初期投資30万円の副業。「継続して稼げない人」に共通している2つの特徴

―[Amazon「自社ブランドOEM」高コスパ副業術]―

 皆さん、こんにちは。「物販NAVI」を運営している物販コンサルタントの船田寛と申します。

 前回は、一般企業に勤める会社員だった私が脱サラするまでの道のり、そして「自社ブランドOEM」を開始してから半年でどのようにして月収250万円を達成したのかお話しました。

 いま、物価の上昇や長引く不況の影響で会社員の“副業”が注目を集めていますが、自力ではなかなかうまくいかず、挫折してしまう人も多いと思います。今回は、実際に副業として自社ブランドOEMを始めるためのポイントをお伝えいたします。

◆「自社ブランドOEM」を始めるためのポイント

 私は現在、Amazonで「自社ブランド」の商品を販売しつつ、そのノウハウをお伝えするスクールやセミナー、コンサルティングなどを行っています。

 自社ブランドOEMは、いきなり挑戦しても失敗してしまい、途中でやめてしまう人も少なくないという現状があります。私は、これまで積み上げてきた知見をお伝えすることで、成功する人を少しでも増やしたいと思っています。

 なぜかといえば、私にもメリットがあるからです。教えた人たちからたくさんのフィードバックをもらうことで「成功事例」が集まります。さらに、それを皆さんに還元することでプラスのループが生まれるわけです。

◆平日は1日2時間、手持ち資金30万円程度で可能

 まず、副業として始めようと思った際に「初期投資がかなり必要なのではないか?」という不安が頭をよぎるはずです。

 モノづくりの経験がない方は、「自分のブランドを立ち上げる」と聞けば、ものすごくお金がかかるイメージがあるかもしれません。もちろん、モノをつくって売る以上はタダではできません。しかしながら、手持ち資金30万円からでも始めることが可能です。

 また、本業が忙しい会社員にとってネックとなるのが「時間の確保」だと思います。ただ、私の生徒さんで自社ブランドOEMに挑戦している方の9割は会社員や主婦です。

 慣れてくれば、平日は1日2時間程度でしょうか。ただし、軌道に乗るまでの最初の2〜3か月ぐらいは、さらに土日などの休日で1日5時間ほどは必要です。

◆商品の販売スタートまでの大まかな流れ

 なんとか、その程度のお金と時間なら捻出できそう……そう思ったら、何から手をつければいいのか、以降は大まかな手順をご紹介します。

◆①Amazon「出品用アカウント」をつくる

 ふだんAmazonで買い物をしているときのアカウントとは別に、商品を販売するための「出品用アカウント」を用意します。

 出品手数料として月額5000円ほどかかりますが、アカウント作成=出品店登録を行うと、Amazonが提供している「Amazon出品大学」という初心者に役立つコンテンツが得られるようになります。

 スタートするうえでの準備なども動画やPDFでわかりやすく解説されているので、ビジネスを「やるぞ!」と決めた段階で登録するのがおすすめです。売れ筋ランキングのデータも受け取れるので、成功するために必要な知識がひと通り学べます。

◆②リサーチ「何を売るのか考える」

 次にリサーチです。要するに「何を売るのか考える」ことです。いま売れるのはアパレルなのか、ガジェットなのか、雑貨なのか。自分自身がそのジャンルに興味があり、売ることに熱意が持てるほうがいいことは言うまでもありません。

 そして、仕入れ元となる「alibaba.com」などを見て、実際にどのようなアイテムがあるのかチェックし、原価を確認することも重要です。

◆③サンプルを取り寄せる

 販売するアイテムを決めたら、中国の工場からサンプルを取り寄せましょう。現物を自分でも使ってみたうえで、本当に売れるかどうか検討します。

 サンプルを見ながら自社ブランドのロゴの配置などもイメージしてみましょう。

◆④中国の代行業者と契約する

 サンプルを確認して販売を決心したら、次に中国の代行業者と契約を行います。

 自社ブランドの商品を製造する過程で中国の工場に要望や意向を伝え、完成したアイテムにも問題がないかチェックします。しかし、副業として自社ブランドOEMを行う皆さんにとって、中国まで足を運ぶことや、中国語でのコミュニケーションは難しいところでしょう。

 そのため、代わりに交渉や品質管理、国際輸送・通関手続き・倉庫保管といった物流面なども行ってくれる業者との契約が必須になりますが、ビデオ通話やチャットなど、日本語でやり取りすることができます。

◆⑤販売ページの作成・特許庁から商標をとる

 代行業者を通じて商品の製造を開始したら、LPの制作を並行して進めます。

 LPとは、Amazonの販売ページのことです。競合するブランドの分析も行いつつ、どのような写真やデザインならば売れるのか考えましょう。

 LPの制作は、商品の撮影なども含めて専門業者に委託します。シロウト臭い販売ページではせっかくの商品も売れないため、ここはケチらず、お金がかかっても委託するのがおすすめです。

