菅田将暉&小松菜奈も。「ここぞ」の場面で“直筆”にする効果とは? 結婚、離婚、引退、謝罪etc.

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 俳優の菅田将暉と女優の小松菜奈が15日、結婚したことを発表した。その方法は、SNSと所属事務所を通じて「直筆」でコメントを出すというもの。

 近年、芸能人が結婚や離婚、引退や謝罪など「転機」の場面では直筆でコメントを発表することが多くなった。そもそも、なぜ「ここぞ」という場面では直筆にする芸能人が多いのだろうか。

 そこで心理戦略に詳しく、『IQ150の心理戦略コンサルタントが教える秒速で人を操る心理話術』(大和書房)などの著書がある心理戦略コンサルタントの山本マサヤ氏に、直筆でコメントを書くことにより期待できる効果を聞いた。

◆直筆の報告をする芸能人が多い理由「手書きの方が気持ちが伝わる」

 芸能人は「ここぞ」という場面でコメントを直筆にする。じつは「気持ちを伝えるには手書きが効果的であることが様々な研究で明らかにされている」と山本氏は話す。

「人は書かれた文字から相手の印象や性格、能力を読み取ろうとし、相手が真剣な気持ちなのか、謝る気があるのかなどを無意識のうちに判断しているからです。

『ありがとう』という言葉をパソコンで書いた場合と手書きで書いた場合では、手書きで書いた方が感謝の気持ちが伝わるという評価がされます。逆にパソコンの文字では相手の気持ちが読み取れず、『誠意が伝わらない』と言われてしまうこともあります」(山本マサヤ氏、以下同)

◆デジタルの時代だからこそ、“手書き”に誠意を感じる人たち

 芸能人たちがそうした研究結果を知って直筆報告をしているかどうかは不明だが、無意識のうちに手書きの文字に「気持ち」を感じる人が多いのだろう。

「感謝や謝罪の手紙を手書きで書くと、体力的にも時間的にも労力がかかります。その労力によって相手の気持ちをおし測ろうとする人が多いことは事実です。

 手書きの文字とパソコンなどで打ち込んだ文字を受け取った際にどちらの方が『感謝の気持ちを感じられるか』を評価した実験では、手書きの方が、相手のかけてくれた労力に対して感謝の気持ちが強く認識されるとしています。これを心理テクニックでは『返報性の法則』と呼びます」

◆芸能人のコメントも「全文直筆」と「名前のみ直筆」がある

 しかし、人によっては全文直筆の場合と、文面は印刷で名前だけが直筆のパターンがある。これはどのような理由が考えられるのだろうか?

「事務所がタレントに与える裁量や事務所の文化などいろいろな理由があると思いますが、文章を書いては直しを繰り返し、上司などにチェックしてもらうために共有することを考えた場合、パソコンやスマホを使った方が便利です。

 なので、最終的に完成したものは、多くの人のチェックを通って印刷され、紙になります。そこにタレントが直筆でサインして『自分の言葉で書きました』という証となる。そんな流れがあるのではないでしょうか」

 公式コメントを発表する際の事務所側の都合は理解しつつも、山本氏は「本当に誠意を伝えたいのであれば、文章が決まった後に手書きすれば良いとも言えますし、心理戦略的にも完成した文章を手書きで書くという方法が良いでしょう」と、やはり全文を手書きすることを推奨する。

◆字が汚いと逆効果になる場合も

 また、日本では「誠意を伝える時は手書き」という考え方が根付いており、それを怠ってしまった場合に批判される可能性があることも、多くの報告文が直筆でされる要因として考えられるという。

「手書きでなければならないという『あるべき姿』を裏切ってしまったことによる炎上は、SNSを見るとたまに起きています。例えば名古屋市の河村たかし市長が東京五輪ソフトボール日本代表の金メダルをかじって抗議が殺到した際に出した謝罪文。

 あれは手書きだったにもかかわらず、乱雑な書き方や漢字で書くべきところをひらがなで書くなどしたことから、さらに炎上しました。これも『手書きなら丁寧に書くべきだ』という期待を裏切ってしまったことによるものです」

 河村たかし市長の例からもわかるように、たとえ誠意を込めたつもりの直筆であっても、字が汚い場合は逆効果になってしまうこともある。

「実際、同じ文章でも字が綺麗かどうかで相手が受け取る印象が異なるということがわかっています。同じ文章を綺麗な文字で書いたグループと汚い文字で書いたグループで、そのレポートに対する評価にどのような変化が表れるか実験されたものがあります。

 その結果、同じ内容でも文字が綺麗な方が文章の評価が高い・心がこもっている・温かいと評価される傾向にあることが分かっています。ご想像通りかもしれませんが、やはり字は綺麗な方が良いです」

 こうした事実は就職活動などでも使えるという。近年、エントリーシートはデータで作成することも増えてきているが、やはり手書きの方が誠意が伝わるのだ。

「私も新卒の就活で本命の会社に送るエントリーシートは手書きで書いていました。エントリーシートや謝罪・感謝の手紙など、自分の気持ちを相手に伝える必要がある場合は、手書きの方が心理戦略的には良いと言えます」

◆菅田将暉は「文字が太すぎる」と指摘されたが……

 ちなみに、冒頭で触れた菅田将暉は自身の直筆の報告文について、ラジオ(菅田将暉のオールナイトニッポン)のリスナーから「使用したペンが太すぎて読みづらい」という指摘を受けたことが話題になった。

 こうした文字の太さや大きさによってもその受ける印象や相手への効果は変わるのだろうか?

「文字サイズによって、相手が書き手に対してどのような印象を持つかについても研究が行われており、文字サイズが大きいと『外交的である・開放的である』という印象を持たれることがわかっています。そのため、新しい旅立ちのような多くの人の共感を得たい場面では、太い文字の方がいいかもしれませんね」

 このように相手の印象を大きく左右する手書き。デジタルの時代だからこそ、「ここぞ」の場面では伝わる想いも確かにあるようだ。

【山本マサヤ氏】
心理戦略コンサルタント、MENSA会員、日本大学大学院 人間科学。心理学を使った企業コンサルタントとして活動。IQが世界の上位2%の高IQ者が所属するMENSAの会員。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』(ビジネス書グランプリ2020ノミネート、中国語&韓国語版発売)と『IQ150の心理戦略コンサルタントが教える秒速で人を操る心理話術』がある。Twitter, Instagram, YouTubeで情報発信中。

<取材・文/松本果歩>

【松本果歩】
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA

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