実質「エアグルーヴの2×2」の全姉妹インブリード キタノグリエルが7月3日の新馬戦でデビュー

 7月3日に函館競馬場で行われる2歳新馬戦(5R、芝1800m)。ゴールドシップ産駒の白毛馬アオラキや、2019年の日経新春杯3着馬シュペルミエールの半弟ルクスグローリアなどが出走を予定するこの一戦で、吉田隼人騎手とのコンビでデビュー予定のキタノグリエル(牡2、美浦・萱野浩二厩舎)は、インパクトのある血統配合を有している。

 キタノグリエルは父ザサンデーフサイチ、母パッシオーネ、母の父ゼンノロブロイという血統。

 父ザサンデーフサイチは名牝エアグルーヴの仔で、2004年のセレクトセールにて4億9000万円(税別)で落札された超高額馬。11歳まで現役を続け、引退後は良血を買われて種牡馬入りを果たした。2019年には産駒のフィデリオグリーンがJRA重賞初出走を果たし、昨年10月には産駒のエムワンハルコが盛岡競馬場のサファイア賞を勝利し、地方重賞初制覇を果たしている。

 二代母のカーリーパッションはエアグルーヴの1歳下の全妹(父トニービン、母ダイナカール)で、2番仔のフラムドパシオンは2006年のヒヤシンスSを完勝し、UAEダービーに出走。名馬インヴァソールに先着する活躍を見せた。

 母の母カーリーパッションと、父の母エアグルーヴが同血であるため、キタノグリエルは「エアグルーヴ=カーリーパッションの2×2」の牝系クロスを持っている。また、ザサンデーフサイチがダンスインザダーク産駒、ゼンノロブロイがサンデーサイレンス産駒であることから、上記インブリードに加えて「サンデーサイレンス3×3」のクロスも持ち合わせている。

 ダイナカールのファミリーラインからは数々の名馬が出ており、エアグルーヴを経由してアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップ、ドゥラメンテ、昨年のローズS覇者アンドヴァラナウトなど。その他、2006年の高松宮記念覇者オレハマッテルゼ、2012年のフィリーズレビュー覇者アイムユアーズなどが同じ一族に名を連ねている。濃厚な名牝のインブリードがどのような影響を及ぼすのか、要注目である。

2022/7/1 18:31

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