 また、自社ブランドの商標を特許庁からとりましょう。こちらもプロにお任せすることが可能です。商標の登録にかかる費用の相場としては12万円程度。ただ、一部の手続きを自分で行ったり、業者を選んだりすれば、5万円前後まで抑えることもできます。

◆⑥Amazonの倉庫に直送、販売開始

 商品が完成したら、中国の工場からAmazonの倉庫に商品を直送してもらいます。そして、いよいよ販売開始です。

◆⑦売れ行きの状況確認・広告を入れる

 商品の販売後は在庫管理、売れ行きに応じて追加発注なども行います。場合によっては、Amazonに広告を出すことも検討しましょう。

 Amazonでは、検索結果の1ページ目で70%が売れてしまうと言われているため、SEO(検索順位)が売り上げを大きく左右します。

 そのため、1ページ目に掲載されるように意識します。たとえば、Amazonのアルゴリズムとして、たくさん売れているものが検索上位に来るので、最初は商品の価格を安く設定して売れやすくしておく。そして、1ページ目に来るようになってから徐々に値段をあげていくというテクニックもありますね。

◆初心者はここでつまずく

 今回は、かなりざっくりですが自社ブランドOEMの流れを説明しました。いろいろ大変そうと思われたかもしれませんが、初心者でも販売開始まで約3か月程度で実現している方が多い印象です。

 いちばん重要かつ大変なのは、手順の②でも紹介した「何を売るのか考える」。これは代行業者には頼めません。事前にアンケートを実施して売れるものを調査したり、マーケティングを学んで戦略を立てたり、すべて自分の腕次第です。

 とはいえ、一度コツをつかんでしまえば、その後にやることは一緒なので、アパレルから雑貨まで商品のジャンルが変わってもノウハウは応用できます。

◆「知らなかった」では済まされない注意点

 物販において気を付けなければならないのは、税金面や販売サイトの規約を守るなどの「ルール」系。中古品を売るならば古物商許可も必要になります。

 商標権を侵害しない(勝手に他ブランドのロゴやキャラクターを使用しない)、まな板などを販売する場合も「食品衛生法」に則っていなければならないなど、「知らなかった」では済まされないルールもあります。

 モノを販売する場合には、個人でも法人でも税務署に開業届を出さないといけません。年間1000万円以上の売上があれば、消費税の納税義務がある「課税事業者」に該当します。もちろん、確定申告が必要です。

◆継続して稼げない人たちに共通している2つの特徴

 私が運営するスクールでは多くの生徒さんが自社ブランドOEMに挑戦しています。成功する人が多い一方で、“継続して稼げない”という場合も。

 そんな人たちには、じつは共通している特徴があります。

◆①稼いだお金を「浪費してしまう」

 1つめは、せっかく稼いだお金を「浪費してしまう」。

 たとえば、稼いだお金で「美味しいものを食べたい」とか「ブランド品を買いたい」とか、私も貧乏だった時代があるので気持ちはよくわかりますが、次のビジネスに投資し、さらに稼ぐ……こういう考え方ができるのかどうか。

 物販は資金調達がしやすいという側面もあり、事業ができあがっていれば、銀行や金融機関などからお金を借りられます。資産を増やせば、それを元手にして自分がやりたかったビジネスを新しく始めるなどの選択肢も生まれていくのです。

◆②うまくいかないと「すぐに諦めてしまう」

 2つめは、「すぐに諦めてしまう」。

 何かうまくいかないことがあると投げ出してしまう人は、自社ブランドOEMを軌道に乗せることすらできません。

 そもそも、どんなビジネスでも「ラクして儲かる」ものはありません。それをわかったうえで、厳しい結果も素直に受け入れ、やるべきことを淡々とできないと継続して稼ぐのは難しいのです。つまり、「自分で稼ぐ力」をしっかりと身に付けていくことが大事だと思いますね。

<構成/松本果歩>

―[Amazon「自社ブランドOEM」高コスパ副業術]―

【船田寛】

物販コンサルタント。自社ブランドOEMスクール「物販NAVI」運営。かつては大手物流企業に勤めるも給料が少なかったことから新聞配達や深夜の警備員などでなんとか生活。ある雑誌で「せどりで稼ぐ方法」の記事を見つけたことをきっかけに、2011年6月より国内転売をスタート。2014年9月に脱サラ、法人設立後は自社ブランドOEMで月収500万円を達成。現在では物販スクールの講師としてコンサルも行いつつ、売り上げは月商2000万~2500万円をキープしている。YouTubeチャンネル(@navi913)でも情報発信中。

2023/1/30 8:52

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