食事管理アプリ「あすけん」で5kg減に成功したアラフォーが、運営に疑問をぶつけてみた

食べたものを入力するだけで、栄養士が食生活改善のアドバイスをしてくれる健康&ダイエットサポートアプリ・あすけん。現在の登録者数は、なんと650万人以上!(横浜市の総人口の約1.7倍!)日本一有名な食事管理アプリです。

美と健康に敏感な読者の皆さまには、もはや説明不要。あすけんのAI栄養士・未来(みき)さんと毎日顔を合わせているという方も多いのではないでしょうか。

わたくしごとで恐縮ですが、著者は3月上旬からあすけんの「ダイエット基本コース」を始めて、アラフォーで約5kgの減量に成功しました。毎日アドバイスをもらいながら3食しっかり食べているので、無理なく痩せて健康そのもの。あすけんさまさまです。

今回は、株式会社askenの広報担当であり栄養士でもある多田綾子さんにお話を聞き、あすけんにまつわるさまざまな疑問・質問に答えてもらいました。

◆ダイエット中の飲酒は禁物?

――さっそくですが、あすけんのいちユーザーとしていくつか質問させていただきたいと思います。AI栄養士の未来さんはお酒に厳しいイメージがあるのですが、やはりダイエット中の飲酒は禁物なんでしょうか?

多田:私もお酒が好きなので、つい飲み過ぎてしまった時は未来さんにビックリされちゃうことがあります(笑)。昔は「適量であれば飲んでもいい」と言われていましたが、最近では「ちょっとであっても体にはよくない」という研究の報告もあって、できるだけお酒は控えた方がいいというのが最近の傾向ですね。

日本では一日のアルコール量20グラムが適正量とされているので、その範囲内であれば未来さんに「だいぶ飲みましたね」と言われません(笑)。楽しみのひとつだと思うので、飲み過ぎないように気をつけていただければと思います。

◆サンリオとのコラボ版は甘いってホント?

――サンリオとコラボした「kawaii diet~サンリオキャラクターと一緒に栄養管理~」は採点が甘めという噂は本当でしょうか?

多田:キティちゃんとか、ポムポムプリンちゃんとかが可愛く栄養について教えてくれる「kawaii diet」は、栄養管理に興味がない方でも使いやすいように作られています。通常のあすけんとは少し仕組みが違うので、甘めに感じられるかもしれません。

あるいは、サンリオのキャラクターが栄養素を代表してかわいくコメントしてくれるので、同じアドバイスでもAI 栄養士未来さんに言われるよりもふんわり受け取られているのかもしれません(笑)。

11月からあすけんのログインIDを使って「kawaii diet」にもログインできるようになり、あすけんに記録した食事のデータが「kawaii diet」に反映されるようになったので、是非そちらも試していただければと思います。

◆あすけんの全ユーザーの平均点は50点!

――毎日自分の「あすけん健康度」が点数で表示されるので、平均点が低いと「最近食べ過ぎてるんだな」とすぐにわかって非常に助かってます。「○点以下が続くとまずい」という目安はありますか?

多田:あすけん健康度は、あすけんが独自に考えた健康の指標です。点数が出た方がモチベーションに繋がるんじゃないかということで出しているんですけれども、〇点以下だといけないということは、あすけんでは特に言っていないです。

ただ、あすけん健康度が低いということは食事のバランスが悪いということなので、その状態が長く続くのは体によくないかなと思います。実は、あすけんの全ユーザーさんの平均点は50点なんです。

――えっ結構低いんですね! ちょっと安心しました…。

多田:まずは50点以上を目指していただければと思います。健康を維持するには、食事バランスだけでなく適度な運動も重要になります。その両方のバランスによってあすけん健康度の点数が決まるので、そこを意識していただけるといいと思います。

◆いっそ「飲み会がある日は記録しない」もアリ

――つい記録を忘れてしまう人のために、習慣化するためのコツなどあれば教えてください。

多田:私たちも悩ましいというか、どうしたら続けていただけるかなと常日頃考えているところです。食事の記録を促すアラーム機能を活用していただいたり、あすけんの日記機能を使って他のユーザーさんたちとダイエット仲間になることで成功したという方もいらっしゃいます。

でも、飲み会や外食があるとつい記録をつけ忘れて、そのまま脱落してしまうという方が多いんですね。食事の記録が途切れたことへの罪悪感で「もう未来さんの顔が見れない」と(笑)

――ああっ、その気持ちすごくよくわかります!

多田:それが原因で続かなくなってしまうくらいなら、いっそ「飲み会がある日は記録しない!」と決めて、次の日からちゃんと記録すればいいかなと思います。未来さんはいつでも温かく迎えてくれるので、是非会いに行っていただければと思います(笑)

――あすけんの方にそう言っていただけると心強いです!

◆タンパク質しっかりブームですが?

