『チコちゃんに叱られる!』山田ルイ53世「とうとうバレる」戦々恐々とする秘密

 1月14日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは、共に初登場の安藤サクラと松丸亮吾の2人だった。ピンク色の衣装といい髪型といい、今回の安藤はチコちゃんを若干意識していた感がある。

仕事中にワインとコーヒーをがぶ飲みする山田ルイ53世

 この日最初の質問は、「なんで食後にコーヒーを飲むの?」であった。「午後の紅茶」ならぬ「食後の珈琲」の理由だ。はて、口の中をさっぱりさせて後味をよくするため? そもそも、食前にコーヒーを飲むと食事の味に影響しそうだし。というか、筆者は食後にコーヒーは飲まないんだけど……。飲むとしたら緑茶かほうじ茶だ。そんな、趣味嗜好をクイズに出されても。ちなみに、MCの岡村隆史の回答は以下だった。

「コーヒーって利尿効果があるじゃないですか。で、ヨーロッパの人って食前酒とかあるじゃないですか。そのアルコールをコーヒーの利尿作用みたいので流し出す!」(岡村)

 これが、非常に惜しかったのだ。チコちゃんが発表した正解は「ワインの酔いをさますため」であった。えっ、それなら岡村の回答は当たっていたのでは?

 エチオピアを原産地とするコーヒー。現在はコーヒーの木から採れるコーヒーの実の種を煎って粉にして煮出す飲み物とされているが、当初は飲み物じゃなかったらしい。コーヒーの実をそのままかじったり、潰して脂と混ぜてだんごにして食べていたそうなのだ。

 当時、コーヒーは“薬のようなもの”と認識されていた。事実、コーヒーは胃の働きを活発にし、生活習慣病の予防になるなど、さまざまな健康効果がある。コーヒーを飲むと腹を下す人は、「胃の動きを活発」にさせる効果が原因なのだろう。

 その後、15世紀半ばになるとコーヒーはイエメンに渡って人為的に栽培されるように。そして、コーヒーの起源となる「カフア」と呼ばれる飲み物が誕生した。「カフア」→「コーヒー」というわけか? ちなみに、カフアとはアラビア語で「ワイン」という意味である。お酒を飲めないイスラム教の人たちがお酒の代わりとして飲んでいたそうだ。カフェインには覚醒作用があるので、お酒の代用品というのは納得である。

 17世紀後半になると、コーヒーはヨーロッパの国々へ伝わり、ロンドンを筆頭にヨーロッパ各地でコーヒーを出すお店が次々にできた。ヨーロッパの水は硬質すぎるので、コーヒーや紅茶にしないと飲むことができなかったのだろう。

 もう1つ、ヨーロッパでコーヒーが広まった理由がある。ヨーロッパでは食事にワインが付き物。お昼時のランチでも、彼らはお構いなしにワインを口にする。つまり、仕事中でもワインをガンガン飲んでいたのだ。しかし、近代に入ると人々の仕事の内容が肉体労働から“頭を使う仕事”(銀行業や新聞など)へ移行。ほろ酔いでは冷静な判断ができないという問題が浮上したのだ。そこで、酔い覚ましの効果を期待して食後のコーヒーが飲まれるようになった……と考えられている。

 事実、フランスを代表する歴史家のジュール・ミシュレが「コーヒーは力強く頭脳に作用し、明晰さを活性化する酔い覚ましの効果がある」と書いているのだ。こうして“食後のコーヒー”はヨーロッパのレストランで定着。さらにその文化は明治の頃に日本に伝わり、“食後のコーヒー”ははじめから洋食とセットで登場したというわけだ。つまり、“食後のコーヒー”という形だけが日本に持ち込まれたのである。余談だが、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜は大のコーヒー好きだったそうだ。

