道端に置き去りにされた犬、車を必死に追いかける監視カメラの映像により飼い主を逮捕(米)

米テキサス州ダラス郡ダラス市内のダウディ・フェリー・ロード付近で現地時間8日の午後6時45分頃、飼い犬を捨てる男の姿を監視カメラが捉えた。映像には、人気のない道路脇に停めた白いSUV車から降りる男の姿が映っている。

男は車のバックドアを開けると、荷台から犬を無理やり降ろした。犬は一緒に遊んでくれると思っているのか、嬉しそうに尾を左右に大きく振っている。ちょうどその時、どこからともなく男を叱責する声が聞こえるも、彼は犬を残したまま車に乗り込みその場から去っていった。

自分の置かれた状況が飲み込めずにいる犬は、去っていく飼い主の車を必死に追いかけるしかなかったようだ。犬はジャーマン・シェパード・ドッグのミックスで、走行する車に危うくはねられそうになったという。幸いにも犬が捨てられる現場を目撃していた近隣住民によって保護され、ダラス警察の動物虐待調査隊と非営利団体「ダウディ・フェリー動物委員会(The Dowdy Ferry Animal Commission)」の手に委ねられた。

犬は足に軽い怪我をしたものの、それ以外は健康に問題がなかった。犬が捨てられたダウディ・フェリー・ロードにほど近いティーガーデン・ロードでは粗大ゴミや犬が頻繁に捨てられており、そのため同団体では付近に監視カメラを設置していたそうだ。同団体のジェレミー・ボス氏(Jeremy Boss)は、このように怒りを露わにした。

「自分の飼っている犬をわざわざここまで連れてきて、犬をまるでゴミを投棄するように捨てていく人たちを見ると本当に吐き気がする!」

「犬を捨てるような人たちは良心が欠如しているのか、それとも脳みそがないのか、私には全く理解ができない。」

同団体はSNSに映像を公開し、犬を捨てた人物の情報提供を呼びかけた。また「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」では、犬を捨てた男の逮捕と有罪判決に繋がる情報に5000ドル(約67万3000円)の報奨金を提供すると発表した。そしてダラス警察の動物虐待調査隊は、監視カメラの映像をもとに地元に住むラミロ・スニガ(Ramiro Zuniga、41)を特定し、今月11日に動物虐待および遺棄によるA級軽犯罪の容疑で逮捕した。

警察に対してラミロは犬を捨てたことを認めており、彼によると犬は“マックス(Max)”という名前で家族で飼っていたそうだ。ラミロは逮捕後、ダラス郡刑務所に留置されて4000ドル(約53万8000円)の保釈金が設定された。しかしのちの捜査により、彼はメキシコ国籍で2004年にアメリカへ不法入国していたことが判明し、今後は国外退去の可能性もあるという。

画像は『New York Post 2023年3月9日付「Man dumps helpless pooch on Dallas roadside, drives away: video」(jeremy.boss.12/Facebook)』『Law & Crime 2023年3月14日付「Texas driver who outraged the public by abandoning German Shepherd in broad daylight is illegally in U.S. and under arrest, jail records say」(WFAA screengrab)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

2023/3/15 21:00

この記事のみんなのコメント

2
  • トリトン

    3/16 9:55

    日本もこの国と同じ罰則にするべきだよね。本当に無責任の飼い主が多すぎる。

  • あきひろ

    3/16 4:32

    不審な人物に突然声をかけられ身の危険を感じて逃げただけでしょうねアメリカだから。

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