「スタイルいいよね」と褒めた途端、女が凍りついたワケ
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:触って、褒めて、持ち上げて…。すべてのモテ技を使っても、男がなびかなかった理由
「弥生ちゃん、今度新しくできた鮨屋に行かない?絶対に弥生ちゃんが好きな感じだと思うんだよね」
デートの最後、僕は彼女を次のデートに誘った。彼女も僕に好意を寄せてくれているだろう、そんな自信があったのだ。
「いいですね!ありがとうございます♡」
男から誘うのも、勇気がいるものだ。だから彼女が笑顔で次のデートを快諾してくれて、ほっと胸をなでおろした。
だがこのデートから数日後、日程を調整しようとすると、彼女はこう言ってきたのだ。
― 弥生:ごめんなさい、今月は忙しくて…。
結局、これ以降彼女からの連絡は途絶えてしまう。
果たして、僕はなぜ振られてしまったのだろうか?
デートはしていたのに、女が男と交際をしなかった理由は?
Q1:初対面の時から、女が実は気になっていた点は?
弥生と出会ったのは、食事会だった。ここ数年はこんな機会がなかったため、久しぶりの出会いの場に期待は膨らんでいた。
僕は今年で40歳になる。身長は少し低いかもしれないけれど、経営している会社は順調で、業績もいい。住まいも給料も、かなりいい部類に入るだろう。
「はじめまして、弥生です」
気合を入れている僕に友人が連れてきた弥生はとにかく美人で、照明が落とされた店内でも彼女の美貌は輝いていた。
少し小柄だけれどスタイルの良さがわかる、洗練された服装が彼女の雰囲気にとても合っていて、一瞬で目を奪われた。
ほかのメンバーともすぐ打ち解け、ワインも食事も美味しくて、会はとても盛り上がった。
だが最初は男女2対2、合計4名でテーブルを囲んでいたのに、食事の終盤に差し掛かる頃には自然と、僕と弥生、そしてもう2人という組み合わせになっていた。
「じゃあ和樹さんは、1年くらい彼女がいないんですか?」
「そうなんだよね〜。モデルの彼女に振られちゃって。弥生ちゃんは?」
「私は3ヶ月前くらいに別れたばかりです」
「そうなの!?最近だね」
3ヶ月前に別れたということは、今はフリーである。お互い独身だし、僕から積極的にアプローチしても問題はないだろう。
「ちなみに弥生ちゃんって、どういう男性がタイプなの?」
「私は優しくて、食の好みが合う人かなぁ。ガタイがよくて、あとはセンスがいい人!」
そう言うと、弥生は明らかにチラッと僕のほうを見てきた。
― これって、何かのサイン?
ジムやサウナへ通っているため太ってはいないが、体格はいいほうだと思う。身長が低い分は体格でカバーしているのだ。“ガタイがいい”とは、まるで僕のことを言っているかのように聞こえた。
「わかる!食事が合うって大事だよね」
食にも自信がある。センスも悪くはないと思う。今日のスーツは贔屓にしているブランドで買ったものだし、腕時計もちゃんと高級なものをつけている。弥生の好みに、僕は当てはまっているようだ。
「和樹さん、美味しいお店たくさん知ってそうですよね」
「まぁ一応、ね。弥生ちゃんは何が好き?今度どこか行こうよ」
「本当ですか?和樹さんおすすめのお店なら、どこでも♡」
目をキラキラさせながら、僕を見つめてくる。これは確実に好意のある視線だ。しかもこの会話の直後、弥生は小声でこう言ってきたのだ。
「あの。連絡先聞いてもいいですか?」
「もちろん!連絡するね」
「嬉しい♡ご連絡、お待ちしていますね」
こうして僕たちは連絡先を交換し、約束通り、翌々週に2人で食事へ行くことになったのだ。
積極的に女の方から近寄ってきたはずなのに…女がデートで一気に冷めた理由は?
Q2:デート中に女が“無理だ”と思った理由は?
初デートは、僕なりに気合を入れた。できるならば今夜、しっかり決めたい。
だから最近少し気になっていたお腹を引き締めるため、食事前にジムへ行き、サウナで整えてから店へと向かう。
店はグルメな弥生でも満足してくれそうな、今年できたばかりの『八雲 うえず』。カウンターで隣り合って座り、デートが始まった。
「このあたり、あまり来ないんですけどこんなに素敵なお店があったんですね〜」
「そうなんだよね。ここのご主人は元々『菊乃井』さん出身で」
「へぇ!さすが和樹さん、お詳しいですね」
グルメ話も一通りすると、お互いの話に移る。
「弥生ちゃんは、なんでこんなに可愛くてスタイルもいいのに彼氏がいないの?」
「そんなことないですよ〜」
謙遜する彼女もまた、とても可愛い。
「そういえば、和樹さんは何で前の彼女と別れたんですか?」
「とにかく結婚がしたかったみたい。僕も悪かったんだけど、のらりくらりしていたら、他の男と結婚しちゃったんだよね」
「え〜…。その彼女さんも、見る目がないですね」
さっきから、やたらと僕を持ち上げてくれる弥生。
― そんなに僕のことをいいと思ってくれているのかな?
そう思うと嬉しくなり、彼女に心の広い男だと思われたくて、僕は笑顔で元カノとの関係性がいいことをつけくわえた。
「でも未だに僕のことが好きみたいで、たまに連絡は来るよ。軽くご飯に行ったり、お茶をする程度だけど」
「和樹さん、愛されてますね」
「いや、どうなんだろう?旦那さんの愚痴を聞かされているだけだけど(笑)」
とはいえ、そこまで頻繁に会うわけではない。僕のなかではただのいい思い出になっているため、次の恋に進みたかった。
「弥生ちゃんは?どういう人と付き合ってきたの?」
「私は全然、普通の人たちですよ」
もっと探りたかったが、上手に弥生にかわされてしまった。
「和樹さんの周りは綺麗な女性が多そうですね!」
「まぁ前の彼女がモデルだったからね…。胸も大きくて脚も細くてスタイルは良かったなぁ」
「えー羨ましい!そんなスタイル、どうやったらなれるんだろう?」
弥生はそう謙遜するが、彼女もスタイル抜群だ。小柄だけれど、バランスがいいのだ。
「和樹さんの好きなタイプって、どういう女性なんですか?」
「僕はあまり身長が高くないから、逆に高身長で細身の女性が好きかも。弥生ちゃんも、すごくスタイルいいよね」
「全然ですよ〜。私は身長が低いので…」
「そうなの?バランスがいいから、身長が高く見えるよね」
「ありがとうございます。和樹さんもですけどね」
「そうかな?」
結局そんな会話を繰り返しながら、僕たちのデートは終わった。
「どうしよう?もう1軒行く?」
「行きたい気持ちはあるんですけど、明日朝が早くて…。また改めて行きませんか?」
「そっか、そうだよね。今度は新しくできた鮨屋に行かない?絶対に弥生ちゃんが好きな感じだと思うんだよね」
「いいですね!ありがとうございます♡」
こうして解散した僕たち。このあと何度かやりとりしたものの、弥生からの連絡は途絶えてしまった。
― ん?なんでだ??
デート中は楽しかったし、むしろ弥生のほうが積極的に質問してきて、グイグイきていたように思う。
それなのにどうして、彼女は僕とデートをしてくれないのだろうか…?
▶前回:触って、褒めて、持ち上げて…。デートの正解を全て駆使したはずなのに、男がなびかなかった理由
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女が一気に冷めた理由は?