日本全国47都道府県「冬のホカホカ鍋ランキング」山梨・ほうとう、秋田・しょっつる鍋に続くのは…?

 全国各地には、冬の寒波すらも忘れさせる、「激うま鍋」が数多く存在する。そこで、毎冬恒例の鍋企画が、満を持して登場。今回も、有識者を集めて結成した「日本大衆メシ審議委員会(JTMC)」が、全国のご当地鍋を調査し、この冬に食べたい鍋をリストアップ。そこから厳選したベスト10を発表しよう。

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 まず、第10位はほうとう(山梨)。言わずと知れた山梨名物で、戦国武将の武田信玄が陣中食として考案したともいわれる、スタミナ満点のみそ味の鍋だ。

 昨年10月放送の『マツコの知らない世界』(TBS系)で「鍋の素の世界」を紹介して話題を呼んだ、“名誉鍋奉行”の安井レイコ氏が、その魅力を語る。

「濃厚なみそスープと、食べ応えのある平打ち極太麺の組み合わせがウリの鍋です。また、“小豆ほうとう”など、地域や季節によって、いろんな味のバリエーションがあるのも特徴なので、食べ比べが楽しめます」

 ほうとうは、家でも手軽に食べられる鍋料理でもある。

 そこで、日本抗加齢医学会認定指導士で、美人管理栄養士として知られる松田真紀氏に、“ちょい足し”アレンジレシピを教えてもらった。

「スープが煮詰まってきたら、だしで割って“味変”を楽しむのがオススメ。みそ味に魚介だしを足して、ダブルスープにしたり、うま味成分のグルタミン酸が豊富なトマトを入れて、イタリアンふうにするのも、おいしいですよ」

 第9位は、ドジョウ鍋(東京)。『週刊大衆』連載『極うま麺』でもおなじみの、フードジャーナリスト・はんつ遠藤氏が解説する。

「江戸時代から伝わる由緒ある郷土鍋で、ドジョウを生きたままゆでる“丸鍋”や、背開きにしてゴボウとゆでる“ぬき鍋”、割り下で煮込んで卵とじにする“柳川鍋”など、数種類あります。江戸っ子なら、味の違いを知っておかないといけません!」

■冬を楽しくする鍋が続々ランクイン!

 伝統の味という点では、第8位のしょっつる鍋(秋田)も負けていない。郷土の魚醤“しょっつる”で、日本海の幸、ハタハタを煮込んだ逸品である。

「冬の産卵期を迎えたハタハタには“ブリコ”というプチプチ食感の魚卵があり、それが魚醤のスープに絡むと、得も言えぬ深い味わいになります。酒の肴にもピッタリ」(前出の安井氏)

 秋田は、きりたんぽだけではないのだ。

 第7位には、肉が主役のそずり鍋(岡山)が初登場。

「牛肉文化の聖地である津山市で生まれたご当地鍋。骨の周りから“削り”(そずり)落とした、牛の赤身肉が入っています」(前同)

 言うなればマグロの中落ちの、牛肉バージョン。その牛肉を、トロトロになるまで煮込むので、しょうゆ味のスープにうま味が溶け、最後の〆のうどんまで絶品だ。

 続く第6位は、炊き餃子鍋(福岡)だ。水炊き、モツ鍋を有する鍋激戦区の博多で、2010年代から流行し始めた人気の新グルメである。

「トンコツスープで餃子を煮て、その上に博多万能ネギが山盛りにのっています。薬味には、ピリッとからい、九州の柚子コショウが欠かせません」(同)

 こちらの鍋は、餃子はもちろん、濃厚なトンコツスープも主役なので、余すことなく味わってほしい。それが健康にもつながるからだ。

「冬の乾燥した空気は、気づかないうちに脱水症状を進行させて、疲労感などを誘発します。定期的な水分補給が必須なので、鍋料理のスープはしっかり飲んで、水分を補ってください」(前出の松田氏)

 第5位は、セリ鍋(宮城)。日本一のセリの産地・名取市で生まれた新しい鍋料理だ。他の鍋では味わえない、セリの根のシャキシャキ食感が楽しめると、注目を集めている。

「セリは“春の七草”の一つで、抗菌作用によって、風邪を遠ざけます。1年の無病息災を祈って食べる“七草がゆ”にも入るほどなので、これからの春先のシーズンには、ぜひ食べてもらいたいです」(前同)

 2月6日発売の『週刊大衆』2月20日号では、ベスト4を紹介している。

2023/2/5 18:00

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