感染拡大するオミクロン株、柔軟な対応ができていない日本の問題点

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◆感染拡大を封じ込めることはできるのか

 感染力が強いとされるオミクロン株が猛威を振るい、全国各地で過去最多の新規感染者数を更新中だ。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「国の最優先課題は高齢者のワクチン追加接種」と危機感を強めているが……。果たして、感染拡大を封じ込めることはできるのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が話す。

「そもそも3回目の接種が遅れているのは尾身先生の責任。冬に流行のピークが来ることはわかっていた。そのため欧米では3回目接種を9月から進めていたのに、尾身先生や厚労省はその必要性を認めていなかった。日本の追加接種率はOECD加盟国で断トツの最下位。いまになってオミクロン株対策には追加接種が必要と騒いでいる始末です」

◆柔軟な対応ができていない日本

 一方でオミクロン株の重症化リスクは低い。コロナを結核と同じ指定感染症「2類」相当から季節性インフルエンザと同じ「5類」に落とせば医療逼迫を回避できるのではないか?という議論が沸き起こっているのも事実だ。

「たしかに、オミクロン株は肺ではなく鼻や喉で増殖するので、重症化リスクはデルタ株の数分の1。しかし問題の本質は、どこに分類するかではなく、柔軟な対応ができていないこと。仮に5類に引き下げても受験生の子を持つ親が感染したら、自分を隔離してほしいと願うでしょう。それなのに政府は感染者を犯罪者のごとく見立て、水際対策やクラスター対策ばかりで、医療体制の充実やウィズコロナの議論は一向に深まっていない。この2年でオンライン診療は世界中で進展したが、日本だけは厚労省ががんじがらめに規制し、成長分野なのに遅れてしまった」

 救いは、比較的早く収束しそうな見通しである点だ。

「南アフリカやイギリスでは感染拡大から1か月程度でピークアウト。そこから計算すれば、日本での流行のピークは1月末から2月初旬と予測できる」

 新規感染者の数字に踊らされずに、冷静に対応していきたい。

◆緊急事態宣言で死亡者数増加か

 感染者急増で、まん延防止措置や緊急事態宣言も取りざたされるなか、コロナ死の10倍に及ぶ「超過死亡」も注視しなければならない。

「’21年1月は、国内では例年より2万人も多くの人が亡くなった。直接のコロナ死は2000人。再び、緊急事態宣言で、国民に自粛を強いれば、高齢者をはじめ多くの国民の健康が脅かされる」(上氏)

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!1月18日発売号より

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  • 日刊SPA!

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