「残糸の有効利用」と「顧客満足」を両立できる持続可能な商売を! 愛知県三河地方のアパレルブランドとニット工場がアップサイクルに本気で取り組んでいます。

※「MOTTAiiNA」のマシュマロスヌードとマシュマロアームウォーマーの商品概要および購入方法は公式オンラインショップのページをご覧ください。


昨年の「七変化スヌードポンチョ」は3か月で完売。今年は小物のアップサイクル商品を開発しました


こんにちは。私たちは愛知県三河湾のほとりにある小さなアパレルブランド「UZUiRO」(運営 : 株式会社 渦japan)です。繊維関連の工場で在庫として眠っている糸(残糸)や生地(残反)。使われずにやがて廃棄されてしまうものが少なくありません。大きな工場では何トンという膨大な量になります。まだ使えるのに……。もったいない!


こんな単純な気持ちでスタートしたアップサイクル企画が「MOTTAiiNA(モッタイイナ)」です。




真っ先に協力してくれたのが、うちの店から車で10分ほどの場所にある石川メリヤス有限会社。60年以上の歴史を持つニット工場で、糸の在庫を豊富に持ち、最新の編み機も揃えて様々なニット小物を生産しています。


今年1月にリリースした第一弾(そのSTORYはこちら→ https://prtimes.jp/story/detail/GbyQk7TQ49b )の「七変化スヌードポンチョ」には嬉しい誤算がありました。用意した300着がすぐに売り切れてしまったのです。残糸で作るというコンセプトなので新品の糸を追加購入はしません。色の組み合わせによっては20着弱しか作れませんでした。欲しかったのに手に入らなかったというお客さまには申し訳なく思っています。


ポンチョという比較的大きな商品を作ったのには理由があります。アップサイクルなので残糸はできるだけたくさん使ったほうがいい!と思い込んでしまったことです。その結果、石川メリヤスがUZUiROに提供できるサーミックセレクトという糸の在庫をすべて使っても生産数が少なくなってしまいました。


今年の秋冬はこの反省を生かして、小物を2種類作りました。「マシュマロスヌード」と「マシュマロアームウォーマー」です。マシュマロンタムという起毛の糸で作り、それぞれ400着と600双を用意できました。



<夫婦2人で立ち上げました。夫がプロデュースと営業、妻が商品企画とデザインを主に担当しています>


<UZUiROのスタッフ。今年、コンテンツ制作担当 23歳のメンバーも新たに入ってくれました>


<マシュマロンタムは、起毛の糸(タム糸)を伸縮性の高いポリウレタンの芯に巻き付けてある糸です。肌触りが良くてよく伸びるという特徴があります>



残糸や残反の使用という前提条件。ブランドと工場が一緒に試行錯誤しなければ商品開発はできない


残糸や残反を使うという「縛り」があるMOTTAiiNA。正直言って余計な手間暇がかかります。「こういう商品を作りたいので、この素材をこれだけ買って生産してください」とは工場にお願いできないことです。「工場で余っている素材を有効利用する」という前提条件の中でお客さまに喜んでもらえる商品を工夫して作らなければなりません。冷蔵庫内の余り食材を使ってなんとか美味しい料理を作るのとちょっと似ています。そのためには素材の特性やその加工法をきちんと理解する必要があり、工場と二人三脚での試行錯誤をしなければ商品開発はできません。


工場側にとっても、はっきり言って面倒臭い作業なはずです。そのときに余っている素材を使うという企画の性質上、当然ながらすべての商品が一回限り生産です。七変化スヌードポンチョのようにすぐに売り切れたとしても、二度と全く同じ商品は作れません。


倉庫に保管されている糸の中には劣化していたり染めムラがあったりして実際には使用できないものが混じっています。例えば在庫表からの計画では50枚作れるはずが実際には20枚しか作れないことも。30枚分を新品の糸を買って計画通りに生産することもできますが、それではアップサイクルというブランドコンセプトから外れてしまいます。コンセプト通りに作れたものだけを売り切るという考えを両社で同時に守らなければなりません。生産効率を上げたい工場としては「やってられないよ」が普通の反応だと思います。


同じ三河地方にあるUZUiROと石川メリヤスは「もったいないことはしたくない」という気持ちを共有しています。だからこそ、マシュマロスヌードとマシュマロアームウォーマーを生み出せました。


<石川メリヤスの倉庫の一つを見せてもらったときの写真。同じ組成の糸でも色違いがたくさんあり、その在庫数もまちまちです>


<石川メリヤスの担当者、尾崎美奈さん。糸選びから仕上げまで、何度も意見を出し合いながら商品開発に取り組みました>



アップサイクルの取り組みを持続可能なものにするために。生産工程を工夫して適正価格で販売する


もちろん、MOTTAiiNAはビジネスです。UZUiROと工場がギリギリでWin-Winの関係になるように企画して販売しなければ長続きはしません。デザインにも使い勝手にもこだわり、適正価格で販売しています。マシュマロスヌードは5940円、マシュマロアームウォーマーは2420円です。そして、工場側の生産工程が大変になり過ぎないようにも配慮しています。


