飲食店で「実は歓迎されない」客の注文方法。メニューの“指差しオーダー”にイラッ

 飲食店で働く従業員たちは、客の入店対応、料理のオーダーから提供まで、さまざまな業務を同時にこなさなければならない。そんななかで、客の何気ない行動が、じつは「歓迎されていない」場合もあるという。今回は、“注文の仕方”によっては従業員がテンパる原因になるという話だ。

◆メニュー表を指しながら「コレとコレとコレとコレで…」

 焼肉店でアルバイトをしていた近藤祐樹さん(仮名・20代)は、凄まじいスピードでメニュー表のお肉を指しながら「コレとコレとコレとコレを4人前ずつで」と注文されるのは困るという。

「しょ、少々お待ちください」と必死にハンディをポチポチするのだが……。

「だいたいこのようなお客様は、少し間を置くだけで注文の勢いは止まりません。メニュー表に掲載されているお肉を大きく円で囲みながら『あと、ここらへん全部で』と注文するんです」

 余程の動体視力と情報処理能力がなければ、注文を取ることは難しいと話す。

◆結局は聞き返すので二度手間に

 ここまでになると、思考は停止。客にもキッチンスタッフにも注文ミスで迷惑をかけないように再度聞き返すことになる。

「すべての命運が僕にかかっているとプレッシャーになります。お客様と一緒にメニュー表を見ながら注文の確認をするのですが……お客様が『はい、はい、そうです。あ、それは頼んでないです』と言うと、微妙な空気にもなりますし、結局は二度手間で余計な時間を取られてしまいます。『カルビ2人前!』『ネギタン塩1人前ください』などと具体的なメニュー名を言ってほしい」

 近藤さんは常々そう思っていたと話してくれた。

◆「おかわり自由」を注文するときは一度に言ってほしい

 学生時代、とんかつ専門店で4年間アルバイトをしていた加藤奈々子さん(仮名・30代)。とんかつ店では、「おかわり自由」と謳っているところが多い。ライス、キャベツ、味噌汁がいつでもおかわりできる。半数以上の客が何かしらの「おかわり注文」をするのだが、従業員側としてはおかわりの仕方に困っていたと話す。

「たとえば、『ご飯とキャベツ大盛りで』とか『ご飯少なめと味噌汁ください』と一度に頼んでくれるととても助かるんです」

◆「おかわり注文」の連鎖でホールを走り回っている状態だった

「ホールスタッフの仕事はおかわり提供以外にもたくさんの仕事があります。『ご飯おかわりください』と言われお持ちしたところで、今度は『あ、追加でキャベツも』と注文される方がいます。さらにキャベツをお持ちすると、お連れ様が『こっちもご飯』と頼まれることもあります」

 そうすると、何度も同じ客の席に行ったり来たりしなければならず、時間がムダになってしまうのだ。

 しかし、長年働いていた加藤さんはこれらの問題において解決策を見つけたそうだ。

「最初におかわりを注文された際に、『ほかにキャベツやお味噌汁のおかわりはいかがですか?』と聞くようにしました。そうすると、お客様は一度で注文できますし、お連れ様だけではなく近くの席のお客様も一緒に頼んでくれることが増えたんです」

 効率よく仕事をすることで料理の提供がスムーズになり、客に喜んでもらえたと笑顔で答えてくれた。

<取材・文/chimi86>

―[飲食店員の「心の叫び」]―

【chimi86】

ライター歴5年目。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。Instagram:@chimi86.insta

2022/8/25 15:54

この記事のみんなのコメント

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  • トリトン

    1/31 12:55

    グレイスさん自分も親とか友達タブレット使えないから強引に誘われタブレット係特に寿司の嫌いな自分なんかくら寿司なんかメニューの品がとんでもないところにあるから探すのに苦労して3人もいると忙しくて自分の分が頼めないですね、そして自分の好きなラーメンとか牛丼は行かないの1言(笑)、でも同じ意見ですが焼肉みたいに商品名にチェックするタイプとかにしてほしいですね。

  • グレイス

    1/31 12:41

    某カジュアルイタリアンチェーンではコロナ禍以降、注文票に客が書き込む方式になりましたね。タブレットが苦手な層にもイイと思います。自分がよく利用する支店がそうなだけかもしれませんが。

  • 皆さん、注文時あるあるですね。失礼ながら笑えました(笑)ワタシは、チョット気取った店で長ったらしく気取った名前のモノを注文するとき戸惑います。サーティワンのアイスの名前とか、スタバの珈琲の名前なんかもですね。サイズさえわからない(汗)

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