 さて、気になるのは「本当にコーヒーには酔い覚ましの効果があるのか?」 ということだ。東京薬科大学の岡希太郎名誉教授曰く、体内に入ったアルコールは胃から吸収されて血液に溶け込み、血液と共に脳に運ばれ、次第に脳の働きをマヒさせるのだそう。これが、いわゆる酔っ払いのメカニズムである。でも、食後にコーヒーを飲むとアルコールによる脳のマヒが和らぐらしいのだ。コーヒーのカフェインが脳の働きを活発にし、元の状態に戻すのがその理由だ。

「これを確かめるには、体の反応速度を測る実験をすればよくわかると思いますよ」(岡名誉教授)

 ここでゲストとして登場したのは、なんと髭男爵の2人だった。なるほど、ワインだけに……。彼らに協力してもらい、体の反応速度を測る実験を行うらしい。

 まずは光に反応してジャンプしてもらい、体の反応速度を計測した。結果、山田ルイ53世の反応速度は0.367秒で、ひぐち君は0.268秒だった。その後、2人に食事+ワインを摂ってもらうのだが、山田ルイ53世にだけは“食後のコーヒー”も飲んでもらったのがポイントである。というか、ロケでワインを3杯がぶ飲みするってどんな仕事なのか……。しかも、特にひぐち君の顔が真っ赤で目が座っているし。彼はもう、お眠寸前。明らかに、この人はお酒が弱そうだ。ひぐち君はワインエキスパートの有資格者なのに。

 その後、改めて体の反応速度を測ると、“食後のコーヒー”を飲んでいないひぐち君の記録は0.268秒から0.538秒へと後退。一方、“食後のコーヒー”を飲んだ山田ルイ53世は0.367秒→0.373秒とほぼ変わらなかった。コーヒーのおかげで脳のマヒが抑えられたと言えるのだ……って、言えるのか? だって、ひぐち君より山田ルイ53世のほうがどう見てもお酒が強そうである。酔いが覚めたか云々より、“どっちがお酒に強いか対決”になっていないだろうか? やせ体型と太め体型を対決させても説得力がないし。こういうのは、同じ人間で検証しないと意味がない。あと、ワインとコーヒーをがぶ飲みしたことによる利尿作用もスゴそうだ。2人は帰り道に何回トイレに駆け込んだのだろう?

 VTR終了後、チコちゃんから補足情報が発表された。山田ルイ53世には3歳の娘がいて、自分が髭男爵という事実は彼女に秘密にしているという。でも、娘さんが『チコちゃん』の大ファンのため、「今日の放送を見たら、とうとう父親が髭男爵ということがバレる」と彼は戦々恐々しているのだ。

 山田ルイ53世の悩みは、筆者も認識している。『髭男爵 山田ルイ53世のルネッサンスラジオ』(PodcastQR)や『テレビ寺子屋』(フジテレビ系)で、彼が頻繁に口にする苦悩だ。彼が執筆した「『言うべきか言わざるべきか』今も娘に隠す“正体”──髭男爵・山田ルイ53世の葛藤」というウェブ記事を読んだときは、いよいよ切なくなってしまった。

「筆者は長らく、自分の正体を彼女にひた隠しにしてきた。(中略)理由は、“一発屋”。負けとか失敗といった苦み成分を含むこの言葉を、人生始まったばかりの小さな子供に触れさせたくない、その一心である」(記事から抜粋)

 コラムニストとしても人気の彼らしい、胸にグッとくる文章だ。筆者は彼を応援している。

 この日、2つ目のテーマは「なんで平熱は36度ぐらいなの?」という疑問であった。いや、なんでって言われても……。

 ただ、37度を超えると入店を拒否されることもあるこのご時世だ。阿佐ヶ谷姉妹の美穂さんが仕事前に2時間半の半身浴をし、そのせいでラジオ局入口で37度以上の体温をマークしたため、レギュラーである『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送)に出演できなかったというトホホなエピソードも過去にはあった。つまり、この時代だからこそ重要なテーマという気もするのだ。チコちゃんが発表した正解は、「それが一番省エネで動けるから」であった。

