雨の日に捨てられていた白猫・マオくん。“ずっとのおうち”を手に入れるまで
【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.69】
ピュアな心を表しているかのような真っ白な被毛や、つい触りたくなるピンクの肉球が愛くるしいマオくんは、生命力溢れる姿を披露する激かわにゃんこ。
飼い主である、めるちょとまおまお(@meltube_cat)さんがアップする成長記録は、世の猫好きさんをキュンキュンさせています。
マオくんは、保護猫。飼い主さんに命を救われ、「ずっとのおうち」を手に入れることができました。
◆「生きてほしい」と祈った育猫期間
マオくんと飼い主さんが出会ったのは、昨年の夏のこと。雨が降っていた日、マオくんは段ボールに入れられ、捨てられていました。
第一発見者は飼うことが難しかったため、マオくんは飼い主さん宅に引き取られることに。まだ目が開いておらず、自力でご飯も食べられないマオくんを飼い主さんは懸命にお世話しました。
◆2〜3時間おきのミルクと、排泄の補助
飼い主さんは、昼夜問わず2~3時間おきにミルクをあげ、排泄を補助。自力での体温調節がままならなかったため、寝床の温度・湿度管理も徹底しました。
育猫中、飼い主さんはあまりにも小さいマオくんを前にし、命がちゃんと紡がれるのだろうかと不安になったこともあるといいます。
「目を離した隙に亡くなっているのではないかと不安で。マオがぐっすり眠っていても、ちゃんと息をしているのかと心配でたまりませんでした」
しかし、そんな心配を跳ね返すように、やがて部屋を歩き回ったり、お腹が空いた時には大きな声で鳴いてくれたり、元気な姿を見せてくれるようになりました。
「私にくっついて寝たり、目が合うだけでゴロゴロと喉を鳴らしたりと、かわいくてたまりません」
“マオ愛”が止まらない飼い主さんは、YouTubeに溺愛動画をアップ。
この動画がきっかけで、全国のマオファンは日に日に増えていきました。
◆同居猫メルくんとゆっくり交流を図る日々
そんなマオくんには、お兄ちゃん的存在の先輩猫がいます。
現在、先住猫のメルくんとマオくんはつかず離れずな距離を保ちながら、ゆっくりと絆を構築しています。
飼い主さんはマオくんを迎えた後、メルくんにマオくんのにおいがついているものを嗅いでもらったり、ケージ越しに眺めてもらったりしてから2匹を直接対面させました。
「今では威嚇はしなくなりましたが、距離を取っているので、まだまだ仲良しには遠そうです」
けれど、メルくんはマオくんに対して興味はあるようで、自ら近づいてスキンシップを試みることもあります。
ゆっくりと心を近づけている2匹が打ち解けるのは、時間の問題かもしれません。
◆ペットブームの今だからこそ、より命の重みを考えてほしい
小さな命が捨てられているという悲しい場面に遭遇した飼い主さん。コロナ禍で世界的なペットブームとなっている今だからこそ、より命の重みを考えてほしいと訴えます。
「生涯飼育する上でメリットとデメリットを真剣に考えてほしい。動物遺棄や虐待は、犯罪です。その行為に至るまでにどんな経緯があったのかは分かりませんが、その子の未来を考えてほしい。
発見が遅ければ、うちのマオは亡くなっていた。そう思うからこそ、自分ではどうにもできない場合は誰かに相談し、命を潰さない方法を考えてほしい」と飼い主さんは語ります。
どんどん猫らしくなっていくマオくん。しかし、そのニャン生はもしかしたら、始まって間もなく終わりを迎えていたかもしれないもの。だからこそ、マオくんの無邪気な姿を目にすると、改めて命の尊さに思いを馳せたくなります。
動物の命は、ブームにしていいものではない。そう胸に刻みこみ、命と向き合える人が増えていくことを心から願いたいものです。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291