自分の死後、iPhoneのファイルは?「デジタル遺産」機能の活用法

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―[デジタル四方山話]―

◆新しく搭載された「デジタル遺産」機能

 iOS/iPad OS 15.2に「デジタル遺産」機能が搭載された。自分が死んだ後、あらかじめ指定した人にiPhoneの一部のデータにアクセスできるようにするものだ。

 パスコードを教えておけば、全データにアクセスできるのだが、それはいろいろと問題が発生する。パスコードを変える度に連絡する必要があるし、まだ生きているのにアクセスされてしまう可能性もある。そもそも、誰にも見られたくないアプリやデータもあるだろう。

「デジタル遺産」機能を利用すれば、ユーザーのApple IDでサインインするiCloudに入っている写真やメール、連絡先、ボイスメモ、カレンダーなどを利用できるようになる。

 課金コンテンツや支払い情報、キーチェーンなどにはアクセスできないし、他のアプリも起動することはできない。パスコードも解除することはできない。それでも連絡して欲しい相手の一覧や思い出の写真にアクセスできるだけでも助かるだろう。メールでやり取りしている相手やカレンダーに予定が入っている人にも連絡できる。

 基本は家族になるだろうが、他の人を指定することも可能だ。設定は簡単だが、手順が多い。滅多に行う操作ではないので、ゆっくり作業しよう。

◆デジタル遺産機能の設定方法

 まずは、iPhoneの設定からユーザー名をタップ。「パスワードとセキュリティ」から「個人アカウント管理連絡先」を開き、「個人アカウント管理連絡先を追加」をタップする。

 連絡先から相手を選び、電話番号やメールアドレスをタップ。その後、アクセスキーの共有方法を選択する。SMSで送ってもいいし、控えをプリントして渡してもいい。あえて今渡さなくても、遺産管理計画書に控えを追加しておく手もある。

◆相手のOSバージョンに注意

 相手の端末のOSがiOS/iPad OS15.2以降であれば、「個人アカウント管理連絡先」にアクセスキーが登録され、キーを表示したりアクセスを要求したりできる。OSが古い状態で登録されてもアクセスキーを表示できないので注意すること。

 その場合、削除してやりなおしになる。相手が削除するとそのことが通知されるが、拒否されたと思い込んでショックを受けないように。登録がうまくいかなかった可能性があるので、再度連絡してみよう。

 アクセスキーをテキストや紙でもらった場合は、Appleの「死亡した友人または家族のアカウントにアクセスする権利をリクエストする」ページからアクセスする。

「アクセスする権利をリクエスト」をクリックして、アクセスキーの一部を入力し、個人の死亡証明書をアップロードしてアクセス権の申請を行う。死亡証明書はPDFやPNG、TIF、JPEG、GIF形式で、解像度は300dpiもしくは3300×2550ピクセル以上。各ページがフラット化されていており、ページの四隅が表示されていなければならないので、綺麗に撮影しよう。

◆設定しておいて損はない

 審査が通ると、個人アカウントにアクセスするための特別な管理用Apple IDがメールで送られてくる。アクセスキーを利用し、パスワードを作成し、2ファクタ認証を設定すれば「デジタル遺産 - 管理」 ページで管理できるようになる。サイトから情報をダウンロードできるだけでなく、iPhoneにサインインすることも可能だ。

 故人アカウントにアクセスできるのは、申請が承認されてから3年間となる。その後、アカウントは完全に削除されるので、その間に必要なコンテンツをダウンロードする。

 死んだときのことを考えたくはないだろうが、万一に備えておくことは大事。残された家族に負担をかけないためにも、設定しておいて損はない。繰り返しになるが、iCloud以外のサービスに保管しているデータは見られないので、プライバシーも守れる。時間のあるときに「デジタル遺産」機能を一度チェックしてみてはいかがだろうか。<文/柳谷智宣>

―[デジタル四方山話]―

【柳谷智宣】
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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