 爬虫類などの変温動物は日光を浴びて体温を上げたり、逆に水に浸かって体温を下げたりする。一方で、我々人間や猫などの哺乳類や鳥類は自ら体温を一定に保つことができる。動物には、周りの温度によって体温が変化する変温動物と、一定の体温を保つ恒温動物がいるのだ。人間以外の哺乳類を挙げると、コアラの平熱は約36度で、ハムスターは約37度、ゴリラは約37度、犬は約38度だ。

 私たち哺乳類は爬虫類からの進化の過程で体温を一定に保つ機能を獲得した。哺乳類が進化したのは約2億年前。その進化の中で最も重要なポイントは、「肺の機能の上昇」である。肺は毛細血管から酸素を取り込んでいるが、爬虫類の肺は毛細血管が少なく、吸い込んだ酸素を取り込む表面積も小さいため、取り込める酸素の量が少ない。一方、進化した哺乳類の肺は「肺胞」と呼ばれる酸素を取り込む器官ができたことで毛細血管が増え、酸素を取り込む表面積も大きくなった。取り込める酸素の量が格段に増えたのだ。結果、体の中の酸素量は増え、体の中で作るエネルギーが飛躍的に増えたため、スタミナが大きくなった。爬虫類と比べると哺乳類が作るエネルギーは約10倍である。

 エネルギー量が増えたおかげで、周囲の環境の影響を受けず体温を一定に保つことのできる哺乳類。結果、寒暖に関係なく地球上のさまざまな場所で生きていけるようになった。エネルギー量が増えたことでより活発に動けるようになり、生存競争でも有利になっている。

 ただ、エネルギーを生み出すにはそれだけ多くの食物を摂る必要がある。つまり、体温が高すぎると食に多大な時間を費やす必要が出てくるのだ。エネルギー生産力を高める過程で体温は上昇したが、無限に上昇することはなく適度なところで落ち着いたというわけである。それが、平熱36~37度くらいだったのだ。哺乳類が最も省エネで動ける体温は36~37度だということ。

 あと、コロナのような感染が起こった際は体温が重要な役割を果たす。感染時に起こる発熱に理由がある。ウイルスなどの病原体が増殖しやすい37度より体温を上昇させ、増殖を抑えようとしているのだ。多くの免疫細胞は、37~40度で活発化する。だから発熱し、体温を上げることでウイルスを倒す働きを助けている。ただ、体温が高いままだと体がもたない。発熱すると体がだるくなるが、それは体温を上げようと大量のエネルギーを使っているから。だから通常時は約36度に保ち、感染時だけ体温を上げて体を守るのが最も省エネで効率がいいのだ。

 ちなみに、平熱は人種や筋肉量によって違ってくるという。試しに日本語学校に通う外国人の方々の体温を測ると、多くの人の体温は37度以上だった。確かに外国人は筋肉質だし、冬でも半袖の場合が多い。彼らと比べたら日本人は虚弱なのか? あと、海外にルーツを持つミックスの人たちの平熱が何度かも知りたくなった。

 では、筋肉量の多い日本人ボディビルダーはどうなのか? 彼らの平熱を測ってみると、やはりみんな37度以上だった。ということは、ボディビルダーは会社に出社できないのでは……。

「37.0度に体温設定してある施設があって、仕事で入りたいのに入れなくて30分以上ずっと測り直していたことがあります。(体温を下げるために)1回寝ました(笑)」(日本人ボディビルダー)

 え、寝ると体温は下がるのか……? 兎にも角にも、いろいろなことがよくわかった。筋肉量によって平熱は変わるわけで、女性の体温が低めなのも納得だ。この情報は検査機関、ならびに各企業へ周知しておかないとダメだと思う。

  • 1/21 21:00
  • サイゾー

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