『鎌倉殿の13人』さようなら全成!壮絶な最期を迎える「本当にすてきなラスト」
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の第30回「全成の確立」が8月6日(日)に放送され、頼朝の兄弟の中で最後の生き残りだった阿野全成(新納慎也)が壮絶な最期を迎えた。
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前回のラストで全成が回収しそこねた呪いの人形は、ある人が偶然発見してしまい、全成は窮地に追い込まれる。「全て」が「成る」という名を持ちながら、一度も呪詛に成功したことがない「見かけ倒し(実衣談)」の全成。サブタイトル「全成の確率」の意味するところとは…?と注目が集まっていた。
放送終了後、全成を演じた新納と、全成の妻である実衣役の宮澤エマが番組公式Twitterで毎回の放送後に公開されている、収録現場で録れたてインタビュー音声シリーズ「かまコメ」にコメントを寄せた。
新納慎也 コメント
全成の最期のシーンを演じて
台本をいただいたときに「本当にすてきなラストを描いてくださったな、三谷さん、ありがとうございます」と。三谷さんにも連絡して「ありがとうございます」と言いました。本当に悲しい、すてきな最期を描いてくれたと台本の段階でも思っていましたが、それをさらに何倍もすてきなシーンにしてくださった演出とスタッフのみなさんに、今はもう本当に感謝ですね。みんなの努力と、みんなの力です。僕だけではなくて、演出だけではなくて、三谷さんだけではなくて、照明・音響・美術・撮影など、すべてのセクションの努力が報われました。今、撮影が終わったばっかりですけど、すべての皆さんの努力が報われた、いいシーンになったと思っています。
実衣への思い
斬られて流れた自分の血の赤い色を見たとき、ずっと実衣ちゃんに「君は赤が似合うね」と言ってきたので、赤という色で実衣を思い出したんですよね、あの瞬間に。とにかくあの瞬間は実衣のもとに帰りたい、実衣に会いたいという一心で、実衣への思いだけで最後の力を振り絞って、というシーンでした。全成登場から全体を通してですけど、おそらくこの『鎌倉殿の13人』においての阿野全成さんは兄である頼朝さんの力になるために鎌倉に来て、できるかぎり、自分のできる範囲で力になろうとは思うけど、そんなにむちゃくちゃなこともしない。これは僕の考えですが、全成は実衣と出会ってしまったことで、自分のできる範囲でもちろん頼朝さんのお手伝いはするけれど、基本は実衣とこの鎌倉で一生、穏やかに暮らしていきたかっただけの人になったんじゃないかなと思います。今、最期のシーンを撮って、この『鎌倉殿の13人』で僕が演じた阿野全成は、ただ実衣を愛していただけの男、みたいな感じですね。
実衣役・宮澤エマコメント
全成の最期を知って
台本を読んだ時点で号泣してしまって。こういう結末が待っているというのはもちろん、分かってはいたんですけど、そこをどう三谷さんが描かれるのかが分からなかったのと、実衣が全成の死にどう関わって、何を感じてどう反応するのかというのはまったく予測できていなかったので、全成さんの死を聞いたときの実衣のたたずまいや、彼女が義時に聞く質問というのが、実衣らしいなとすごく感じました。
全成の好きなところ
いろいろあるんですけど、秘密にしておきたいところもあります。なんでかというと、二人にしか分からないことなんだと思うんですよね。周りから見ていると「なんであの二人がとか「あの人のどこが好きなんだろう」とか思うかもしれないけど、実衣と全成は似た者どうしというか、言い方は不思議ですけど“共犯者”のような感じなんです。それぞれ立派な一族の中でもふわっとした立ち位置で、ちょっと忘れられがちで、何をしているのかよく分からなくて、という、すごく共鳴する部分が二人にはあるんだと思うんです。実衣は全成さんが秘めている、中にあるパワーみたいなものを信じていて、そこが共鳴しあってひかれているのかなと思うので。実衣にとっては彼の魅力というのが、実衣にだけかかっている魔法じゃないですけど、誰にも分かってもらえなくてもいいし、たぶん、二人とも分かっているようで分かっていないのかも知れない。全成さんが最初のころ「生まれる前からほれていました」みたいなことを言っちゃうんですが、それを受けて実衣が「言っていることがよく分からないところにひかれました」と言えるって逆にすごいなと思って。ふつう、「この人の何が好きなの?」と聞かれたときに並べる形容詞って違う気がするんですけど、言葉では表現できないレベルでひかれ合っていたんだなというのを、占いの力も込みで感じました。