550万人以上のユーザーが利用! バーチャルワールド「Yay!」で広がる未来とは?

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DIGITAL VORN Future Pix」。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。8月6日(土)の放送は、株式会社ナナメウエ 代表取締役の石濵嵩博(いしはま・たかひろ)さんをゲストに迎え、お届けしました。

(左から)笹川友里、石濵嵩博さん

石濵さんは、青山学院大学在学中に米・サンフランシスコに留学。帰国後2013年5月に株式会社ナナメウエを創業します。創業から一貫して“つながりを科学する”をテーマにソーシャルの領域に従事。そして、2020年1月にバーチャルワールド「Yay!」(イェイ)をリリースしました。

◆「Web3」の“3つの概念”とは?

Web3とは、ブロックチェーン技術によって構築される次世代の分散型インターネットの総称で、石濵さんは「大きく3つの概念的な部分がある」と話します。

まず1つ目は、イデオロギー(観念形態)的な部分。これまでGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のような巨大企業が中央集権的に権利を有してきましたが、ブロックチェーン技術などのテクノロジーを活用して情報を分散管理することで「公平かつ平等に、より透明性のある経済圏・経済活動をつくっていこう、というのがWeb3の始まり」と説明します。

ブロックチェーン技術を用いることによってインターネット上に情報が記録され、それを誰でも参照できるため「(改ざんなどの)不正ができないところが強み。ここが、カウンターカルチャー(対抗文化)的なアクションに使われている1つの要因」と言います。

2つ目に挙げたのは、ガバナンス(統治・支配・管理)。「自分が好きなサービスを利用するだけでなく保有ができるため、自分のものとしてサービスの一端を担えるのが特徴です。自分の好きなサービスのガバナンスを担えて“こうしたいな”というところに、より直接的に関与できるところが大きい」と語ります。

また、サービスのガバナンスをする権利を自分が持てることによって、「いざとなったときに(保有する人たちの)意見が通りやすくなったり、自分たちの声が過半数を超えたりすると、そのサービスの方向性を自分たちで決められるようになる」と強みにも触れます。

3つ目はインセンティブ(報奨)の革命。自分が保有しているサービスの価値が上がったときに、その保有権を売ることによって収益・リターンを得られるなど、金銭的なメリットがあることを挙げます。

◆「Yay!」によって広がる未来

ナナメウエが運営するバーチャルワールド「Yay!」の登録者数は、現在約550万人。匿名で年代や趣味によってコミュニティをつくることができ、「リアルな自分とは違う“バーチャルな自分”の居場所をつくれるようなサービス」と石濵さん。

ちなみに、「“人が集まってコミュニティを形成している”という意味ではSNSだけど、Yay!はリアルと切り離された“バーチャル空間での世界”で“自分の居場所”となると思うので、メタバース(仮想空間)と定義している」と言及。現在のユーザーの年齢層は若者が中心ですが、「今後ちょっとずつ成熟していくにつれて(若者だけでなく)年齢層が上がっていくのではないか」と推察します。

メタバースと聞くとVR(仮想現実)や3Dの空間、NFT(非代替性トークン)などをイメージする人も少なくありませんが、石濵さんは「(メタバースは)ただの“手段”だと思っている。最も重要なのは、リアルと切り離された関係性のなかで、本当に“素”が出せるバーチャルなコミュニティが存在すること。バーチャルな世界に定着して、毎日使い続けてくださる人がどのぐらいいるか、それが価値になると思う」と力を込めます。

また、今後はトークン(暗号資産)やNFTを活用した経済圏(トークン・エコノミー)を構築して「この世界に貢献していくことでインセンティブがしっかりもらえて、それだけで生活できるような世界をつくっていきたい」言います。

石濵さんによると、日本の株式時価総額は約650兆円なのに対し、暗号資産の市場は約130兆円と、ここ4年で約5分の1ほどの規模に広がっていることからも「デジタルな空間で過ごすための経済を回すベースのお金になっていくのかなと思う」と展望を語ります。

総じて、「Web3や暗号資産の真骨頂は、デジタルで生活できるだけの収益を稼げるところ。デジタル空間のなかで貢献することによってインセンティブをもらって生活する未来というのがWeb3や暗号資産の進化とともに広がっていくのではのではないか」とも予見していました。

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8月6日(土)から夏の特集企画として、Web3に取り組む起業家、アーティスト、街づくりの実践者らに直接インタビューをする「Web3のフロントランナーに聞く」を開催。笹川友里とゲストの他に、経済コンテンツメディア「PIVOT」チーフ・グローバルエディターの竹下隆一郎が加わり、収録では聴き足りなかったこと、より深掘りしたかったことを追加で質問。そのトークの様子をPIVOTのアプリや公式YouTubeで配信しています。

次回8月13日(土)の放送は、株式会社COINJINJA(コインジンジャ) Co-founder、COOの沼崎悠(ぬまざき・ゆう)さんをゲストに迎えてお届けします。今話題のNFT市場やWeb3によって変化する未来についてなど、貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2022年8月14日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:DIGITAL VORN Future Pix

放送日時:毎週土曜 20:00~20:30

パーソナリティ:笹川友里

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/

2022/8/9 20:50

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