無症状でも濃厚接触者に認定すべき? 感染者急増で医師、保健所の対応にも変化が
◆検査は任意と医師から説明
「PCR検査は任意だから、受けても受けなくても良いよ。どうしたい?」
都内のある病院の医師は、喉の痛みを訴えて受診した40代の女性に対し、そう伝えた。女性は医師との会話の中で、「検査は受けなくて良い」と、アドバイスされたと感じたという。
「咳が止まらない日が何日も続いたので、PCR検査を覚悟していました。しかし、お医者さんは症状の軽さが分かるや否や、検査を受けることでのデメリット、隔離期間や仕事への影響まで話してくれて、この検査は任意なんだよと説明してくれました」(40代女性)
女性は発熱もなく症状が比較的軽かったため、風邪薬を処方され、数日後には全快した。また、同じ区にある保育園でも、濃厚接触者の認定をめぐって、柔軟な対応があったという。
◆厳密に濃厚接触者と認定はしない
「保育園には濃厚接触者は確認されていません。現時点で休園を指示する状況には至っていないものと考えます」
この資料は、保育園の園児が、新型コロナウイルスに感染したことを、保護者や園の関係者に知らせたものだ。保育園の関係者が重い口を開く。
「保健所の調査では誰も濃厚接触者がいないとされていますが、園児は陽性判明の直前まで園に来ていましたし、マスクもしてない子も多いので、接触がなかったとは言えません。でも、先生も子どもたちもみんな元気ですので、全員休む必要はないのかなとも思います」(保育園関係者)
厚労省によると、新型コロナウイルスの濃厚接触者は、感染の可能性のある期間(症状が出る2日前まで)に接触した人と定義されている。だが、園に通う子どもたちが、一緒に生活している中で接触を防ぐことなど不可能に近い。
もし、一緒にいた全員が濃厚接触者に認定され休園となれば、子どもたちの親は10日近く仕事を休まなければならなくなり、影響は大きかっただろう。園に子どもを通わせている保護者は胸を撫で下ろす。
「全員が濃厚接触者に認定され、休園する保育園があると聞いていたので、正直そうならなかったことには感謝しています。仕事が10日休みとなると、元通りの業務に戻るには更に1ヶ月近くかかります。全員10日と縛るのではなく、検査をして陰性なら復帰など、制度を柔軟にした方が良いのではと思います」(保護者)
◆保健所の対応は?
今回のケースで、保健所がなぜ濃厚接触者なしと判断したのかは定かではないが、別の地域の保健所の関係者が調査の実態を打ち明ける。
「正直なところ、都内の1日感染者が4000人を超えてきた頃から、濃厚接触者を追い切れていません。また、濃厚接触者に該当するような人も、無症状で元気な人が多いので、優先順位が低くなっている現状があります」(保健所関係者)
新型コロナウイルスの感染者は急激に伸びて、都内の感染者は今週も1万人を超える日が続くことが予想される。検査キットの不足も指摘されていて、重症者になる患者をいち早く守るためにも、全員検査ではなく、必要な人が検査、治療、入院を出来る仕組みに移行していく必要があるのかもしれない。
<取材・文/森川勇作>
【森川勇作】
日本全国の街を練り歩く、さすらいのジャーナリスト。趣味は犬の散歩。犬のようにネタを嗅ぎつけ、世の中が少し良くなるような記事の執筆を目指す。
いち(
1/25 13:00
無料検査場にて・・・子どもが通う学校で感染者がでたので心配になって検査受けに来ました。←なぜ検査受けたら安心できるのか?そら陽性者増えますわ。