毎年恒例カニの大移動 専用の橋を渡り海へ向かう光景に「地球上で最も驚くべき出来事の1つ」(豪)

カニの大行進が見られるのは、豪西部パースから北西約2600キロのインド洋に浮かぶクリスマス島だ。現在約2000人の住民が暮らしているクリスマス島の大きさは約135平方キロメートルで、東京都の2193.96平方キロメートルと比較すると小さな島であることが分かる。

普段は森の中に生息しているこの真っ赤なカニ(アカガニ)たちは、交尾や産卵を行うために雨季が始まる10~11月頃から一斉に海に向かって移動を始める。最初に雄ガニが動き出した後に雌ガニが続き、何百万匹というカニたちが行進していく。

潮風に導かれるようにして海へ向かうカニたちは、道路や民家の前なども関係なく一直線に突き進んでいく。道路が赤く染まってしまうほど大量のカニが現れるため車の通行ができなくなり、この時期は一部の道路が封鎖される。毎年のことなので「カニの大移動のためこの先通行禁止」と書かれた専用の看板まで作られている。

しかし全ての道路を封鎖してしまうと、地元民たちの生活が成り立たなくなってしまう。そこで一部の道路にはカニ専用の大きな橋が架けられている。道路の両側にはカニが横断してしまわないように壁を作り、カニたちは必然的に橋を利用して道路を渡ることになる。

それでも封鎖していない道路を渡ってしまうカニがいるため、島内の国立公園スタッフや住民がカニを道路上から救出しているという。

この光景を自ら撮影した動物・植物学者であるデイヴィッド・アッテンボローさん(David Attenborough)は「大きなスカーレット色のカーテンが、崖や岩を下って海に向かっていくようだ」と表現している。「地球上で最も驚くべき出来事の1つだ」とも話すデイヴィッドさんは、これまでに撮影した映像の中でもトップ10に入ると明かし、自然が成す壮大な光景に感嘆していた。

カニたちは海へ到着すると水分補給のために水浴びし、そして産卵する。その後は再び自分の巣へ戻るため、一斉に森の方に帰るという。このイベントは数週間に及ぶもので、この時期は住民たちも注意深く運転しているそうだ。

この大行進を捉えた映像がSNSでシェアされると、「これは本当に素晴らしい光景」「ちゃんと橋の使い方が分かっているんだね」など驚きの声があがっている。

またあまりの数の多さに「ホラー映画に出てきそう」「一部の人にとっては悪夢の映像だね」など怖がる人がいたり、「みんなで歩いているのが可愛いね」「何匹か反対方向に歩いている子に『間違っているよ』って教えてあげたい」などこの映像を楽しむコメントも届いている。

なお過去にはクリスマス島にて、バーベキュー中に体重約4キロの巨大なヤシガニが大量に現れたという出来事も話題になっていた。

画像は『Metro 2021年11月18日付「Millions of red crabs close roads during stunning migration towards ocean」(Picture: Parks Australia/Reuters)(Picture: Reuters)』『9News 2021年11月17日付「Millions of flame red crabs begin annual migration on Christmas Island」(Parks Australia)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2021/11/20 4:00

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