なぜドタバタ劇に?トンガ火山噴火でわかった災害大国・日本の新たな課題

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◆地震と噴火の複合災害に備えよ

「残念ながら観測から発表までかなり時間を要した」

 長谷川直之気象庁長官が会見で釈明に追われたのは、東日本大震災以降、あれほど警戒していた津波への注意喚起が後手に回ったからだ。1月15日、南太平洋のトンガ沖で海底火山の大規模噴火と津波が発生。気象庁は当初「津波被害の心配はない」としていたが、実際に潮位の変化が見られたのちに、津波警報と注意報を発表した。

◆なぜドタバタ劇に?

 今後は発表方法を改善するというが、またひとつ災害対策の課題が浮き彫りになったかたちだ。なぜこのようなドタバタ劇を演じたのか? 防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏は背景をこう語る。

「地震による津波とは異なり、海底火山の噴火による潮位変化のメカニズムは複雑で、今回は気圧の急激な変化によって潮位変化が引き起こされたと言われている。ただ、気象庁も『津波』とは言っていないように正確なメカニズムはまだわかっていない。それでも避難を呼びかけるために、津波警報を出すしかなかった。日本近海には多くの海底火山があるので、今後も同じような混乱は起こりえる」

 富士山や阿蘇山など、日本列島の活火山も心配だ。

「日本は地震大国。地震により、それまでに蓄積されていたマグマが刺激され、噴火を誘発するという指摘もある。大地震でインフラが断絶されたところに噴火が起これば、火山灰によって自動車や航空機のエンジンにはトラブルが生じるし、吸い込めば気管支系の健康被害も大きい。日本では、地震と噴火が同時に起こる複合災害を常に想定しなければなりません」

◆大雪にも警戒

 さらにこの時期は雪も警戒が必要だという。

「今年、日本列島は大雪に見舞われている。こうした状況で火山が噴火すれば、大規模な雪崩や泥流が発生する可能性が高い。つねにアンテナを張り巡らせ、準備しておく必要がある」

 南海トラフ地震の発生確率も高まるなか、災害対策を怠ってはならない。

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◆北朝鮮にある火山も日本への影響は大きい

 これまで何度も噴火してきた富士山。1707年の宝永大噴火では江戸にも大量の降灰を記録した。

「300年が経過し、ある意味、次の噴火に近づいているとも言える。ほかに北朝鮮の白頭山も危険性が指摘されており、仮に噴火すれば日本にも大きな影響が及ぶ。ただ中国と北朝鮮の国境にそびえるため、情報が少ないのが気がかり」(古本氏)

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!1月25日発売号より

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  • 日刊SPA!

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