WindowsとMac「どっちを買う?」論争、勝手に最終決着。スタイルで選ぶなら

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―[ロスジェネ解体新書]―

◆WindowsかMacか

 PCはWindows派でしょうか?それともMac派でしょうか?

 この論争、おそらくインターネットを伴ったPC環境が整いはじめた90年代の中盤くらいからながらく続いている、終わりなきVS構造のように思います。しかしVSと言いながら、多くの企業で採用されているWindowsが圧倒的なユーザー数を誇ってきたのは言うまでもありません。

 2021年5月時点での調査によると、日本企業のOSのトップシェアはいまだWindowsが65%を占め単独トップで、相対するMac OSはというと15.89%(出典:TECH+)。実に4倍以上もの差がついているわけです。

 この理由の詳細についてはここでは割愛しますが、企業規模で採用した際のコストパフォーマンスや、それに対応するケアの充実度など、企業運営において都合の良いプロダクトであるということがおそらく大きな理由でしょう。

 なんとなく「Macはデザイナー、クリエイター専用機」という決まりごとができていたりもしますが、クリエイティブ業界の末席にいた筆者も、Macを会社で支給されるまでかなりの年月を苦手なWindowsでこなしていました。Windows恐るべし。しかしこれらはあくまで「会社」でのお話。今回は自宅などでのパーソナルな利用に目を向けてみたいと思います。

◆本当はMacを使いたいという隠れた願望

 2020年の新型コロナウイルスの感染拡大を期に一気に在宅勤務を余儀なくされた方々の中には、会社から貸与されるWindows PCだけでは「なんだかパフォーマンスが悪いなぁ…」とか、たまには気分を変えて外で作業したいなという時に「どうも見栄えがカッコ悪いなぁ…」といったような“これまでなかったPCニーズ”が噴出してしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 見惚れるようなスタイリッシュさや、一糸乱れぬデザインは、決して若者だけのものではないし、むしろ年甲斐もなく「カッコよくて、モテそうな方のPC」であるMacintoshを、本当は使いこなしてみたい…というささやかな願望を持つ男性の気持ちは不変ですし、そんな自分の姿を想像するのも悪い気分はしないのではないでしょうか。

 ということで今回は、自前(自腹)で買うノートPCをあえてAppleMacintoshへ変えてみることを推してみたいと思います。(ただし、本稿で述べるのはあくまで「スタイルとしてのノートPC」についてですので、スペックなどより詳細を調べたい方は専門メディアを是非ご参照ください)

◆Macは高いと思っていたけど…

 あえて今推すからには理由があります。最大のポイントはやはり「価格」です。ノートPCだけでなく、Appleの製品群は軒並み「お高め」なのは周知の事実。

 その歴史をたどると特に顕著で、90年代後半当時の最新モデルだったPowerBook G3で、30万〜40万円前後したと記憶しています。重量もかなりあって、本当に好きな人だけが持つ、ラグジュアリーアイテムのような装いだったように思います。その後、多少廉価になったiBookなどを経たとはいえ、MacintoshのノートPCは一介のサラリーマンにはずっと高嶺の花でした。

 こうした「対Windows PC」におけるMacのノートPCは相対的に比べられることで「高価ゆえの忌避」と「こだわりのプロダクト」という2つの絶妙なブランディングで独自の存在感をキープしてきたといえるでしょう。

 ところがこの数年、はたとその価格を見てみると「あれ?実はそんなに高くないんじゃないか?」と言えるところまで“降りてきてくださった感”がでてきました。もちろん、高いスペックを選べばとんでもない価格のものも存在するのですが、それはWindows PCであっても同じこと。拡張性の高いゲーミングPCなどがその最たる例です。

 実際の市場価格を見てみるとどうでしょうか。メモリ8GB、HDD256GBのマイクロソフトSurface Laptop Go 12.4インチというモデルは95,000円(税抜)。これに対して、ほぼ同等スペックの2020年発売最新のMacBook Air13インチは104,800円(税抜)。その価格差は約1万円という接近を見せているのです。

