃないというか。この世界線に自分がいることが不思議なくらい、毎日その影響を感じています。

──ファンの方もかなり増えたのではないでしょうか。

層が広がりましたね。例えばロケをしていても、おじいちゃんやおばあちゃんとすれ違った時に、「朝の子だ」「ほんとだね」と言ってもらえたり。そんなこともそれまではなかったことですね。

──知名度が上がって、街を歩いていても気が抜けないですね。

そうですね。だから外はなかなか歩けないです。公共機関を使わないといけないこともあるので、本当は帽子も取りたいですけど、難しいですね。自分はいいんですけど、僕がバレることによって周りに迷惑をかけることもあるので...。本当は堂々と、誰よりも色を使って、全身黄色の格好とかで歩きたいです(笑)。毎回色を変えたいくらいですね。黄色、オレンジ、赤、青って。

──実は派手好きなんですか?

この仕事をやっているくらいなので(笑)。学生の頃は学級委員とかもやっていたんですよ。バンドもやっていました。目立つというより、人と違う人生を歩みたいということが大きかったかもしれません。面白いことがしたい、とか、知らないことを経験したい、という好奇心があるんです。全身黄色の人なんて、なかなか見ることがないじゃないですか(笑)。そういうことをしていればモチベーションも上がりそう。全身黄色にしていれば「そんなわけない」と思われて、逆にバレない自信もあるんですよね。やってみたいです(笑)。

──見つかってしまったらすぐに拡散されそうな気もしますね(笑)。2023年はどんな年にしていきたいと思っていますか?

これまでに本当に色々な夢を叶えさせてもらいました。こんな人とこんなことをお話しできた、という非日常のようだったので、それが日常に感じられるような年になればいいなと思っています。非現実的な世界が日常になれば、また新しく、次の非現実的な夢が出来ると思うんです。だからまずは、今の状況を日常化するということが、今、僕のやるべきことなのかなと思っています。

──様々な作品に次々と出演されていて多忙な日々かと思いますが、自分の時間はどう作っていますか?

朝ドラの撮影中は特に、本当にすごかったですね。人が変わる時って、自分のキャパと相談し合いながら進んでいく時だと思うんです。戦っているからこそ、毎日がすごく楽しい。でもこの間、ディズニーに行きました。ディズニー大好きなんです。コロナ禍で配信を見る機会が増えて、ハマったんです。調べれば調べるほど、奥が深いんです。ストーリーはもちろん、音楽の入れ方も、画角も。色々見すぎて、今は『ミッキーの引越し大騒動』とかのショートムービーまで見ています。今の一番の癒しはそれですね。仕事を考えなくてもいい時間があるなら、時間を費やしたいのはディズニーと甥っ子の2つです。

取材・文・撮影=山田健史

ヘアメイク=松田蓉子

スタイリスト=立山功

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2023/3/19 7:00

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