「“クイズのシステムを発明する”って、大変なんです」作家・矢野了平が絶賛した「ネプリーグ」のコーナーとは?
放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。11月14日(日)の放送では、構成作家の矢野了平さんが登場しました。
(左から)矢野了平さん、高須光聖
◆「ネプリーグ」の“風船を使ったクイズ”を評価
高須:ある日の企画会議のときに「矢野くんが一番悔しかったクイズは何?」って聞いたことがあったよね? そのときは「ネプリーグ」(フジテレビ系)の風船がパーセンテージで割れていく企画(パーセントバルーン)を「あれは見事なんですよ」って俺に力説してたのよ。
矢野:はいはい。
高須:今でもその気持ちは変わってないの?
矢野:変わらないですね。“クイズのシステムを発明する”って、めちゃくちゃ大変なんですよ。
高須:あれは何がすごいの? もう1回説明してくれへん?
矢野:まず、「世の中の何パーセントが〇〇です」っていうクイズは、視聴者にとって一番身近で興味がある内容なんですね。だけど、答えが数字になる問題って珍解答が出ないので、本来はあまり面白くないんですよ。
高須:なるほど。数字と答えのバリエーションがないもんね。
矢野:そうなんです。それを「ネプリーグ」だと、ゲームの世界で数字を物に置き換えているんですよね。“間違えたら風船が割れる”って、生理的にめちゃくちゃ合っているじゃないですか。それで、風船が全部割れたらゲームオーバーになると。
高須:チームメンバーが乗り物から落ちちゃう演出もあるよね。
矢野:視覚的にも合っているし、理にも叶っている。しかも、必要最低限のルールで成り立っているから(絵的にも)綺麗なんですよね。
高須:わかりやすいよね。前に話してくれたときも「ああいうものは、簡単には生まれないんです」て言っていたのを覚えてる。
矢野:余計なルールも演出も乗っけていないですからね。
◆1日300問求められる時代も
高須:矢野くんみたいに、クイズを考える作家ってけっこう多いの?
矢野:いわゆる、昔ながらの構成作家の若手見習いとして、クイズ番組の問題を考える人もいるんですけど、クイズを本業としている作家は若手を含めて10人ぐらいです。
高須:すごいねぇ。それじゃあ寝る暇がないよね。
矢野:いやぁ……大変です(笑)。
高須:しかも、(クイズ問題も)量を出さんとあかんからさ。「足りへん」って言われても、“もう出てこうへんよ……”っていうこともあるやろうし。
矢野:最近ではそういうことはあまりないんですけど、僕の旧友で日髙大介っていうクイズ作家がいるんですね。彼が「クイズ!ヘキサゴンⅡ」(フジテレビ系)でクイズを作っていたときは、「明日までに300問ね」みたいなことを言われていたそうです。
高須:ええ!?
矢野:それに応えていって、(作家としての)信頼を勝ち取っていくみたいな感じですね。それに「クイズ!ヘキサゴンⅡ」は早押しもあるし、ペーパーテストもあるし、いろんなジャンルでバンバンクイズを消化する番組だったので。
高須:それでも300問って……。
矢野:しかも、300問をやっと作って朝に送っても「もうちょっとほしいな、あと100問お願い」みたいな(笑)。そういう時代だったらしいですね。最近はいろんな形式のクイズを求められるので、今の若手の人はさらに大変になっていますね。
高須:なるほどねえ。
<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00~25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/