あなたは誰を選ぶ!? 唯一無二の“ボールタッチ”でファンを魅了した歴代の選手たち

 ドリブル、トラップ、パス、シュート。サッカーというスポーツでは、どんなプレーにおいて“ボールタッチ”の質が求められる。

 では一体、世界一の“ボールタッチ”を持つ選手は誰なのか? これは「ゴール数」や「スピード」のように数値化できるものではないため比較が難しい。それでもボールタッチの凄さは、そのプレーを見れば誰でも共感できる。

 例えば、イングランドで少し話題になったのは昨年12月のカラバオカップのリヴァプール戦で見せたマンチェスター・Cのアルジェリア代表FWリヤド・マフレズのゴールだ。ボックス内に走り込んだマフレズは、MFロドリからの浮き球のパスを得意の左足で無造作にトラップ。DFの逆を突くマイナス方向へのトラップからファーサイドに蹴り込んでチームを勝利に導いた。

▼ マフレズのゴール

 今のプレミアリーグで最高の“ボールタッチ”を見せる選手のひとりとして挙げられるのが、マフレズの同僚でもあるマンCのポルトガル代表MFベルナルド・シウヴァだ。ボールが足に吸い付く異質のタッチを有する同選手は、敵に囲まれても、体勢を崩してもボールを失うことがほとんどない。

 一方、トップスピードに乗った状態でのボールタッチとなれば、日本代表MF三苫薫も上位に入ってくるはずだ。敵を抜き去る際のボールタッチは世界的プレーヤーが集まるプレミアリーグでも異彩を放っている。

 そんな“ボールタッチ”について、英国スポーツメディア『talkSPORT』が独断と偏見で最高の“タッチ”を持つ「歴代トップ10」を選出しているので紹介したいと思う。

■10位: ディエゴ・マラドーナ(元アルゼンチン代表)

 サッカー界のありとあらゆるランキングで歴代1位に選ばれてもおかしくないアルゼンチンの英雄、マラドーナが10位に入った。歴代最高プレーヤーの一人がこの順位に甘んじるのは勿体ない気もするが、そこは英国メディアの偏見があったのかも!? とはいえ記事の中では「マラドーナのリフティングの動画を見れば、それだけで凄さが伝わる」と評価している。

■9位: リー・トランドル(元スウォンジー)

 9位に選ばれたのは、トップリーグで一度も試合に出たことがないイングランドのマイナー選手だ。スウォンジーが3部や4部リーグにいた頃に同クラブでゴールを量産したストライカーは、代表歴もなく、決して有名なわけではない。だが先日、英国の人気サッカー番組『Soccer AM』に出演すると、46歳にして華麗な胸トラップを見せて話題を呼んだ。

▼ 番組公式ツイッター

■8位: メスト・エジル(元ドイツ代表)

 現在トルコのイスタンブール・バシャクシェヒルに所属する稀代のゲームメイカーは、抜群のビジョンと繊細な左足のボールタッチで数々の名シーンを生み出してきた。“脱力スタイル”から一瞬のひらめきで違いを生み出す。まさに“シルキー(洗練された)”なプレーヤーだったが、「やる気があるときは」と『talkSPORT』は限定している…。

■7位: ネイマール(ブラジル代表/パリ・サンジェルマン)

 7位は技の宝箱であるブラジル代表FWネイマールだ。現在のサッカー界で最も“巧み”な選手と問えば、彼の名前を挙げる人は多いだろう。バルセロナ時代にはリオネル・メッシやルイス・スアレスと「MSN」の強力3トップを形成して観客を魅了した。彼の代名詞となっているのは華麗なトラップ。足を交差してラボーナのように軸足の後ろでトラップする足技を「ネイマール・タッチ」と呼ぶことがあるそうだ。

▼ ネイマール・タッチ

■6位: ロナウド (元ブラジル代表)

 6位は元祖ロナウド。“怪物”と呼ばれた元ブラジル代表は、バルセロナ、インテル、レアル・マドリードなどでゴールを量産。ブラジル代表としても2002年ワールドカップ日韓大会で得点王に輝く8ゴールで、母国を世界王者に導いた。「どんな状況でも突破して敵を混乱に陥れた」と記事も絶賛している。

■5位: ディミタール・ベルバトフ (元ブルガリア代表)

 他のランキングには入らないかもしれないが、“ボールタッチ”に関しては歴代最高の一人と言っても過言ではない。トッテナムやマンチェスター・Uで活躍したFWディミタール・ベルバトフは、どんなパスだろうが、ボールの勢いを一瞬で吸収するようなボールタッチでコントロールして支配下に置く。そしてゴール前では恐ろしいほどの冷静さでネットを揺らして観客を興奮させた。

■4位: リオネル・メッシ (アルゼンチン代表/パリ・サンジェルマン)

 全てを兼ね備えたサッカー界の最高傑作は、人の想像の一歩先を行くプレーで世界中のファンを魅了する。昨年12月にはワールドカップを制し、全てのタイトルをコンプリートした。ドリブル、シュート技術、柔らかいトラップなど、どれをとっても別格。まさに歴代最高のプレーヤーである。

■3位: ジネディーヌ・ジダン (元フランス代表)

 史上最も優雅だった選手といえば、元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンだろう。“マルセイユ・ルーレット”を世界中に広めた芸術家は、最もミスコントロールの少ない選手だったと言える。抜群のボディバランスでボールを保持すると、決定的なパスで好機を演出。2002年のチャンピオンズリーグ決勝で決めた左足のボレーシュートは歴代最高ゴールの1つに挙げられる。

■2位: デニス・ベルカンプ (元オランダ代表)

 “ファーストタッチ(トラップ)”に限定すれば、彼を超える選手は二度と出てこないかもしれない。ベルカンプは一瞬でボールの勢いを殺す完璧なボールタッチで幾度となくサッカー史に残るゴールを決めてきた。

 オランダ代表としては、1998年ワールドカップのアルゼンチン戦で背後からのロングパスをぴたりと止め、敵DFを冷静にかわして右足アウトサイドでゴールに流し込んだ。何より凄いのは、これを終了間際の90分にやってのけたことだろう。

 そしてベルカンプといえば、やはり“あのゴール”だろう。アーセナル時代の2002年3月のプレミアリーグの試合で、MFロベール・ピレスのパスを半身で受けたかと思えばトラップと同時に回転。ボールを敵DFの裏に通しながら自分は反対側を回って入れ替わり、芸術的なゴールを決めて見せた。

■1位: ロナウジーニョ (元ブラジル代表)

 栄えある1位に輝いたのは、元ブラジル代表FWロナウジーニョだ。「物理の法則に反するような数々のスキルでサッカー狂を増やした」と記事が絶賛するように、彼はサッカー史における歴代最高の“業師”だった。サンバを踊るような華麗なステップでピッチ上を駆け抜け、相手DFをあざ笑うかのようなスキルでスタジアムを沸かせた。

 というわけで、英スポーツメディア『talkSPORT』が選ぶ歴代最高の“ボールタッチ”を持つ選手は、元ブラジル代表FWロナウジーニョに決定だ。

(記事/Footmedia)

2023/2/8 20:18

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