中国産のお茶を麻薬と勘違いした国境警備隊、無実の母娘は4か月間も刑務所から出られず(豪)

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豪シドニー在住のコニー・チョンさん(Connie Chong)と娘のメラニー・リムさん(Melanie Lim)は、不当な扱いを受けたとして警察を訴えている。事の発端は今年1月17日、親子が中国から購入したお茶がシドニー国際空港に空輸で到着した際に豪国境警備隊が麻薬と間違えてしまったことによるのだが、今月16日にダウニング地方裁判所で行われた聴聞会ではさらに詳しい事実が判明し、警察のずさんな捜査が浮き彫りとなった。

マレーシア出身のコニーさん親子は、母国で生理痛に効果があると評判の中国産のお茶「九吉公」を中国から購入し、利益を乗せてオンラインで販売しようとした。お茶は個包装されており、コニーさん親子は24個入りの箱を5つ、計25キロを購入していた。

しかし国境警備隊が空港でそのお茶を検査したところ、違法とされる覚醒作用のあるフェンメトラジンが検出されたとのことだ。この事態を受けて、バンクスタウン警察はお茶の中身を無害な物とすり替えてそのままコニーさん宅へ配達させることにした。

そして警察はコニーさん親子がお茶を受け取ったのを見届けると、そのまま自宅を家宅捜査し2人を販売目的による麻薬供給の罪で逮捕した。コニーさん親子は刑務所に勾留された後、終身刑の対象となる罪を犯したとして保釈が一切認められなかったという。

身に覚えのない罪を着せられてしまったことで、コニーさん親子は弁護士のスティーヴ・ボランド氏(Steve Boland)の手を借りることにした。これにより状況は少しずつ好転することになり、のちに国境警備隊の警察が重大なミスを犯していたことが判明した。

バンクスタウン警察は当時、お茶の検査を行った際にフェンメトラジンが含まれていたと判断するには不十分な結果だったにもかかわらず逮捕に至ったことが明らかになった。また『9News』によると、今回の聴聞会でバンクスタウン警察を管轄するニューサウスウェールズ州警察がこの事実を2月に把握していたという。ところがその間もコニーさん親子は保釈されることはなかった。

そして豪連邦警察が動くこととなり、4月の調査で過去に同様のお茶を押収して検査をした際、違法薬物が検出されなかったという経緯があったことが判明し、コニーさん親子が購入したお茶からも違法な物質は確認できなかったそうだ。すぐにこの事実がバンクスタウン警察へメールで伝えられたが、同警察からコニーさん親子へこの事実が知らされたのは5月になってからのことだった。

これによりコニーさん親子はようやく保釈されることになったが、起訴が取り下げられたのは8月に入ってからだった。2人は損害を被ったとして警察を訴え損害賠償を求めたが、警察では2人の賠償金の請求に意義を唱えているとのことだ。

弁護士のボランド氏は、10月5日に行われた裁判で「警察は『誤った起訴のために2人の女性が刑務所に勾留されることとなってしまいました。申し訳ありません』と詫びることができるはずです」と述べた。

また同じくコニーさん親子の弁護士であるベンジャミン・ゴウ氏(Benjamin Goh)は「警察が適切な捜査を行わなかった結果、無実の2人女性が刑務所で過ごすことになってしまったんです。これほどひどい不当な扱いはありません」と語っている。この裁判は引き続き来年3月に行われる予定とのことだ。

画像は『7NEWS 2021年10月6日付「Sydney mum and daughter wrongly jailed for months over tea blunder」(Credit: 7NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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