ここで、同じくあすけんユーザーである編集部の北大路(以下K)から質問が。

K:家でゆるく筋トレやストレッチなどをしています。筋肉を落としたくないのでタンパク質を多めにとるようにしているんですが、いつも「過剰」と言われてしまいます。

最近の“タンパク質多め&糖質オフ”という流れなど、健康についてのブームや志向は判断基準にどれくらい取り入れているのかを知りたいです。

多田:ここ2〜3年、タンパク質しっかりとりたいというユーザーさんからの声が多くなりました。なので、プロテインを含んだ市販食品やタンパク質を多くとれる料理などを登録しやすいようにメニューを増やしています。

アドバイスで「過剰」と言われてしまう件に関して言うと、実は男性も女性も普通に生活するのであれば、タンパク質はそこまで不足しないんです。マッチョな体を目指すとかボディビルディングをされるという場合は別ですが、一日に必要なタンパク質の量(男性60〜65g、女性50g)は変わらないので、その目標値を超えた場合は「過剰」になってしまいますね。

タンパク質もとればとるほど筋肉になるわけではなく、エネルギーとして使われる栄養素ですので、とりすぎるとカロリー過剰になってしまいます。ダイエットをされているのであれば、タンパク質も適正量を守った方がいいですね。

K:健康やダイエットに関する新しい学説が次々に出てきますが、よっぽどのエビデンスがない限り、あすけんの判断基準は変わらないのでしょうか?

多田:はい。あすけんは厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準」という指標を基にしています。栄養成分に関しても、「日本食品成分表」に記載されているものが中心になっています。なので、その成分表が増えた時は、随時あすけんにも反映させています。

◆イモやかぼちゃを食べても主食にカウントされないのは?

K:なるほど。納得しました! あともう一つ。ご飯・パン・麺を食べなかった日に、代わりにイモやかぼちゃなどを大量に食べたら、食事バランスチェックの「主食」にイモとかぼちゃの分がカウントされていませんでした。栄養素的には同じだと思うのですが、なぜご飯・パン・麺以外は「主食」にならないのでしょうか?

多田:あすけんの食事バランスチェックは、農林水産省の「食事バランスガイド」が基になっています。「食事バランスガイド」で「主食」に分類されているのが、ご飯・パン・麺の3つのみで、イモ類は「副菜」に分類されています。あすけんの食事バランスチェックで「主食」に入らなかったのはそのためです。イモやかぼちゃで炭水化物をとられているので、栄養グラフでは問題なかったと思います。

K:主食がいも類の地域や国の人の場合はどうなるのでしょう?

多田:実は「食事バランスガイド」には沖縄版というのがあって、沖縄版にはさつまいもが「主食」に入っているんだそうです。もしさつまいもをよく食べる地域の方がいたら、あすけんの食事バランスチェックの「主食」は低く表示されてしまいますね…

地域や国によって食事の文化は変わってきますし、今は食事も多様化しているので、将来的にはあすけんも対応できるようにしていきたいなと思います。

◆最初、数名でスタートした「あすけん」

――そもそものあすけんが生まれた経緯を教えてください。

多田:あすけんがうまれたのは2007年。当初はまだスマートフォン自体がなかったので、ウェブ上のサービスとして始まりました。

弊社の親会社の株式会社グリーンハウス(※)にたくさん在籍している管理栄養士の知見や栄養指導の能力を、ITの力と掛け合わせて世の中に広めたいというところから始まり、数名の社内ベンチャーのような形で立ち上がりました。

(※)オフィスや学校、病院などの食堂や、レストラン、デリカショップなどを運営する企業

――あすけんが軌道に乗り始めたのはいつ頃からですか?

多田:2013年にスマホアプリとしてリリースしたことによって、口コミやレビューなどで広がり、多くの方に使っていただけるようになりました。

――あすけんユーザーの男女比はどのくらいですか?

多田:男性3割、女性7割です。女性ユーザーは20〜40代の方が多く、男性ユーザーは半数の方が40代以上です。男性の数も増えてきています。

◆あすけんは食べ方を知るためのアプリ

――最近、48kgの減量に成功したクイズ作家の古川洋平さんがインタビューや著書などで紹介されていましたね。

多田:はい、本当にありがたいです。このご縁をきっかけに、古川さんとの対談イベントをあすけんでオンラインライブ配信を行ったりして、古川さんのファンであすけんを使い始めてくださった方がたくさんいらっしゃいました。

――有料のプレミアムサービスに登録すると選べるコースではどれが人気でしょうか?

多田:「ゆる糖質オフコース」です。あまり糖質量をとらなさすぎると健康によくないので、無理のない範囲で糖質オフできるコースになってます。

――それでは、ダイエットに励む30~40代の女性たちにアドバイスをお願いします

多田:健康的に痩せるためには、バランスのいい食事をとることと、ご自分の適正カロリーを知ることが重要になります。まずは食生活を見直して、食べ方を意識することが、無理なく「食べるダイエット」を続けられるコツなんじゃないかと思います。

あすけんは食べ方を知るためのアプリなので、無理なカロリー制限をしたり、反動が起きちゃうような我慢をしたりせず、好きなものも食べながら、かしこく食事を選んで健康的に過ごしていただきたいと思っています。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

食生活を可視化させ、食べ方を教えてくれるあすけん。何度も減量に失敗してきた方も、健康診断の結果が気になり始めた方も、あすけんで「食べるダイエット」を始めてみてはいかがでしょうか?

<文/藍川じゅん>

【藍川じゅん】

80年生。フリーライター。ハンドルネームは永田王。著作に『女の性欲解消日記』(eロマンス新書)など。

2022/1/8 15:46

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