「この店こそ、和食の最高峰!」と食通から尊ばれる超名店!

「旬」を大切にし、最高の食材を全国の生産者から仕入れる。

東京に数ある和食店の中でも、美食家が旬の“最高峰”を求めて辿り着くのがこちらのお店。

食材や調理法への探求心やこだわりようには、同業者も一目置く存在である。

※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。

滅多に出合えない珠玉の食材「ぐじ」

京都の冬には欠かせない「かぶら蒸し」。通常は、白身魚のほかに銀杏やエビ、百合根などが入ることが多いが、『と村』では、ぐじとすりおろしたかぶのみ。脂ののった最高のぐじは火を入れると柔らかな食感となり、かぶらと餡と織りなすハーモニーは抜群だ

春。京都塚原でとれる希少な白子筍が、僅か20日前後で終わる卯月の佳味を運び、5月からは子どもの顔ほどもある1.5kg級の千葉大原の鮑が登場。

6月からは鰻、7月には赤石川の金鮎が青森から届き、鮑と並ぶ夏の3大佳肴として舌に口福を運ぶ。

そして秋。9〜10月には鰻が最旬を迎え、奈良と徳島の天然すっぽんに舌鼓を打つ。

季節は進み、12月の声を聞くや、兵庫柴山の松葉ガニや新潟の網取り真鴨、青森白神山地の月の輪熊などが厨房を賑わせ、水温む頃まで冬の味覚の饗宴が続く――。

そう、これらが虎ノ門『と村』のの四季の味。

『と村』の食材は、いずれもまったくもって質の次元が違う。圧巻の存在感で食通らの胃袋を鷲掴みにするのだ。

例えば、これから旬を迎えるぐじ(赤甘鯛)。福井の“若狭ものの一汐ぐじ”が昔からブランドだが、昨今では、本場京都でも扱う店が少なくなってきた希少品。

だが、ご主人の戸村仁男さんは、一汐ものでなければぐじの真味は味わえないと熱く語る。

「浜で取れてすぐに塩をするから、独特のねっとりとした食感が生まれる。これでなければぐじとは言えません」

そう言いつつ取り出したぐじは、艶々とした光沢を放つ滑りが、その身の上質さを物語る。

「若狭ぐじのお造り」。まるで昆布〆にしたかのようにねっとりとして滋味豊かな味わいは、一汐のぐじなればこそ。そのまま食べても十分旨いが、『と村』では煎り酒で提供

重さにして1kg弱が、戸村さんが良しとするサイズ。それ以上大きくなると身質が粗くなってしまうからで、脂が十分のっていることも見逃せない要素だ。

そんな、自らのお眼鏡にかなったぐじは、より良いものが手に入った時にだけ「お造り」で出され、さらに近江かぶらの出来が完璧で、双方が最上と納得した時にのみ「かぶら蒸し」が出るという。

それゆえ、「かぶら蒸し」については、時に一度も食べる機会のないまま冬が終わることも。

すっぽんや真鴨など、豪華食材が次々と…!『と村』劇場はまだまだ続く!

澄んだスープとゼラチンが後を引く「すっぽん」

「蒸しすっぽん」。すっぽんの身もスープも美味しく味わえるようにと、工夫をこらした逸品。煮た後に蒸す工程を経ることで、素材の旨みを引き出している。一点の濁りもなく脂をきれいに取り除いたスープは、『と村』ならではの洗練された美味しさだ

食材においても調理に関しても、一切の妥協を許さない。それが『と村』の凄みの所以でもある。

そして、最上級の素材を手にしたら、その持ち味をどうしたら最大限に引き出せるかを、柔軟、かつ真摯に考える。

今や冬の名物のひとつとなった「真鴨の窯焼き」にしても、どうしたら真鴨を最も美味しく食べられるか?を追求した結果の逸品。

一羽を開いていただく、野性味溢れる味わいの「真鴨」

「真鴨の窯焼き」。『赤坂璃宮』の譚 彦彬料理長の協力を得て始めた一品。同店の焼物師である梁さんから教わった広東の焼物の技術を元にアレンジ。だが、香辛料は使わず、真鴨を開いて塩のみで下味をつけ、一度干してから中華の広東窯で焼き上げていく

骨付きのまま丸ごと焼くのが一番と考え、思いついたのが中華の広東窯で焼く方法。

そこで、窯を注文しに出かけた新潟燕三条で出合ったのが、真鴨料理で知られる『長吉』のご主人。ここで扱う真鴨に一目惚れした戸村さん、早速取り寄せることに。

曰く「ここの真鴨は太っていて、脂ののりも抜群。猟場選び、餌の撒き方、血抜きなど全て細心の注意を払っている証拠です」と大絶賛。

“鴨ねぎ”ならぬ、窯が鴨を運んできたたわけだが、その後も毎年新潟まで足を運び、食材をより深く知ろうと心を砕く。

茹でたてのふくよかな旨みが溢れ出す「アカザエビ」

伊勢エビに勝る旨みがあるといわれるアカザエビは、シンプルに茹でただけで提供。ただし、その裏には焼いたり、揚げたりという試行錯誤がある。結果、アカザエビの茹で汁で茹でる手法に辿り着いた。食せば、しっとりした食感と独自の甘みを感じられる

ただ茹でただけのように見えるアカザエビも、実は茹でるという行為自体に並々ならぬ努力が注がれている。

まず、茹で汁。エビの旨みを逃さぬよう水ではなくアカザエビの茹で汁で茹で、しかも、茹で時間から温度、茹で汁の塩分濃度等々を、エビの個体差に合わせて微妙に調整している。

かように、ひとつの料理にそこまで手をかけるからこそ、食材の神髄にダイレクトに迫り、それを巧みに引き出し、味わわせる。そこには、ありがちなキャビアもウニも必要ないのだ。

それが、戸村さんの料理全体に一貫して言える哲学であり、醍醐味ともいえる。

玄人好みの豪華食材を最も美味しく供するため、並々ならぬこだわりをみせる名店『と村』。

独自の和食の美学を貫き通す姿勢が、舌の肥えた美食家たちを唸らせ、脱帽させるのである。

▶このほか:年の瀬はこんな贅沢がしたい!口いっぱいに極上フカヒレを堪能できるあの名店へ!

2021/12/3 5:01

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