私たち付き合ってなかったの⁉ イケメン、驚きの告白

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■変な女には変な男が寄ってくる

私は今でこそメール鑑定や星座記事を書いて生きている占い師ですが、20代の頃は自分のことすらままならない恋愛依存女でした。しかも、都内のメンタルクリニックをジプシーするガチメンヘラだったので、出会った男子のほとんどは「こいつヤべェ!」と心のアラームを鳴らして全力で逃げたものです。

でも、そんな私から逃げるどころか、積極的に絡んできた珍しいイケメンがいました。

彼は初対面の人には必ず「モデルですか? ハーフですか?」と聞かれるビジュアルの持ち主で、モテ男の代名詞といっても良いくらい。実際に、「大抵の女は思いどおりになるから面白くない」なんて言っていたけれど、素直に「ですよね」と納得できる美男子でした。

だからこそ、世界の隅っこを這いずり回るような私に好奇心を持ったのかもしれません。泥酔した私の奇行・珍言が好きだと言って、夜中によくバイクや車で都内を走っていました。

■私たち付き合っているんだよね?

そんな彼とは知り合ってから間もなく、「おはよう」から「おやすみ」まで連絡を取り合い、ほぼ毎日会うようになったのですが、そこまで来て私はやっと気づきました。

もしかして私、好かれているのかな?

もはや友人の域を越えた密着関係で、バイクの後ろから彼のおなかに腕を回すと少女漫画さながらの“キュン”が胸に響きました。気づいたときにはもう好きになっていて、会話の合間に見つめ合う無言の数秒を、まるで時が止まったように感じました。

ハイ、すっかり頭がお花畑です。

「いやいや、彼のようなイケメンが私なんぞを相手にするはずがない」という謙遜はありましたが……あったけれど、だって彼ってばキスしてきたんだもん(語尾!)。そりゃ勘違いしますよ。

しかも、地下鉄から地上に出る階段の途中で。並んで歩いていたのに、彼が急に足を止めるから「どうしたの?」と振り返ったら、185センチの彼の顔がちょうど真ん前に。そして、段差を利用したまるで映画のようなキス。女子慣れしたイケメンは、耳の後ろに手を回して少し強引に顔を引き寄せるのも上手でした。

そんなんで勘違いしない女がいるかよ! 堂々と勘違いするよ!

頭のお花畑が満開になった私は、「この人が彼氏になるんだなぁ」とフワフワした気分で二ヤけていたのです。

■「話したいことがある」という爆弾投下

だから、彼がちょっと真面目な声で「話したいことがある」と言った時は、心の中で「ハイ、告白キタ~~~~ッ!!!!」と絶叫しました。わざわざ家に呼んで話しやすいシチュエーションを作ったりして、私も意外とイイ女してんじゃん! なんて浮かれまくったのです。

ところが。彼の口からこぼれ落ちたのは、

「結婚するんだ」

………………はァ?

頭の中のお花畑が一瞬にして真っ白に燃え尽きました。

「元カノとたまたま会っていろいろ話したら、子どもがデキちゃって」

オイ! たまたま会っていろいろ話して子どもがデキるかよ!

とどのつまり、元カノと再会して話すうちに気分が盛り上がり、そのままホテルに行ったそうで。彼としては復縁する気はサラサラなかったものの、そうとは言えず、元カノに促されるままお義父さんに挨拶して、貯金ほぼ全額を結婚式費用に差し出したんだとか。

「マリッジブルーていうのかな。すごく不安でひとりでいられなかったんだよね」

ひとりでいられないから私を誘ったわけ?

バツが悪そうな顔で言った彼には、当時も今でも全力で「どういうオチだよ!」とツッコミたい。私の都合の良い女っぷりが極上すぎて苦笑いしか出ません。こんなオチ、ネタにしかならねぇよ。

■イタい恋から得た教訓「イケメンは挨拶でロマンティックなキスをする」

頭のネジがゆるんだ私の奇行・珍言は、マリッジブルーの彼がちょうどよく現実逃避できるものだったようです。やることなすこと破天荒な私と一緒にいると、結婚もうやむやになりそうに思えたんだとか。

なるわけねぇだろ。父親としてしっかり責任取れ。

テキトー発言を繰り出す彼にあきれて、私は気づけば元カノの肩を持ち、「離婚するんじゃないよ」とエールを送ったのでした。

ちなみに、地下鉄の階段でしたキスの意味は「挨拶かなぁ」とのこと。「一緒にいる時間が急に増えたからキスしてみた」というイケメン理論はパンピーにはイマイチ理解できません。

彼は顔立ちが美しいだけに、いきなりキスしようとしても断られた経験がないのでしょう。しかも女心をわしづかみにする手慣れたキス。平凡を絵に描いたような地味子すら少女漫画の主人公になる威力を持っていました。

勘違いするなんてイタいと思うかもしれませんが、普通にキュン死ぬよマジで。勘違いしないメンタルを持つ女子の方が少ないんじゃないかと。

苦笑いするしかないオチだとしても、イケメン男子とのイタい関係は十分楽しいものでした。20代の黒歴史に光る儚くも滑稽な恋物語は、私にとって大切な思い出です。

(文・沙木貴咲、イラスト・菜々子)

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