乗組員がいない謎の“幽霊船” タイの沖合で調査中に海へ沈む

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“幽霊船”が見つかったのはタイ南部ソンクラー県から100海里(約185キロ)ほどの沖合で、湾岸で石油掘削作業を行っていた作業員たちが発見した。全長262フィート(約80メートル)のそのタンカーの横には、中国語で「金水源2」と船の名前が大きく書かれていたが、船の身元を確認する書類はすべてなくなっていた。

発見の報告を受けたタイ王国海軍第2海軍管区司令部は、すぐにドローンを配備して同タンカーの調査を開始した。当時の様子を捉えた映像には暗闇の中で海に浮かぶタンカーが映っており、その姿はまさに“幽霊船”のイメージそのものだ。武装した数名の兵士が乗り込み、真っ暗な船内を進んで慎重に確認していったが乗組員の姿はなかった。

また日中に行われた調査を撮影した映像には、錆びた機械が並ぶ操縦室の様子が映っていた。机の上や床には物が散乱しており、使用されていた当時の雰囲気が感じられる。錨など航海用の道具はほとんど損傷し、機関室は浸水、船のバッテリーは照明をつける程度しか残っていなかったという。

ひと通り調査を終えた海軍は船内の水を半分ほどくみ出し、この船を沿岸までけん引しようとしていた。しかし強風で海が荒れたことにより船内にさらに水が入り込み、今月9日にタンカーは海の底へ沈んでしまった。

タイ王国海軍第2海軍管区司令官のスントーン・カムクライ中将(Sunthorn Khamklai)は、タンカーの沈没による環境的な影響はないとして「約1キロの最小限の油膜が残っただけです」と明かしている。タンカーの沈没は周辺の船の運航者に周知され、沈没位置にはブイの目印が設置されているため運航の妨げにはならないとも報じられている。

通常、船の名前の最後には登録番号としてもう1桁数字があるそうだが、消されてしまっていた。タイ王国海軍は「ベトナムかカンボジアで作業した後に、タイの海域に流れ着いたのでは」と推測しており、調査によりイッティパット・ガビンフエンフクルさん(Itthipat Gavinfuengfukul)がこのタンカーの船長であると特定された。

イッティパットさんは「船を岸まで運ぼうとしたが、到達する前に船が沈んでしまった」と明かしている。イッティパットさんは船長であり、タンカー船の所有者はまた別にいるという。タイ王国海軍は所有者の特定はできていないものの、15日以内に船を引き上げるように通達を出している。

画像は『กองทัพเรือ Royal Thai Navy 2022年1月8日付Facebook「ทัพเรือภาคที่ 2 ออกช่วยเหลือเรือสินค้าใกล้จม ตรวจสอบ」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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