年始に届いた“あけおめLINE”。「結婚はどう?」不要な近況報告に超ウンザリ

 近年は年賀状を送る人が減り、LINEやメールで年始の挨拶をする人が増えた。LINEでは、新年用の干支スタンプなども用意されており、とくに若い世代は使いやすいんじゃないだろうか。だが、そんな“あけおめLINE”の近況報告に嫌悪感を覚えたという人もいる。

 咲子さん(29歳・仮名)は「今年いちばん最初に届いた女友達のLINEが最悪でした」と話す。いったい、どんなLINEだったのか?

◆ふだんは連絡を取らない相手から突然の“あけおめLINE”

「大学時代に同じゼミだった子から『あけおめ! 元気にしてる?』というLINEがきたんです。もう何年ぶりかわからないぐらい久々の連絡だったんで最初は嬉しかったんですけど」

 普段は連絡を取らない相手でも“新年の挨拶”ならば気軽にできる、という側面は確かにある。

「正月休みで暇を持て余していたので『元気だよ!そっちはどう?』と返信しました。1分もしない間に『実は結婚することになったんだ』『相手は大手メガバンクの人なんだ』と矢継ぎ早に返信がきました(苦笑)。もうすぐに“誰かに自慢したかったんだな”と察しました」

 咲子さんは「おめでとう、お幸せに」と返信し、LINEのラリーを終わらせようとしたが、彼女のノロケは止まらなかった。それだけはない。

「30秒毎に『咲子のほうは結婚はどう?』『彼氏はいるの?』『いま手取りどのぐらい?』『どこに住んでいるの?』としつこい。

 今は彼氏もいないし、東京都下のマンションに住んでいると答えたら、満足したのか『私だけゴメン!』と返ってきました。やっぱり自慢したかったんでしょうね」

◆「メンタルが安定していないときは返信しないほうがいい」

 学生時代、なにかと彼女は咲子さんに対してライバル心をぶつけていたという。

「私は意識したことがなかったけど、どっちが上とか気にする子でした。だから、新年の挨拶なんてただのこじつけで、結婚するのが決まって幸せアピールしたかったんだと思います(笑)。

 ライバル視してた相手が結婚してなくて彼氏もいないことがわかって、マウント取れて嬉しかったんじゃないかな〜」

 最後に咲子さんは「女友達から久々に連絡がくるときは要注意です。自分のメンタルが安定していなければ返信しないほうがいいかも。マウント取られちゃう」と苦笑していた。

◆20人近く送って返事がきたのは3人

 あけおめLINEをもらって不快な思いをした人もいれば、あけおめLINEを送ってしくじったという人もいる。浩介さん(32歳・仮名)は「“ワンちゃん狙い”でいろんな女のコにLINEして、逆に凹みました」とうつむく。

 ワンチャン狙いの真意とは、“もしかしたら会えないかな”ということだそうだ。

「何年も連絡してない元カノとか、関係があった子とか、結構な人数にあけおめLINEをしたんです。久々に会えないかなって」

 合計20人近くに送ったが、返ってきたのは「たったの3人」。しかも、素っ気ないものだったという。

「既読無視がほとんど。2人には着信拒否までされていました。元カノ1人と、以前は俺のことが好きっぽかった女のコから返信がきましたが、みんな『元気だよ〜』と答えるだけ。俺としては『元気? そっちは最近何してるの?』とか、ラリーが続くことを期待してたんですが」

 浩介さんはここで諦めることもなく、3人に対して丁寧に自分の近況報告をした。自然に会う流れを作ろうとしたが——。

「元カノからは『結婚したから』と言われて。ほかの2人にかんしては、もう連絡不要ですって空気を感じたので、それ以上は送りませんでしたけど」

◆嫌悪感を抱かれていることに気づいた

 見事に作戦失敗したわけだが、後日もっと悲しい事実を知ることになる。

「仲良い男女で新年会があったんですが、そこで女友達に『Aに連絡したでしょ〜? Aが呆れてたよ』と言うのです」

 Aとは、浩介さんのことが昔好きだったという女性だ。

「俺の思惑が全部バレてたんです。『どうせ正月で暇つぶしに連絡してきただけでしょ』って。『彼が良いなと思っていたのも何年も前の話だし、未だに気があると勘違いされていて困る』とまで言っていたそうなんです。

 確かに、付き合ってもいない男をずっと好きでいてくれるわけがないのでしょうが、そこまで嫌悪感を抱かれているとは思いませんでした」

 浩介さんは「もう来年は絶対に送りません。男は昔付き合っていたとか、関係を持った女性とか、まだ自分を好いてくれているんじゃないかって期待しちゃうんです。でも、違うみたいですね……」と嘆いていた。

◆“忘れられない人”からは1通も届かない

 2人の話を聞いて、ふと思ったことがある。

 筆者にも、マウントを取りたい女子とワンチャン狙いの男子、両者からあけおめLINEが届いていた。もちろん、今後会うつもりもない人には「機会があればまた!」という雑な返事で即ラリーを終わらせた。

 “忘れたい人”からはたくさんLINEがくるのに、“忘れられない人”からは1通も届かない。人生うまくいかないものである。

<取材・文/吉沢さりぃ>

―[年末年始の憂鬱]―

【吉沢さりぃ】

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。『bizSPA!フレッシュ』『BLOGOS』などでも執筆。Twitter:@sally_y0720

2022/1/20 15:54

この記事のみんなのコメント

1
  • ***

    1/24 19:23

    返信とかで何故悩むのですかね?嫌なら無視したら良いだけやろ?それが嫌なら勝手に悩めば?

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