1000頭のナイルワニが棲む湖に飛び込んだ密猟者、いまだ発見されず(南ア)

ダーバン北部の「イシマンガリソ湿地公園(iSimangaliso Wetland Park)」で11月12日午前9時半頃、この地域を管理しているレンジャーが銃声を聞いた。彼らは応援部隊やヘリコプター部隊を呼んで銃声のするほうへと向かった。その後、ヘリコプター部隊がセント・ルシア湖の湖岸にボートが2隻あるのを発見。密猟者のものであると考え、レンジャーらがこの近辺を捜索した。すると4人の密猟者らしき人物がボートのほうに向かって歩いているところを目撃し、うち1人が銃を携帯しているのも確認できた。レンジャーが彼らに呼びかけると、銃を所持していた男がいきなり発砲したという。

レンジャーらも銃で応戦、4人の男らはそれぞれ違う方向へ逃げていったそうだ。銃声が止んだところでレンジャーらがその一帯を捜索すると、湖に血痕が見つかった。おそらく銃を所持していた男が撃たれ、捕まるのを恐れて湖に飛び込んだのではないかとみられている。

このセント・ルシア湖は南アフリカでもっともナイルワニが生息しており、その数約1000頭とのこと。ナイルワニは平均して体長5メートル、体重220キロにもなり、非常に獰猛で毎年数百人が犠牲となっている。最近の報告ではこの湖1キロ四方にナイルワニが99頭もいたそうで、飛び込んだ男はワニに食べられた可能性も否めない。11月17日にはダイバーが湖に潜って捜索したがそれでも発見にいたらず、他の3人も見つかっていない。

野生動物保護団体「エゼムベロ KZN ワイルドライフ」のムサ・ムンタンボさん(Musa Mntambo)によると、密猟者はこの地域で大きな問題となっており、2か月前にもシロサイが角を斬り取られる被害に遭った。またここ10年で増えているのがカバの密猟で、その肉や歯が狙われているのだが、特に歯は象牙の代替品として取引されているという。

画像は『IOL 2021年11月21日付「Five-day search for wounded ‘poacher’ yields no results」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

2021/11/22 14:57

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