 ついこの間までツンツンしていたMacが、なんだかちょっとツンデレくらいに感じてきませんか? 他にもDellのInspiron15や日本エイサーのAspire5など、比較的お買い得な印象のあるメーカーのノートPC勢であっても多少のスペックの差さえあれ8万円台後半から10万円くらいにシフトしていることからしても、随分と身近な存在になってきたと感じるのではないでしょうか。これならちょっと無理めだったMacとも、少し背伸びすればお付き合いできそうな感じがしてきます。

◆即買いフラグは立った

 これくらいの価格感で、十分なスペックが手に入るとなれば家庭内でも堂々と“買い”を宣言しやすくなってきます。高額商品の購入に大きな決定権を持つ奥様方にとっても、このコロナ禍でのZOOMやLINEなどでのテレビ電話によるコミュニケーションでスマホの小さな画面や使い勝手の悪さにそこはかとなく不満がたまりはじめているはず。つまりPCの購入はそうした奥様方にとっても重視点の一つになってきているのです。

 なかなか帰省できない実家とのテレビ電話や、もちろん奥様ご自身だって在宅でPCを駆使しZOOM会議などをして仕事をしているケースも非常に多い。加えて昨今は子供の学校や塾などもZOOMで実施されることも増えてきており、実は今あらゆる家庭において“デバイス不足”が発生してしまっているのも忘れてはならないポイントなのです。

 ここまで理由が揃っていれば、“即買いフラグ”は立てやすいはず。この数年でのこうしたPCの隠れたニーズがあるからこそ、いっそのこと欲しかったMacを買おう!と高らかに宣言ができるというもの。「Windows PCでも十分でしょう」という反対を押し切ったとしても、家族みんなでハッピーになれると思うのです。

◆Mac派の声を聞いてみると…

 そうした変化は職場でも少しずつ現れてきているようです。生声を聞いてみると「たしかに最近、Macユーザーが増えましたね」(広告・42歳)という。

「普段ピシっとスーツを着た経理方の先輩がMacに変わっていた、なんということもわりと見かけるようになりました。それから、テレビ電話会議が増えたから、画面共有したときの『インターフェイスのカッコよさ』みたいなことも気にしている40〜50代の人もいて、クスッと笑っちゃうけど分かるな〜って思います」とのことで、在宅勤務推進による新PCニーズが、こうしたしれっと鞍替えしている「隠れMac派」増殖ににわかに影響しているようです。

 いかがでしょうか? かつて購入の重視点となっていたWindowsとMacの互換性の無さや、文字化けなどの「些細だけど重要な課題」は今もってなお完全に払拭されているわけではありませんが、こうしたPCの活躍の機会を鑑みると「そろそろMacいいかも!」と検討リストに入れてみても良さそうではないでしょうか?

 スタバで長々とMacで仕事している若者を見るたび「おいおい本当に仕事してんのかよ!」と心で突っ込んでいた妬みマインドにサヨナラし、気分一新Macユーザーデビューをしてみるのも悪くないかもしれませんよ。

<イラスト/押本達希>

―[ロスジェネ解体新書]―

【ディスコ☆セリフ】
数々の雑誌を渡り歩き、幅広く文筆業に携わるライター・紺谷宏之(discot)と、企業の広告を中心にクリエイティブディレクターとして活動する森川俊(SERIFF)による不惑のライティングユニット。 森川俊 クリエイティブディレクター/プロデューサー、クリエイティブオフィス・SERIFFの共同CEO/ファウンダー。ブランディング、戦略、広告からPRまで、コミュニケーションにまつわるあれこれを生業とする。日々の活動は、seriff.co.jpや、@SERIFF_officialにて。 紺谷宏之 編集者/ライター/多摩ボーイ、クリエイティブファーム・株式会社discot 代表。商業誌を中心に編集・ライターとして活動する傍ら、近年は広告制作にも企画から携わる。今春、&Childrenに特化したクリエイティブラボ・C-labを創設。日々の活動はFacebookにて。

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