火事で家族4人を亡くした消防士、“生き地獄”も臓器提供へ「必要な人が生きてくれれば」(米)

米イリノイ州シカゴに住む3児の父、ウォルター・スチュワートさん(Walter Stewart)は、シカゴ消防署の消防士兼救急救命士として働いて約3年になる。

7日夜9時頃のこと、市内で消火作業にあたっていたウォルターさんは、無線で聞いた別の火災現場の住所が自分の家であることに気付き、消防司令長の車で自宅へと向かった。

現場ではウォルターさんの妻サマー・デイ=スチュワートさん(Summer Day-Stewart、36)、長女オータムちゃん(Autumn、9)、長男エズラ君(Ezra、7)、次男エモリー君(Emory、2)の4人が次々と運びだされ、ウォルターさんは瀕死の状態で救出されたサマーさんに自ら心肺蘇生法を施した。

4人は大量の煙を吸って重体で、病院に搬送された翌日にエズラ君、2日後にサマーさん、そして4日後には意識不明だったオータムちゃんとエモリー君の死亡が確認された。

近所に住むミルドレッド・ブランさん(Mildred Bran)は当時のことを「午後9時頃、大きな衝撃音がした。外を見てみるとウォルターさんの家が炎に包まれていた」と証言、ジョエル・リヴェラさん(Joel Rivera)も「とにかく煙がすごかった。屋根の上から煙が噴き出していた。大人が蘇生されているのを見たけど、あまり良い状態とは言えなかった」とショックを隠し切れない様子で述べていた。

想像を絶するような悲しみの中でウォルターさんは、家族4人全員の臓器提供に同意、「臓器移植が必要な人が生きることができれば」と話しているという。またシカゴ消防署の関係者はそんなウォルターさんについて「彼は今、生き地獄を味わっている」「言葉にできないほどの悲劇が起きてしまった」と述べており、シカゴ消防署によって設立された慈善団体「イグナイト・ザ・スピリット(Ignite the Spirit)」を通して寄付を募っている。

なお火元は損傷の激しいキッチンとみられているが、火災報知機は設置されていたようで、火災原因については現在も調査中だ。また家の中からはペットの遺体も発見されており、現在は窓が塞がれ、玄関前には花やぬいぐるみが置かれている。

ちなみにこのニュースには「心が痛む。家族全員を火災で亡くすなんて…言葉にならない」「悲劇。彼は一生、苦しむのではないだろうか?」「心に深い傷を負っているはずなのに、そんな中で臓器提供を決めるなんて。本当に勇敢で優しい人なのだと思う。周りが彼を支えてくれることを願う」「これは彼だけでなく同僚にとってもつらいニュースだ。コミュニティ、同僚、周囲のみんなで支えてあげて欲しい」といったコメントが寄せられている。

画像は『People.com 2023年3月14日付「Firefighter’s 3 Kids Who Died After Fire at Home Were ‘Deeply Loved,’ Says Grandmother: ‘Gone Too Soon’」(PHOTO: SUSAN MACDONALD STEWART)』『WGNTV.com 2023年3月12日付「2 more children die after a Montclare house fire at a Chicago firefighter’s home」、2023年3月11日付「Wife of Chicago firefighter dies days after Montclare house fire」』『ABC7 Chicago 2023年3月11日付「Chicago firefighter’s wife dies from injuries days after 7-year-old son killed in Montclare blaze」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2023/3/15 22:00

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