おにぎりが絶品ヘルシーになる「オートミール」を発見!開発者にいろいろ聞いてみた

 ポイントは、脱・優等生。

 ここ数年、健康的な朝ごはんとしてますます注目されているのが、「オートミール」。今やどこのスーパーに行っても見かけるようになっています。オートミールを取り入れた食生活をしている芸能人やユーチューバーも多く、ローラ、指原莉乃、なかやまきんに君などがオートミール好きを公言しています。

 オートミールとは、イネ科のオーツ麦(えん麦)を蒸してローラーでフレーク状にした食品のこと。栄養バランスに優れた穀物であるオーツ麦を、食べやすさと消化しやすさを考慮して加工されたシリアルの一種です。実際に食べてみると、決してまずいわけではないのですが、独特の風味が苦手という人や、ごはんやパンに比べて物足りないと感じてしまう人もいるようです。どうにかしておいしく上手に工夫することはできないのでしょうか?

 そこで今回は、オートミールを定番のグラノーラやシリアル並みに食べやすくするために、“焼く”という手法を取り入れた新商品「ベイクドオーツ」を開発したカルビー(株)に、「オートミールをおいしく無理なく続けるための秘訣」について取材することに。それをふまえて、私が発見した“超ウマおにぎり”のレシピをご紹介したいと思います。

◆おしゃれそうに見える「オートミール」、実は食べにくい!?

 オートミールに使われるオーツ麦の栄養的メリットは、ズバリ2つ。豊富な食物繊維と穀物の中ではたんぱく質含有量が優位である(小麦の1.65倍、白米の2.25倍)点にあります。しかも、消化しやすいように加工されているわけですから、シリアル類の中ではかなり魅力的。しかしながら、やや独特の風味が気になって食べにくいという声も聞こえてきます。

 そんな食べにくさ、継続しにくさを克服できるような新商品がカルビーから登場。蒸して押しつぶして乾燥させたオートミールを、香ばしく“焼く”ことで食べ心地の向上を目指したそうなんです。私はオートミールの継続しにくさを共感できたような気がして、本商品の開発に関わっているカルビー株式会社マーケティング本部 オーツ麦チームブランドマネージャーの網干弓子さんに話を聞いてみることにしました。

スギ:焼いたオートミールって、画期的でおいしいなと実感しました。こだわりはズバリなんなのでしょうか?

網干さん:まずはおいしく食べ続けてもらうために、オーツ麦を産地(オーストラリア、フィンランド産など)から厳選しています。主力商品のフルグラ®も同じオーツ麦を主原料として使っており、これはポテトチップス同様、食材への強いこだわりが生きています。そして、おいしさ向上のために、“焼く”という手法を採用したことが最大のポイントです。ミルクやヨーグルトをかけずにそのままポリポリ食べることも可能です。

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 実際に私が実食してみたところ、確かにグラノーラが香ばしく進化したような感覚で食べることができました。これまでオートミールを推していなかった立場としても、うれしい発見になりました。では次に、どうやって食べるか? という話に移りましょう。

◆ヘルシーすぎる食べ方は続かない!ではどうやって?

スギ:豆乳をかけて食べる、オーバーナイトオーツなど、モデルさんや若い女性のInstagramなどで見かけるヘルシーな食べ方って、最初は良くても続けるには心がついていかない、続けるのが苦しくなることもあるような気がします。やっぱり食卓の温もりのような要素が少々感じづらいのかもしれません。

網干さん:温もりですか……。確かに当社でオススメする食べ方として、豆腐と和える、エスニックカレーにかけるというようなアイディアを提案していますが、もしもっと身近なものでということでしたら、残ったラーメンスープに入れてもおいしいですよ! 正解はないし、お客様ご自身の食習慣の中で自然と取り入れられるのが最高ですよね。

スギ:カルビーさんには今回のベイクドオーツの実践者として、毎日食べ続けているベイ子(ニックネーム)さんという方がいらっしゃるとのことですが、リアルな感想って教えてもらえませんか?

網干さん:40日以上ベイクドオーツを食べ続けたベイ子の感想としては、食べた後に水分をとると、お腹の中で膨らんでいる感じがあり、汚い話で恐縮ですが「便の量が増える」というのはこのことか! と驚いていましたよ。

 失敗談としては、食べ過ぎてしまうことが危険とのこと。食感も小気味よく、間食にも罪悪感がないので、小腹満たしに少し食べようと食べ始めると止まらなくなることが多々あるようなので、皆様も“適量(1食40g)”を意識されると良いと思います。

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 確かに食べ過ぎたら本末転倒。結論としては、自分の好きな食べ方を探して、適量を食べ続けることが健康効果を期待できそうです。とにかく私自身おしゃれな食べ方は続きそうにないので、自分らしい食べ方を模索することに。その結果、ある食べ方にたどり着きました。

◆おにぎりにそのまま混ぜてみたら、おいしくて驚いた

 おにぎりの混ぜ込み具材として、ベイクドオーツとふりかけを入れてみたところ、これが大ホームラン。香ばしい風味が全体に加わり、おにぎり全体に食べごたえが生まれて、ヘルシー度もアップ。これは声を大にして、オススメできます。

 いろいろと実験してみましたが、鮭フレークと一緒に混ぜ込んで海苔で巻くのが最高でした。いつものおにぎりに新たな食べ心地が加わり、栄養面でもプラスの効果がありますから、気になる人はぜひ試してみてくださいね!

<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

2022/7/2 8:45

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