100歳まで健康に生きる簡単習慣5つ、老化のスピードは制御できる

 医学や科学技術の進歩により、今や人生100年と言われる時代になりましたが、どうせ長生きするなら健康でいたいですよね。

『100歳まで生きるための習慣100選』(飛鳥新社)は、健康で長く生きるためのヒント集。食事、運動、生活習慣、メンタルまで、内面と外面まるごと監修したのは、愛媛大学医学部付属病院抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也先生。

老化のスピードは自分で制御できる」と本書が語るように、今からできる小さな積み重ねで、大げさではなく人生が変わります。目的は「老化の流れを『上流でせき止める』こと」。ではまず食事編からいってみましょう。

◆血管のために毎日取り入れよう

人は血管とともに老いる」と本書。元気な毛細血管は「内皮細胞」と「壁細胞」がしっかりと接着しているといいます。その接着を強くするのが老化制御の秘訣。ここでスーパー調味料の登場です。

 ひとつ目はヒハツ。ロングペッパー、インドナガコショウとも呼ばれ、日本では沖縄県などで同属のシマコショウが栽培されています。「ヒハツ摂取後約10分で、皮膚表面温度がみるみる上昇する」という研究結果も出ているそうです。ヒハツはコショウの代わりにもなり、スーパーでも入手可能です。

 ふたつ目はシナモン。お菓子やケーキでおなじみですが、漢方では「桂皮」と呼ばれるれっきとした生薬です、冷え性や胃腸のもたれなどを改善し、ヒハツ同様に血行促進効果ものぞめます。ヒハツもシナモンも、日常的に利用できるのが最大の魅力。これらを積極的に活用して、身体の内側からケアしていきましょう。

◆バランス力を鍛えておく

 歳を重ねるとどうしても筋力が弱くなります。特に女性は閉経後に骨粗しょう症になりやすく、骨折につながる可能性もあります。「筋力や骨密度の低下は、運動機能を低下させるだけではなく、血管の老化を進め、寿命を縮める原因」と本書。筋力と骨を鍛えるためにはバランス力が必須。なぜなら「バランス力を保つためには、筋肉と骨が健康でなければならない」からです。今すぐできる、1分間運動でそれが叶います。さあ、準備はいいですか?

「1分間、片足立ちできますか?」

・開眼片足立ちのやり方

1. 足をそろえて立つ

(足はまっすぐ伸ばす。深呼吸してリラックスする)

2. 片方の足を床につかない程度に軽く浮かせる

(浮かせやすい足でOK。目は開けたままで)

3. そのまま1分間キープする

 本書いわく、「1分間の片足立ちを1日3回行うと、足の付け根には50分歩くのと同等の負荷がかかる」そうです。なかなか運動する時間が取れない人でも、仕事や家事の合間にその場でできてしまう、超お手軽なエクササイズです。これなら無理なく老化を制御できますよね。

◆歯みがきをあなどるなかれ

 普段何気なくやっている習慣も、見なおすことで将来に格段の差が出ます。まず歯みがき。「歯周病」とい言葉はポピュラーですが、怖さやリスクを熟知している人は少ないかもしれません。歯周病とは簡単にいうと、「歯と歯肉の境目に歯石や歯垢などのプラークが溜り、歯周病関連菌が繁殖し、歯肉の炎症を引き起こす病気」。

 とはいえ進行すると、「歯周病関連菌が歯肉から血管内に入ってしまい、毒素が全身の血管に慢性炎症を引き起こし、動脈硬化を悪化させる」というのです。もはや問題は歯だけではありません。口腔内の健康は、自分の目だけでは判断できないため、後回しにしがち。気づいた時にはかなり症状が悪化していた、というのは実はよくある話。健康診断の一環として、歯科検診とクリーニングはせめて半年に一度は実施したいです。

◆防寒対策で免疫力アップ

 新型コロナウイルス感染症が蔓延してから、以前にもまして「免疫力」に意識が向くようになりました。冬に風邪をひきやすく、ウイルスに弱くなるのは、寒さと乾燥が引き金になっていることもあります。免疫力を上げるために本書が薦めているのが、「体を冷やさない」こと。

 特に「首には大きな血管が走っていることから、そこを温めると一気に全身が温まっていく。反対に首が冷えると体全体が冷え切ってしまう」というように、ピンポイントで防寒対策をするのが秘訣。首のほかに、手首や足首など、首が付く箇所も同時に温めればさらに効果的でしょう。

◆少しずつ、楽しみながら笑顔で

 本書に掲載されている100選は、どれも小さなことばかり。生活の一部として、ごく自然に取り入れられるように工夫されているのです。「笑いながら楽しみながら実践してほしい」と本書が言うように、ストレスなく自分が心地いいのが第一条件。自分の症状に合わせて、少しずつコツコツ続けていけば、未来の健康が約束されるに違いありません。

<文/森美樹>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx

2023/1/30 8:47

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