NHKを退職した30代男性。「年収900万円」も「将来の退職金3000万円」も捨てたワケ
長年、勤めた会社からもらえる退職金は、企業によってまちまち。悠々自適な老後を過ごせるのか、はたまた雀の涙ほどか? 終身雇用が崩れるなか、リアルな退職金の相場に迫る! 今回は30代で退職を決断した社員を取材、勤続10年での退職金はいくらもらえたのか?
◆高待遇の職場でも転勤を嫌がる若手が続々と退職中
公共放送ゆえに安定した地位が保障されているNHKだが「若手記者の流出が続いている」と森山陽一さん(仮名・30代)は話す。
「私を含め同僚はヤフーや新聞社、ほかにコンサルタントや不動産関係などにも続々と転職しています。記者は全国の支局に転勤があるのですが、なかなか希望は通らない。結婚・子育てやキャリアパスを考えると皆不安になる」
◆定年まで勤めれば3000万円…
10年近く勤めた森山さん、退職時の年収900万円で退職金は約200万円。定年まで勤めれば3000万円に届いたかもしれないが、まったく未練はないようだ。
「いくら取材を頑張っても、放送されるためには上司が20~30人集まって映像を確認する試写で説得しなければなりません。そこでは意図していない編集をゴリ押しされることも多い。
時には、偉い人の気分で、編集方針が決まったようにしか見えないケースもあった。
そんなことで取材に応じてくれた人の期待を裏切ってしまったり、伝えたい内容と異なるものが放送されるのは本当に悔しかったです」
◆世代間の待遇差も…
世代間の待遇差も悩みの種。
「平たくいえば、会社からの評価は人事と給料。そのうち給料は減少傾向です。退職金や企業年金にしても、上の世代と僕らの世代では差がある。
さらに人を減らしているので、若手の仕事量は増える一方。モチベーションが上がるはずもない」
人材流出は防げるのか。
◆●森山陽一さん(仮名・30代)のケース
勤続約10年
退職時年収900万円
⇒退職金200万円
取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ 写真/Shutterstock
※12/6発売の週刊SPA!特集「[有名企業の退職金]一斉捜査」より
―[[有名企業の退職金]一斉捜査]―