円安で新型iPhoneは20万円超!? 今後も円安は続くのか専門家に聞いた結果は
円安時代の「外貨建て資産」戦略。円安が進むにつれて外貨建てで資産を持ちたい人が増えている。外貨投資について専門家を取材した。
◆円安で稼ぐなら「低レバFX」。1ドル=140円も
「円安が進み、秋の新型iPhoneも値上げ必至。上位機種は20万円を超えるかもしれません。円安から生活を守るためにも、資産の一部を外貨に変える必要があります」
そう解説するのは元シティバンクの為替ディーラー・西原宏一氏だ。彼の見立てによれば円安は今後も続くという。
「日本は外貨を稼ぐ手段を失っているからです。スマホでは中国、韓国に敗れ、自動車もかつての勢いはない。一方で原油や穀物などの資源を海外から買わざるを得ないため貿易赤字はふくらむ。円安になりやすい経済構造です」
今年に入って1ドル115円から137円に円安は進行。さらに加速する可能性もある。
「米ドル/円はアベノミクスで50%上がりましたが、今年の円安はまだ19%程度。アメリカが金融政策の引き締めを強化する9月あたりから円安が再燃し、年末には140円へと向かうのではないか。それに備えて今から米ドルを買っておくのが上策でしょう」
◆外貨預金の毎月積み立て
手軽に外貨を買うには、外貨預金の毎月積み立てもある。
「ただ、外貨預金はコストが高いのでFXを利用すればコストを抑えられます。レバレッジは諸刃の剣ですが、方向性が明確なら2~3倍程度でも十分な効果が見込めます」
◆オセアニア通貨にもチャンス
また、オセアニア通貨にもチャンスがありそうだ。
「ロシアのウクライナ侵攻は穀物をはじめとする食糧争奪戦を引き起こしました。酪農を主力とするニュージーランドや小麦の輸出国であるオーストラリアの通貨は食糧価格の高騰により値上がりしやすい。この2通貨は米ドル以上の値上がりが見込めます」
さらに、米ドルに次ぐ主要通貨のユーロにも着目する。
「7月には利上げを始める予定です。ユーロはウクライナ侵攻の影響で今年前半は売られましたが、売られすぎの気配もある。その反動と利上げ、円安によってユーロは大相場になるかもしれません」
リスク許容度と相談して、着実に外貨資産を蓄えたい。
◆<賢者がピックアップ>
●円安再燃に備えてコツコツ米ドル買い
米ドル/円(USD/JPY)
アメリカが金融引き締めを強化する9月に円安が進む可能性が。FX口座を利用して米ドルが下がったタイミングで買い進めておこう。機械的な積み立てでは味わえない為替市場のダイナミックな動きを体感し外貨経験値を高める効果も
●食糧争奪戦で有望!オセアニアの2通貨
豪ドル/円(AUD/JPY)
NZドル/円(NZD/JPY)
ウクライナ侵攻で始まった世界的な食糧争奪戦。酪農が盛んなニュージーランドや小麦輸出国であるオーストラリアはその恩恵を享受しそう。豪ドル/円とNZドル/円の買いなら食料品値上げを補うには十分な値上がりが見込めるはず
●7月に利上げが開始予定のユーロ
ユーロ/円(EUR/JPY)
今年前半は地政学リスクの高まりで冴えない値動きが続いていたユーロ。7月に利上げを開始する予定になっており、売られていた分を取り戻して一気に急騰する可能性も。FXならではの短期勝負ならユーロ/円の買いに妙味あり
※データは6月30日時点
【元為替ディーラー 西原宏一氏】
CKキャピタル代表。シティバンクでチーフディーラーを務めるなど為替市場で活躍。自身の戦略や取引を公開するメルマガが好評
<取材・文/週刊SPA!編集部>
―[家計を守る[最強の投資術]]―