デート中のカウンター席で、見たくなかった彼の“アノ部分”を見てしまい…
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「女がデート中に冷めた理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:デート中に“スタイルいいよね”と褒めたら…、女が途端に、男に対して態度を変えたワケ
「はぁ。またダメだったか…」
和樹とのデートの帰り道。私はタクシーのなかで1人、大きくため息をついた。
彼の顔を思い出しながら、今日のデートを振り返ってみる。
最初はすごくいいなと思っていた。40歳手前の経営者で独身。話やすいし、優しそうな人だと思っていた。
だが今日のデートで、私の気持ちは瞬間冷却された。
「なんだかなぁ…」
たぶん、本人は気がついていない。あんなにも楽しそうに話していたし、まったく悪気もないだろう。
だが女子からすると、デートでされるとかなり嫌な話題…このワードを言われた瞬間に、冷めるのだ。
最初はよかったのに…初デートで男が言いがちなNGワードとは?
A1:“モデル”とわざわさ出すのはダサくない?と思っていた。
和樹と出会ったのは、知人が開催してくれた食事会だった。
ようやく緊急事態宣言が明け、久しぶりの食事会。私は気合を入れて参加した。
和樹はスーツだったけれど、仕立ての良いものだった。そしてカフスからさり気なく高級腕時計が見える。
しかも、話も面白い。
― おや、これはいい人に出会えたかも♡
そう思っていた。だから男女1対1で別れて話し始めたとき、私は積極的に和樹に話しかけたのだ。
「じゃあ和樹さんは、1年くらい彼女がいないんですか?」
現在独身か、またその場合は彼女の有無を確かめたかった。すると彼からはわかりやすい回答が返ってきた。
「そうなんだよね〜。モデルの彼女に振られちゃって。弥生ちゃんは?」
― うわ。この人もしかして、モデル好き…?
心のなかでツッコミながらも、顔には出さない。これくらいステータスがある人だったら、きっといろいろな女性が寄ってくるのだろう。
「私は3ヶ月前くらいに別れたばかりです」
「そうなの!?最近だね。ちなみに弥生ちゃんって、どういう男性がタイプなの?」
和樹が食いついてきたので、私は咄嗟に彼を観察する。
洋服に気を使っていて、少しガッシリした体格で、経営者。オシャレだし美味しいものを食べていそうだなという推測で、私は和樹に当てはまりそうな答えをいくつか出した。
「私は優しくて、食の好みが合う人かなぁ。ガタイがよくて、あとはセンスがいい人!」
すると、和樹はわかりやすく嬉しそうな顔をしてくれた。
「わかる!食事が合うって大事だよね」
「和樹さん、美味しいお店たくさん知ってそうですよね」
「まぁ一応、ね。弥生ちゃんは何が好き?今度どこか行こうよ」
「本当ですか?和樹さんおすすめのお店なら、どこでも♡」
こうして、私はしっかりデートに漕ぎつけた。
「あの。連絡先聞いてもいいですか?」
「もちろん!連絡するね」
「嬉しい♡ご連絡、お待ちしていますね」
だが結局私は1回デートへ行き、すっかり冷めてしまったのだ。
色々とテクを駆使して落としてみたけれど…女が冷めた理由は?
A2:元カノの話が、正直ちょっと気持ちワルかった…。
そして迎えた初デート。和樹は『八雲 うえず』を予約してくれていた。
「このあたり、あまり来ないんですけどこんなに素敵なお店があったんですね〜」
「そうなんだよね。ここのご主人は元々『菊乃井』さん出身で」
「へぇ!さすが和樹さん、お詳しいですね」
華やかで、繊細な料理に舌鼓をうつ。だがこの後、デートはあらぬほうへと向かっていった。
「弥生ちゃんは、なんでこんなに可愛くてスタイルもいいのに彼氏がいないの?」
「そんなことないですよ〜。そういえば、和樹さんは何で前の彼女と別れたんですか?」
「とにかく結婚がしたかったみたい。僕も悪かったんだけど、のらりくらりしていたら、他の男と結婚しちゃったんだよね」
彼はハッキリ言わなかったが、女から見ると明らかだった。
― 浮気されたのか…。
そう思っていると、和樹は急に自慢気に語り始めた。
「でも未だに僕のことが好きみたいで、たまに連絡は来るよ。軽くご飯に行ったり、お茶をする程度だけど」
― え?今その話、いる??
「和樹さん、愛されてますね」
「いや、どうなんだろう?旦那さんの愚痴を聞かされているだけだけど(笑)」
今日は初デートだ。元カノと今でも仲良く会っていると言われても、どう反応していいかわからない。
でも元々、聞いたのは私。だから気にしないでおこうと思った。けれどこの話は終わらず、和樹はさらに言い出した。
「弥生ちゃんは?どういう人と付き合ってきたの?」
「私は全然、普通の人たちですよ。和樹さんの周りは綺麗な女性が多そうですね!」
「まぁ前の彼女がモデルだったからね…。胸も大きくて脚も細くてスタイルは良かったなぁ」
― 元カノの胸の話とか、本当にいらないんだけど…。
初デートで元カノの胸の話を聞くのは、かなり気分が悪い。
「羨ましい!そんなスタイル、どうやったらなれるんだろう?」
そう反応するのが精一杯だった。元カノの、しかも胸の話を、今のデート相手の前で話す無神経さ。
いい年をした男性が、やたら「元カノはモデル」と主張してくるところもかなりイタい。
「和樹さんの好きなタイプって、どういう女性なんですか?」
「僕はあまり身長が高くないから、逆に高身長で細身の女性が好きかも。弥生ちゃんも、すごくスタイルいいよね」
私は身長がそこまで高くない。
「全然ですよ〜。私は身長が低くいので…」
「バランスがいいから、身長が高く見えるよね」
和樹の言葉が、虚しく響く。それと同時に、白けてきた。
「ありがとうございます。和樹さんもですけどね」
和樹自身が驚くほどカッコよければ説得力もあるかもしれないが、正直“そこそこ”である。
何より、がっしりとした体型と言えば聞こえはいいかもれないが、カウンター席で隣り合って座ると、ぽよんと出たお腹も目立っているのだ。
私は別にお腹が出ていようが、身長が高かろうが低かろうか気にしない。
だが本人は高身長の女性を好み、スタイル抜群の女性を好む。
― なんで、女性の容姿のことばかり言うんだろう?中身で見ないのかな?
綺麗な女性が好きなのはわかる。けれど理想が高く、見栄で女性を選んでいることがバレバレで、思わず引いてしまった。
「どうしよう?もう1軒行く?」
「行きたい気持ちはあるんですけど、明日朝が早くて…。また改めて行きませんか?」
そう言いながらも、私の心はすでに決まっていた。このデートで、すっかり冷めてしまったのだ。
― まぁ次はないかな。
初デートで、元カノの話は避けるに限る。
また女性の容姿のことをやたら言う人がいるが、褒め言葉を含んでいたとしても、なるべく避けたほうがよい。
そういう男は器が小さく感じるし、私に限らず、女性は決していい気がしないだろう。
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カッコいいはずなのにモテない男の謎