マシュマロスヌードは仕上げにミシンで縫う作業などが生じないようにしました。糸始末以外はすべて「ホールガーメント」という自動編み機で生産できます。石川メリヤスでは1点につき約32分で編み上げるそうです。


マシュマロアームウォーマーのほうも石川メリヤスとの話し合いが不可欠でした。当初のデザインでは繩の目のような模様の編み方(ケーブル編)を施す予定でしたが、それでは生産に時間がかかり過ぎて不良品も出やすくなるとの答え。すぐにデザインを変更し、スヌードと同じくシンプルなリブ編にしました。結果として、スヌードと一緒にコーディネートしやすい商品になったと思います。


<どんな形の製品でも丸ごと立体的に自動で編み上げることができる、島精機製作所のホールガーメント横編機(SWG)。石川メリヤスはこの機会を使ってマシュマロスヌードとマシュマロアームウォーマーを生産しました>


「いまある糸」で創意工夫をする商品開発。完成品が出来上がるまではドキドキワクワクの連続です


制限がある中でのビジネスは大変な分だけ働く過程が楽しい、という側面もあります。当初、アームウォーマーに使う糸はウールを検討していました。石川メリヤスの倉庫にはウールの糸もいろいろあり、UZUiROのお客さんは天然素材を好む傾向があるからです。サンプルを作ってもらったところ、すごく温かくて色味も良いのですが、肌が少しチクチクすることがどうしても気になりました。

通常の商品開発であれば代わりに使う糸の選択肢が膨大にあります。でも、残糸を使うのが条件であるMOTTAiiNAは、工場の在庫の中で余りがあって色展開も可能なものを探さなければなりません。運よくマシュマロンタムがたくさんあり、スヌードとアームウォーマーを同じ素材と同じ色で揃えることができました。

このように商品開発の先が見えにくいのがMOTTAiiNAです。ワクワクドキドキの連続で、完成品が出来上がったときは「こんなにいいのができちゃったね!」とスタッフで喜び合ったりします。シンプルに楽しい瞬間です。


<マシュマロスヌードとマシュマロアームウォーマー。首元と手元を同じニット素材でおしゃれに温められます>


ビジネスのための環境破壊が「仕方ない」では許されない時代。私たちが手間暇をかけてでもやるべきこと


石川メリヤスが残糸をリサイクルもしくは廃棄する場合、主に3つのルートがあるそうです。1つ目は、残糸を使った作業用手袋の目付合わせ(手袋の重さなどの調整)に使われるルート。環境負荷はアップサイクルと同じですが、付加価値や継続性は低くなってしまいます。2つ目は反毛(ワタにし直すこと)してフェルトにするルート。フェルトもやはり付加価値も低い商品です。そして3つ目のルートが廃棄・焼却。付加価値がゼロになり、二酸化炭素を排出するだけになってしまいます。


なお、マシュマロンタムのような混紡糸(2つ以上の異なる素材を混ぜ合わせて糸にしたもの)はリサイクルが困難です。混紡糸から単一の素材を取り出すためにはケミカルリサイクルをする必要があり、コスト面や環境面などで非効率的なのです。その意味でも、混紡糸を使ったアップサイクル商品の開発を手掛けてよかったと思っています。


ギリギリでWin-Winの関係を目指しているとはいえ、MOTTAiiNAは、UZUiROにとっても工場にとってもメインの事業にはなり得ないでしょう。しかし、コスト削減と売り上げ拡大だけを重視して環境破壊や資源の無駄遣いは「仕方ない」では許されない時代に私たちは生きています。余計な手間暇がかかったとしても、もったいないことはできるだけ避けるための楽しい努力をしていくつもりです。


<MOTTAiiNAの商品は当社の公式オンラインショップ https://uzu-japan.com/?mode=grp&gid=2555668&sort=n にて販売中です。>



<マシュマロスヌード。伸縮性もあり軽量な素材を使用しているため、長時間つけていてもストレスフリーです。>


<アームウォーマーは今季のトレンドアイテム。リブ編にすることでさらに伸びるようにしたので、簡単に柔らかく身に着けられます>


【UZUiRO / 株式会社 渦japan】

所在地:〒444-0403愛知県西尾市一色町松木島榎31番地

代表者:青木淳

設立:2016年10月

URL:https://uzu-japan.com/

問い合わせ:https://read.uzu-japan.com/feature/p12990/




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  • 11/24 22:13
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