マツコの“サラサラ”体質とオズワルド畠中の“粘り腰”は、どちらが強いだろうか

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(11月14~20日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

マツコ・デラックス「ひとりで抱えてないで!」

 遺伝子が同じ二卵性の双子であっても、環境と偶然で性格などには違いが出てくる。ましてや、遺伝子も違う他人同士では、いろいろな面でのすれ違いは否めない。

 ――と、そんなことは頭ではわかっていても、いざ他人との違いを目の前にすると、動揺が隠せないこともある。そんな動揺を通して、自分がいつのまにか他人を自分と同じようなものと見なしていたことに気づいたりする。

 19日の『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)。「最強のあんかけ料理は何か?」という話題で、まずは有吉弘行が口を開いた。

「先に言っとくとさ、俺、マツコさんほどあんが好きじゃないかも。好きでしょ? 大好きでしょ?」

 うなずくマツコ・デラックス。そして、自分があんが好きな理由を語り始めた。

「唾液の成分によるらしいんだけど、食べた箸とかレンゲとかをまたつけるじゃない、あんに。あんがなくなっていくのよ。とろみがなくなっていくの。サラサラになっちゃうの。唾液の成分によって。っていう症状があるのね」

 あんかけ料理を食べているうちに、トロトロだったあんがサラサラになってしまう。番組によると、唾液に含まれるアミラーゼ(デンプンを分解して糖にする酵素)が多い人は、そういう現象が起きるらしい。

「だから、あん大好きなんだけど、あんを楽しめるのって、最初のひと口ふた口なの。だから尊いの、私にとってあんって。あのドロドロな状態が儚いのよ」

 さまざまなモノや現象に「儚さ」を見出してそれを愛す。それはマツコがよく語る嗜好だけれど、自身の特殊な唾液によってすぐにサラサラになってしまうあんもまた、「儚さ」ゆえの愛すべき対象なのだという。そんなマツコの言葉に、有吉は「まだ信じられない。そんな妖怪みたいなことがあるの?」と半信半疑。久保田直子アナも「私も信じられない」と同調した。

 私も周囲でそういう話を聞いたことがないので、理屈としてはわかるけれどそんなに言うほどのことだろうか……と思っていた。いや、事前にそんなことを思っていたというのは正確ではない。このあと、番組ではマツコの提案で“検証”が行われることになるのだが、その映像に動揺したことで、私は自分がマツコの話をそこまで信じていなかったことに気づいた。

 番組が用意したあんかけ料理をマツコが食す。1回、2回、3回とレンゲを口に運ぶ。すると、マツコが掲げたレンゲからはサラサラの液体が。器の中のあんは、たった3口で溶けてただのスープになってしまった。

 想像以上の出来事に、有吉は絶句。「俺知らなかった、この人たちの悩みを。俺、何してたんだと思うね」と語り、「頭が下がります」とマツコに頭を下げた。おそらく、マツコと同じような現象が起こる人は少なくないのだろう。そんなテレビの前の“同志”に向かって、マツコは洒落っぽく呼びかけた。

「みんな勇気をもって立ち上がって。ひとりで抱えてないで!」

 身近な食事。誰でも食べたことがあるあんかけ料理。そんなありきたりのものでも、体質によって異なる現象が生じるという事実。あまり聞いたことがなかったので、ちょっと衝撃を受ける映像だった。

 年末に放送される『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)も準決勝の進出者が先週発表され、あのコンビが通った、あのコンビが落ちたと、今年もお笑い好きの間では話題が尽きない。

 で、2年連続でM-1決勝に進出し、今年も期待がかかるオズワルドが、18日の『やすとものいたって真剣です』(朝日放送)に出演していた。過去に出演した回の未公開トークが放送された形だ。

 伊藤俊介と畠中悠からなるコンビ、オズワルド。これまでテレビで目立ってきたのは、どちらかというと伊藤のほうだろうか。バラエティ番組で寝坊による遅刻癖がイジられたり。妹が俳優の伊藤沙莉であることが話題になったり。キャバクラのボーイとして10年間働いていたために土下座がうまいという特技が披露されたり。CMやドラマに伊藤が1人で出ていたこともあった。バラエティに1人で出ていることが多いのも、伊藤のほうだろう。

 一方の畠中は、オリジナルで長渕剛のような曲を作るという趣味・特技が披露されることはあるけれど、テレビではどちらかというと伊藤ほどは前に出ない。

 そんな畠中のトークが今回は面白かった。畠中は去年、キャッチにつかまり先輩の作家と初めてガールズバーに行ったらしい。ただ、電車まで時間がなかったので、45分の1セットだけ飲んで帰ることにしたという。しかし、ボーイが提示した会計は3万8000円。高めの金額に引っかかったが、急いでいたので先輩が払いその場はすぐに帰った。

 が、畠中は「さすがにおかしい」と思ったらしい。店に戻って会計の内訳を店員に聞いた。店員はさまざまな根拠を並べ立てた。会計時にはすでに46分が経過していた、サービスで出したテキーラは女の子の分のお金がかかっていた――。しかし、納得がいかない畠中はさらに店長を呼んで話を聞いた。

「僕があまりにも帰らないんで『ちょっと外で話しましょう』って。真冬だったんですけど、外で話してたんですよ」

 店長は「あなたこういうお店初めてかもしんないですけど、だいたいこんなもんですよ。店のメニューよく見たら、これがいくら、これがいくらとか、システムとか全部書いてるんで、これ読んでないあなたが悪くないですか?」と、とくとくと説明したらしい。「裁判とか起こすなら、全然起こしてください」とも主張したという。

 そんな店側の言い分に、畠中は反論した。

「『読んでないあなたが悪いっていうんだったら、僕がお店をつくってあなたがやってきました。入口の扉開けた瞬間に僕がバケツで水をバシャってかけます。うちこういう店なんで、って言われたら納得できますか?』みたいな話を延々として。『そもそも、いいものを提供したいという思いで店をつくったはずなのに、ぼったくりみたいなことをしてお金儲けして、ホントにうれしいんですか?』と。『あなた幼少期ジャンプとか読んでなかったですか? ドラゴンボール読んで、あなたフリーザに感銘受けて大人になったんですか? 悟空ですよね?』」

 結局、店長とは3時間ぐらい話したらしい。もちろん、畠中もお金が返ってくるとは思っていなかった。では、なぜそんなにも粘ったのか。それはひとえに、悔しかったからである。「一矢報いたい」と思ったからである。

「僕は何を言ってもお金返ってこないと思ってたんですけど、でも、一矢報いたいと思って。このまま帰るのは嫌だから。真冬に僕はダウン着てたんですけど、向こうはスーツだけだったんで、なんとか風邪だけひけと思いながら」

 12日の『NEWニューヨーク』(同前)のカラオケ企画では、ガッツリとラップ(BUDDHA BRAND『人間発電所』)を歌っていた畠中。アコースティックギターで長渕っぽい曲を弾き語る姿とのギャップがすごい。なんだか内に秘めたすごいものがありそうな予感。そんな男がガールズバーの店先で見せた粘り腰は、どんな酵素でもサラサラになりそうにない。

  • 11/25 12:00
  • サイゾー

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