サバイバル専門家・川口拓に聞く! もしもマンホールに落ちたらどうすれば良い!?

『ライアーゲーム』シリーズ、『マスカレード・ホテル』シリーズの脚本家・岡田道尚(おかだみちたか)氏によるオリジナル脚本、『海炭市叙景』、『私の男』など海外からも高い評価を受ける熊切和嘉(くまきりかずよし)監督による映画『#マンホール』(読み:ハッシュタグ・マンホール)が2023年2月10日(金)に公開。主演には中島裕翔。昨年デビュー15周年を迎えた人気グループ「Hey! Say! JUMP」のメンバーである中島は、『僕らのごはんは明日で待ってる』(17)以来、6年ぶりの映画主演となります。

中島が演じる本作の主人公・川村俊介は勤務先の不動産会社での営業成績は№1、上司や同僚の信頼も厚く、さらには社長令嬢との結婚も決まり将来を約束された超がつくほどのハイスペック男。結婚式前夜のサプライズパーティの帰り道に酒に酔ってマンホールに落ちてしまうという、幸せの絶頂からどん底に転落する男に。川村の元カノ・工藤舞役に奈緒、川村の同期社員・加瀬悦郎役を俳優の永山絢斗が務める。第73回ベルリン国際映画祭にて、ベルリナーレ・スペシャル部門に正式招待されることも決定しています。

この度、映画『#マンホール』にサバイバリストの川口拓より“サバイバル専門家に聞く 実際にマンホールに落ちたらどうする!?”としてコメントが寄せられた。

川口はまず「マンホールに落ちた際に限らず、都市災害時、森で道に迷った際など、あらゆるサバイバル状況に於いて先ず考慮しなければならないのが、呼吸のための酸素、次に体温の保持となります。これらが保持、獲得できれば、次の脱水症状による死まで、約72時間の猶予ができます」とマンホールに落ちてしまった際の優先事項について語ります。

さらに「体温の保持は、体が濡れてしまうと非常に困難です。温暖な季節であっても、状況によっては数時間で低体温症に陥り、命をおとします。とにかく体を濡らさない事。我々が普段着ているコットン生地の服は、濡れると体温をどんどん奪うので、死の素材とも呼ばれます。そして自分の体温よりも冷たいものに体を触れさせない事。地面や壁がそれに相当する場合は、立っている方が体温の保持に繋がる可能性があります」と、主演の中島裕翔も“一番きつかった”と語る寒さについて続けます。

また、今回川村はマンホール内で“波の花”と呼ばれる自然発生の有毒ガスに見舞われることになるが、「有毒かもしれない空気、ガスなどは、開けた野外であれば、何らかの方法でその発生源や、濃度が凝縮されるエリアから距離を取る事ができます。ところがマンホール内などの場合、それが困難な場合もあるでしょうし、その形状によっては滞留してしまっている場合もあるでしょう。呼吸に必要な酸素が得られない場合、タイムリミットは最短で1分〜数分と、非常に短いです。ガスマスクなどの装備を持っていない場合、そこから脱出する以外の生き延びる方法はないと言って良いでしょう」と、川村が非常に危険な状況に晒されていることを解説。

マンホールに落ちたときの必需品については「当たり前の話ですが、一刻も早く脱出するために、携帯電話などを用い落ち着いて救助を要請します。何が起きるかわからないので、チャンスがあればとにかく充電、予備バッテリーなどを持参しておきます」と答え、他にも「ハシゴなどが金属で出来ている場合、それを何か固いもので叩けば、その共鳴音がかなり遠くまで響くはずです。声を上げるのも非常に有効ですが、喉が潰れてしまったり、体力の消耗などにもつながるので、なるべくセーブするようにしましょう」と専門家ならではのアドバイス。

最後に「サバイバルの知識を頭の片隅におきながらこの映画をみると、更にドキドキしながら楽しむ事ができるのではと思います」という言葉で締めくくります。結婚式前夜、幸せの絶頂から人生の穴に転落したハイスぺ男。2分に1度訪れるピンチの連続の中、SNSを駆使した反撃の果てにある、衝撃の結末とは!?映画『#マンホール』は2月10日(金)より全国公開。

【川口拓さんプロフィール】

1971年地球の日 (4/22)に生まれる。 1996〜2004年カナダやアメリカを何度も訪れ、雪山登山、ロッククライミング、野外教育法、ネイティブアメリカン古来の教え、大地と共に生きるサバイバル技術等を学ぶ。2001年よりWILD AND NATIVE(http://wildandnative.com/) 主催、 2013 年一危機管理リーダー教育協会(http://cmle.jp/) 設立。ネイティブアメリカンの大地と共に生きるサバイバル術、 危機管理術等を、一般の方から自衛官警察官まで共有。

著書

「ブッシュ クラフト 大人の野遊びマニュアル : サバイバル技術で楽しむ新しいキャンプスタイル 」

「都市型災害を生き延びるサバイバルプラン」 ほか

(C)2023 Gaga Corporation/J Storm Inc.

2023/2/8 17:30

こちらも注目

新着記事

人気画像ランキング

※記事の無断転載を禁じます