クモに足を噛まれ生死をさまよった女性、4年後もむくみが引かず(英)

英ケント郡アシュフォードに住む2児の母トレイシー・ヴィンセントさん(Tracey Vincent、51)は2018年10月、地元にある園芸センター「バイブルック・バーン(Bybrook Barn)」で右足を指でつねられたような痛みを感じた。

トレイシーさんはその日、サンダルを履いていたそうで、当時のことをこのように語った。

「両親と一緒にホットチョコレートを飲んでくつろいでいた時に、何かに右足をつねられた気がしたの。すると数秒後、右足全体が麻痺したようになり、ピリピリと痺れを感じたわ。」

「ただその時はまさか大事になるとは思わず、そのままドリンクを楽しんだの。そして夜になると、右足の一部が腫れて紫色になり水膨れができていたのよ。」

心配になったトレイシーさんは、かかりつけ医に診てもらおうと連絡したが予約が取れず、受付係のアドバイスに従って痛み止めを飲み、様子を見ることにした。

ところがその2日後、トレイシーさんは風邪のような症状に襲われ気分が優れず、そのうち体の震えが止まらなくなった。

「寒くなって体が震え、ベッドに横になったのは覚えているけどその後の記憶がなくてね。どうやら意識を失ってしまったようなの」と語るトレイシーさん。その日、家の電話に出ないことを心配した夫が急いで帰宅したことで発見され、自宅に救急車が呼ばれた。

トレイシーさんは「目覚めると、ベッドのそばで救急隊員が点滴を準備していたわ。そして私は敗血症で病院に緊急搬送されたのよ」と振り返り、「右足は燃えるような痛みで、テニスボールほどの水ぶくれができていた。それに赤くなり腫れあがっていたわ」と続けた。

なお医師は、トレイシーさんの右足指上部に2か所、右脚に1か所、クモの噛み跡があったことから、「帰化クモ(Steatoda nobilis)」に噛まれたと推測、すぐさま治療を開始した。帰化クモはニセゴケグモ(false widow spider)とも呼ばれ、近年は被害者数が急増、英国内で最も有毒なクモとして知られている。

トレイシーさんのケースでは、右脚の腫れた部位の直径は63センチで、患部が炎症を起こし、細菌が血流に乗って全身へ広がる敗血症に罹っていた。医師は「これほど酷い例は見たことがない」と驚愕し、トレイシーさんは「生き残る確率は50%」と告げられた。

入院は3週間にも及んだが、トレイシーさんは最初の1週間の記憶はあまりないそうで、「あまりの痛みに一時はモルヒネを処方してもらったの。もう少しでクモに命を奪われるところだったのよ」と恐怖の体験を語っている。ただ事故から4年が経った今でも、浮腫(むくみ)が引かず、なかなかトラウマを消し去ることができないようだ。

ちなみにオーストラリアに住む女性は2014年、有毒のセアカゴケグモに噛まれ、7年以上経った今でも患部が化膿し、がん化の可能性もあるという。

画像は『Metro 2022年9月17日付「Mum’s life ‘hung in the balance’ after spider bite at garden centre cafe」(Picture: Tracey Vincent)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 A.C.)

2022/9/29 6:00

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