斬新デザインが際立つ「最高級MA-1」が歴史的な名作である理由

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―[MBのヘビーユース108(心底惚れ込んで愛用しているアイテム)]―

◆106/108 Jean Paul Gaultier エディション Dr.Woo フライトジャケット(sacai)17万9500円

 飛ぶ鳥を落とす勢いで人気のsacai。コム・デ・ギャルソン出身のデザイナー、阿部千登勢氏が手がけるブランドです。

 特徴は秀逸なバランスのドッキングデザイン。テーラードジャケットとMA-1、ニットとGジャンなど異なるアイテムを掛け合わせ新しい価値を提示しています。

◆現代ブランドが当たり前に使う手法を最初に広めた男

 さて、そんなsacaiが近年、コラボレーションしたのがジャン=ポール・ゴルチエ。

 ’80年代を代表するデザイナーで、本国フランスではデビューが早かったことから「アンファンテリブル(恐るべき子供)」という異名をつけられ、国を代表するデザイナーとして人気を得ています。

 通常は隠すべき部分である縫い合わせをあえて表側に出す「インサイドアウト」や、転写プリントを用いた「トロンプルイユ(だまし絵)」など、現代ブランドが当たり前に使う手法を最初に広めた人物です。

◆オリジナルを作っているのは今やゴルチエだけ

「誰かのコピーではないオリジナルを作っているのは今やゴルチエだけ」と評価する人も多い現代デザインのパイオニア。

 しかしながら、ライセンスビジネスを強化した結果、日本ではヴィジュアル系バンドの服と認知されてしまった時代も(日本のゴルチエは本国のデザインとはまったく違っていた)。

 こうしてブランド価値が徐々に毀損されていき、最終的に商業的な成功を見なかった不運の天才でもあります。

◆スリット入りの斬新なMA-1デザイン

 そんなゴルチエとsacaiのコラボレーションがこちら。sacaiらしいサイドがバックリと開いたスリット入りの斬新なMA-1デザイン。

 表地にプリントされているのはゴルチエらしい、タトゥーアーティストの作品。

「本来肌(内側)に入れるタトゥーをアウター(外側)に入れる」というゴルチエらしいインサイドアウトの発想を応用したデザインになっています。

◆服飾史が凝縮したような名作アウター

 現代のファッションビジネスで大成功を見ているsacaiがベースデザインを作り、過去のファッションシーンで時代をつくったゴルチエが装飾を決めるという、胸熱展開な服。

 服好きならこのアイテムに「旧作新作の仮面ライダーが結集した映画」のような高揚感を覚えるでしょう。

 服飾史を感じることができる珠玉の名作。もはや飾るだけでも満足です。

商品、衣装/すべて私物 撮影/林 紘輝(商品) 岡戸雅樹(人物)

―[MBのヘビーユース108(心底惚れ込んで愛用しているアイテム)]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』ほか関連書籍が累計100万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)

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  • 日刊SPA!

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