ブラック企業で30年勤務する50代男性（奈良県／年収250万円）から悲痛な声が寄せられた。（文：林加奈）

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コロナワクチン接種のために休みを申し出たら「遊びちゃうぞ！辞めてしまえ！」

男性は個人経営の精肉小売店に勤務している。夫婦で経営し、家族が従業員というかたちのいわゆる家族経営だが……

「私には給料を抑え、ボーナスを抑え、1日8時間過ぎているにもかかわらず、残業代も支払わない。年末は私の同意なく休みを減らし休日出勤させ、その休日出勤の日給も支払わない。1年を通して年次有給休暇は与えられない。経営者は旅行や高級車購入、ブランド品購入等贅沢はたっぷり。家族は早く帰らせたりします」

男性はコロンワクチン2回目を接種するにあたり、休みが欲しいと申し出た時「遊びちゃうぞ！辞めてしまえ！」と恫喝されたという。ほかにも

「私が作業中、手順が社長の思うようにいかないと私の肩をたたいたり、怒鳴ったり、パワハラ行為。そのため、夜中から朝出勤手前まで眠れなく、不眠症状態。作業中私が怒鳴られ、涙を流していても、その家族はやめてあげて等止めたりせず、見て見ぬふりでした」

と劣悪な職場環境を打ち明ける。

「今の給料やったら、新卒の子たちより少ないん違うか？」と友達に笑われた

男性は「残業代なし、雇用保険なし、年次有給休暇なし、気に入らなければ経営者夫婦のパワハラややりたい放題」の悪質経営者のもとで苦しむ毎日だと語る。

「無料弁護士相談や民商、労働組合、いろいろ相談に行きましたが『本当に辞めた方がいいですよ』と皆さん口を揃えて同じ意見でした。友達には『今の給料やったら、新卒の子たちより少ないん違うか？』と笑われました」

そんなブラックな会社になぜ30年も勤務しているのかと疑問に思うだろう。男性もじっとしているわけではなく、行動を起こしている。

「辞めたいと思い、10件近く面接を受けましたが、年齢と学歴でことごとく失敗。私にも妻や娘がいます。勢いで辞めるわけにもいかず、苦しんでいます。年内で辞めたく、これからも面接を受けようと思っています」

と転職活動中であることを明かしている。