「偏見の目で見られるのではないか…」フリースクールに通っていた10代の声

ラジオの中の学校、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」。毎週月曜にお届けしている「SOCIAL LOCKS!」のコーナーでは、生まれた環境のこと、性のこと、障がいのことなど、周りとの“違い”について悩んでいるさまざまな10代の声を届けています。

9月26日(月)の放送では、「周りの目が気になって、フリースクールに通っていたことを話せない」という14歳のメッセージを紹介。パーソナリティのこもり校長とぺえ教頭が、自分の経験を話す相手やタイミング、またその必要性について語りました。

ぺえ教頭とこもり校長

◆リスナー(14歳 / 中学2年生)から届いたメッセージ

――フリースクールに通っていたことを、先生以外に言えていない

私は小学5年生のときに、先生と合わなかったことが原因で学校に行けなくなり、中学進学までの約1年半、フリースクールに通うことになりました。フリースクールとは、何らかの理由で学校に行けない小中高生が、学校に在籍しつつも学校以外で学んだり友達と過ごしたりできる居場所のことです。

私が通ったフリースクールは、通信制高校の1部を借りて開いている所でした。そこで過ごした1年半は、優しい先生たちに教えてもらいながら勉強をしたり、安心して気兼ねなく付き合える友達と時間を過ごすことができた、かけがえのないものでした。

だけどいまは、フリースクールのことで悩んでいます。それは、いまの中学のクラスでは、自分がフリースクールに通っていたことを、先生以外の誰にも言えていないことです。実は同じクラスに、あまり教室に来ることができない子がいるのですが、その子がたまに教室に来るとクラスがザワザワしたり、教室にいないことで特別だと思われているようです。もし自分がフリースクールに通っていたことを話したら、自分も偏見の目で見られるのではないか、という恐れがあるからです。

フリースクールに通っている生徒たちは、学校に行けなくても自分に合った環境で勉強したり友達を作ったり、自分なりの学校生活を送っています。私服だし髪型も自由だし、自分に責任を持って行動しているので、クラスメイトのことを大人だなと思っていました。

小さなことにも気づいて、声をかけてくれる先生たちがいるフリースクールに通ってから、私は人に頼れるようになりました。いまでは、いろいろな人に悩みを話せるようになりました。

フリースクールのことを知る人がもっと増えて、フリースクールの楽しかった思い出を堂々と話せるようになったらいいなと思います。

◆こもり校長とぺえ教頭が思うこと

――いますぐに伝えようとしなくてもいい

こもり校長

こもり校長:フリースクールに通っていたことを言えないと。

ぺえ教頭:私は、本当に信頼をおける友人や先生が現われてから話すべきだと思う。本当のことを伝えて自分が傷ついてしまうと、もっとつらくなるだろうから。いますぐに伝えようとしなくてもいい、と私は思う。

こもり校長:フリースクールに通っていたことを伝えるのは義務ではないし、誰しも生きていれば、人に言えないことや言いたくないことの1つや2つはあるし。だから、人とコミュニケーションを取るわけで。言葉にすることが苦しいなら、言わなくてもいいと思う。

ぺえ教頭:そうだね。

こもり校長:俺も(通信制高校に)編入した経験があるから、フリースクールが悪いとはまったく思わない。無理する必要はないよね。

ぺえ教頭:うん。あまり教室に来れない同じ境遇の子がいるわけだから、その子にとって頼りなる存在になってほしいなとも思う。その子には打ち明けてみるとかね。

こもり校長:そうだね。

ぺえ教頭:そういうことをしていけば、道は開いていくのかな。

こもり校長:うん、そうだね。声を聞かせてくれてありがとう。

ぺえ教頭

「SOCIAL LOCKS!」では、さまざまな声を募集しています。わかってほしいのにわかってもらえないことや、「もっとこうなればいいのに」と思っていることがあれば、番組の特設サイトまでお寄せください。

超ダイバーシティ芸術祭「True Colors Festival」の新プロジェクト「True Colors CARAVAN」にて、「SCHOOL OF LOCK!」が「SOCIAL LOCKS!」の課外授業をおこなっています。最終回となる6回目は、10月23日(日)に大分県別府市役所 中庭「市民ひろば」で開催されます。

「SCHOOL OF LOCK!」からは、ぺえ教頭と「SCHOOL OF LOCK! 教育委員会」のパーソナリティ・とーやま委員が参加。特別講師として、盲目のバイオリニストとして活躍する穴澤雄介さんと福岡出身のシンガーソングライター・向井太一さんが登場します。

会場では視聴覚に障がいがある人に向けて、ステージの様子を実況する音声ガイドや、手話通訳が用意されています。詳細は「SOCIAL LOCKS!」の特設サイトをご確認ください。

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聴取期限 2022年10月4日(火)AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:SCHOOL OF LOCK!

パーソナリティ:こもり校長、ぺえ教頭

放送日時:月~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/lock/

2022/10/1 17:00

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