平野ノラ43歳が教える、片付けの簡単ルール。元汚部屋の住人だった

「バブリー芸人」として36歳でブレイク、42歳で母となった今もノリノリ続行中の平野ノラさん。実は元汚部屋住人!

『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。1日15分のノラ式実践法』(KADOKAWA)には、汚部屋からピカ部屋に変化するまでを写真付きで紹介。モノを減らすたびにノラさんから語られるのは金言ばかり。これって私のことだ、と誰もが頷くこと必至なのです。

◆汚部屋とは、心にがらくたが詰まった状態

 もともと足の踏み場のない汚部屋で生活していたノラさん、「お風呂に浸かりながらカレーを食べた」という逸話も残るほど。

 28歳の時には「自分探しで部屋はモノであふれる」状態。自分探しって一見カッコいいのですが、実際は「日々満足しない気持ちを新しいことや新しいモノで埋めようとしていた」といいます。

 そしてついに気づくのです、「ガラクタのせいで自分の人生が停滞しているのかもしれない!?」と。

◆モノがおしえてくれる、深層心理

 モヤモヤ期が続くのは部屋やモノのせいじゃないんじゃない?と逃げ腰になっているあなた。モヤモヤ期から脱せないのなら、とりあえず片付けてみるのもアリです。まずは本書から抜粋したノラ語録をどうぞ。

・部屋が汚い女子はパワースポットに行きがちだゾ

「こうなりたい、ああなりたい、幸せになりたい」と理想を追いかけて、こっちの神社やあっちの占い師に駆け込みお守りやブレスレットを買い込んだり。ノラさんもそんな日々を過ごしていました。でも、パワースポットに出かけるなら、今いる部屋をパワースポットにしてしまえばいいのです。「行くなら作れ、バブリーパワースポット」との言葉どおり、長時間生活する自分の部屋を快適に整えれば、心の平穏もおとずれるというわけ。そう、「今いる部屋こそが、あなたの人生のお立ち台なんです」。

・いつか使うかもと思いつつ、見るたびに胸がザワつくモノないですか?

 ダイエットに成功したら、彼ができたら、等々。いつかを夢見てクローゼットの肥やしになっている服はありませんか。前向きにとらえつつも胸がザワザワするのは、「余計なことを脳に抱えているだけで『決定疲れ』してしまっている」とノラさん。手放したら案外すっきりするかもしれませんね。

◆捨てる時は、こんな心構えで

 モノを捨てるというのは、モノとお別れすること。さみしいのは当然です。使わないにしても、いつもそこにあったモノがなくなると私達は単純に不安になります。不安を上書きするために必要な、ノラ語録がこちらです。

・なりたい未来を描きながら決意して捨てる

「色は気に入っているけど、素材や形がちょっと……。でも我慢すれば着れるし」というファッションに対しての妥協は誰にでもあります。でも着るたびに納得できないなら「捨てる」べし。ここで大切なのが、「次は同じ色で形もフィットして肌触りの良いなめらかで上質なシャツを着ている自分」と想像すること。なりたい理想をイメージすると、きっと現実がそれに近くなるのです。

・千円のシャツを10枚買う女ではなく、1万円のシャツを1枚買う女になる

 安いから何枚か買っておこう、と数枚買ったシャツが1回の洗濯でダメになり、どう工夫してもシワシワ、という経験が私にはあります。安くて上質なアイテムもありますが、安いとつい雑な扱いになってしまうのも否定できません。結果、着ないけれどくやしくて捨てられない服が溜まっていくのです。千円のシャツ10枚と1万円のシャツ1枚、値段は同じです。しかし「どっちがものを大事に使えるがといったら、1万円のシャツのほうだと思うのです」と本書。安いから、という目的で買ったシャツと、心の底からほしくて買ったシャツとでは、満足度にも差が出るのでしょう。

・売れるかなと思った時点で手を離れている

 衣替えをしている時など、売ったらいくらになるだろう、と考えたことありませんか。つまり「そのモノから気持ちが離れているんですよ!」と本書からアラートが。「同じ金額で新品を買いますか?」買わない、と一瞬でも思ったら捨て時です。おそってくるさみしさや不安をいったん噛みしめたら、即座に捨てましょう。あいたスペースに素敵な未来が入ってくると信じて。

◆片付けは1日15分のノラ式ルール

 人生と同じ分だけ、片づけも存在します。就職、引っ越し、結婚、ライフスタイルが変化すればモノも増えていきます。節目ごとに片付けようと腰を上げても、なかなかうまくいきませんよね。

 ノラ式ルールは「1日15分のバブリー片づけ」。15分にしているのは「短い時間のほうが片づけのモチベーションを保ちやすいから」。日替わりで決めたエリア内のものを、チェックしながら行っているそうです。判断基準は「今使っているか、使っていないか」。なかには趣味で収集したもの、記念日にいただいたもの、という名目でしまいっぱなしのものがありますよね。はい、「捨てることは悪いことじゃない。使ってあげないことのほうが失礼」。お気に入りはしまわずに使う、使わないいただきものは必要な人へ譲りましょう。

 まさに「片づけ」という名の人生哲学、ノラさんの金言もミラーボールのように輝く本書。後半にはノラ流の収納術も掲載。ノラさんと一緒に、あなたの人生もアゲアゲにしていきましょう。

<文/森美樹 撮影/布施鮎美>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx

2022/5/25 8:46

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