引っ越しで置き去りにされた犬、空き家で飼い主を待ち続け2週間後に保護(米)

米ミズーリ州セントルイスにあるアニマルシェルター「ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス(Stray Rescue of St. Louis)」のドナ・ロッホマンさん(Donna Lochmann)に連絡したのは、あるアパートの大家だった。

大家の話によると、貸し出していた家に住んでいた家族が引っ越したので確認しに行くと、下の階へつながるドア付きの階段に1匹の犬が閉じ込められていたという。その家族が引っ越したのは約2週間前のことで、犬はずっと狭い階段で家族の帰りを待ち続けていたのだ。さらにこの一家の引っ越し先はペットの飼育が禁止されている建物だったことから、愛犬を置いていったようだ。

ドナさんが犬を保護する様子をシェルターのスタッフが動画に捉えており、ドナさんが犬の鳴き声が聞こえてくるドアをそっと開けると階段の下に犬の姿が映った。前の飼い主はドッグフードと水を残していたようでそこまで弱っている様子ではなかったが、犬は家族ではない人間が現れて困惑しているようだった。

ドナさんは優しく声をかけながら持ってきたおやつを投げ、すぐには近寄らず敵意がないことを示し続けた。しばらくすると犬は手から直接おやつをもらうようになり、リードを付けてドナさんと一緒に家の外へ出ることができた。家族が去ってから散歩もしていなかったせいか、犬はドナさんを引っ張るように興奮気味に自ら玄関の方へ向かっている。

そしてドナさんが乗ってきた車の方へ連れて行こうとすると、犬は家の前の芝生に座り込み、名残惜しそうに家の方を見つめていた。前の飼い主との思い出が蘇ったのか寂しそうな表情を見せており、ドナさんはしばらくそのままで犬を撫でながら一緒に過ごしている。その後、家を後にした犬は車に乗ってアニマルシェルターへと向かった。

犬は車に乗ると運転席に座るドナさんの方にやってきてクーラーの吹き出し口に顔を当てており、「冷たい風が好きだったみたい」と話すドナさんは犬に冷媒として使われる物質である“フロン(Freon)”という名前を付けた。

階段で出会った当初は警戒心を見せていたフロンだったが、もともとはフレンドリーな性格だったようで、シェルターに到着すると大きく尻尾を振りながらスタッフ1人1人にキスをして回った。これまでこんなにフレンドリーな犬が同シェルターにやってきたことは無かったそうで、フロンは一瞬でスタッフ全員を笑顔にした。

フロンは同シェルターのクリニックで短期間を過ごし、健康な体を取り戻すとスタッフは里親を募集した。幸運なことにすぐに里親が見つかり、現在のフロンは新しい飼い主のもとで同居犬と一緒に幸せな生活を送っている。

フロンが保護された時の動画は同シェルターのFacebookに公開されているが、「約2週間も1匹だけで閉じ込めておくなんて信じられない」「こんな可愛い子を置いていくなんて考えられないよ」「家を離れる瞬間の表情は本当に胸が締めつけられる」など心を痛めるコメントが多数届いた。

ちなみにドナさんは少し前にも瀕死の状態だった犬を保護しており、立てるようになった犬がスタッフに甘えてハグする姿が話題を呼んでいた。

画像は『The Dodo 2022年9月24日付「Loyal Dog Waits For Weeks In Empty House After Family Leaves Him Behind」(STRAY RESCUE OF ST. LOUIS)』『Stray Rescue of St. Louis 2022年7月12日付Facebook「Once more, some people moved away and forgot one of their family members.」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2022/10/2 21:00

この記事のみんなのコメント

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  • トリトン

    10/3 12:36

    捨てるぐらいなら飼うなよ本当に重い罪にして罰金50万取れやそれを保護施設の支援にするとか、飲酒運転で100万なら半分安いものだよ個人的には捨てた飼い主処刑すべきだと思うほど腹が立つね。ぜひとも許可制にしてせめて捨てたら二度と飼うことを禁止すべきだと思うね。

  • あきひろ

    10/3 11:59

    犬は捨てていくしかなかったのでしょうねせめて処分ぐらいは自分でしてほしいものです。

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