吉沢亮「青天を衝け」号泣の撮影「最後まで無我夢中」大河ドラマ初主演で得たもの

【モデルプレス=2021/11/20】大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合、毎週日曜よる8時~)で主演を務める俳優の吉沢亮が、このほど行われた取材会に出席。共演者とのエピソードや、大河ドラマ初主演を振り返って今感じていることなどを語った。

◆吉沢亮主演「青天を衝け」

大河ドラマ第60作となる今作は、新一万円札の顔としても注目され、“日本資本主義の父”と称される渋沢栄一が幕末から明治へ、近代日本のあるべき姿を追い続け、時代の渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも高い志を持って未来を切り開いていく姿を描く。

第40回(12月19日)と最終回の第41回(12月26日)は、それぞれ15分拡大で放送。「日本を守る」という強い意志を胸に世界へ飛び出し、すべての人が手を取り合うため、栄一は挑戦を続ける。

◆27歳の吉沢亮が演じた“91歳”「渋沢栄一」を生きた1年を振り返る

― 放送も残すところわずかとなりました。終盤の見どころや魅力をお聞かせください。

吉沢:栄一が置かれる立場や状況は変わっていくのですが、最後まで落ち着くことなく何歳になってもずっと情熱を持ち、時には空回りして、というスタイルは良い意味で変わらないので、その熱量を保ちながら最後まで突っ走れる気がしています。これから皆さんが知っているような、渋沢栄一が残した功績の部分がどんどん描かれていくので、話は難しくなっていきますが、より親しみやすくなっていくと思います。

― 91歳までを演じており、現在27歳の吉沢さんにとっては未知の年齢だったのではないかと思います。演じる際に、立ち振る舞いや声質など意識したことはありますか?

吉沢:あまり年齢を意識しすぎると、どうしても栄一としてのエネルギーや勢いみたいなものが落ちてしまうので、未だに迷いながら監督と相談して演じています。声質もそうですが、話し方のスピード感や身体の動き、後ろを振り返る時に首だけでなく体全体で振り返るなど、歳を重ねていくお芝居を細かく作って、良い塩梅を常に探っています。

― 終盤では家族との時間も濃密に描かれていくようですが、吉沢さんから見た後妻・兼子らはどのような家族ですか?

吉沢:第32回の放送でも母・ゑい(和久井映見)から言われていたように、栄一は外ばかりを気にして意外と目の前のことが見えていないんです。幼い頃から、世の中を変えなければいけないということに意識がいっている分、家族との付き合い方が本当に不器用で、僕自身も台本を読んでいてつっこみたくなるような瞬間が多々あります(笑)。そんな栄一に振り回される家族が描かれるのですが、その姿が面白おかしく映ればいいなと思っています。

兼子さんは本当に素敵な方です。お千代とは全然違う雰囲気で、お千代とは違う強さを持っています。お千代は奥さんであり、母のような存在でもあり、栄一が甘えたくなるような女性だと感じていたのですが、逆に兼子さんは奥さんではあるけれど、プライベートの面でも仕事の面でもパートナーとして対等な関係性で、良い距離感のある夫婦です。栄一にとっては2人との距離感が全然違うので、それぞれの良さがあってすごく良いなと思います。

篤二(泉澤祐希)は一番難しいです(笑)。栄一が「すごい」と言われすぎて、息子としてプレッシャーに押しつぶされていく篤二にどう接したらいいのかわからないという…。実際に僕に子供がいるわけではないので、そこのリアルな感情を理解するのは難しいのですが、その距離感は男特有のウジウジした感じがあるのかなと想像しています。孫の敬三は、栄一の暴れん坊具合を受け止めてくれる優しい男なので、敬三には結構ワガママを言っています(笑)

◆吉沢亮、“妻・お千代”との別れに「号泣」 喜作とのシーンにも感極まり涙

― お千代とのお別れのシーンで感じたことや思いをお聞かせください。

吉沢:当初からずっと支えてくれていたお千代との別れはつらかったです。「このシーンを撮影したら終わっちゃうんだ」という寂しさと、シーン自体の重さで号泣しました(笑)。今まで登場人物の死を描く時には、悲しくもあるけれど、その人の人生の美しさなど、どこか前向きなものとしてとらえられていたのですが、お千代の死に関しては急すぎたので、悲しさしかなかったし、なかなか衝撃的でした。

― 栄一とお千代のシーンは素敵なシーンがたくさんありましたが、思い出深いシーンはありますか?

吉沢:素敵なシーンが本当にいっぱいありました。2人で語っているシーンもすごく良かったし、『青天を衝け』序盤の放送でも、さっきまで見ていた夢の話をするシーンがあったのですが、そのシーンはすごく印象に残っています。

― お千代がいなくなってしまったことで、初期から一緒なのが喜作だけになりますが、高良健吾さんとの共演はいかがでしたか?

吉沢:本当に喜作以外はみんないなくなってしまったので、なかなか寂しいなと思いながら高良さんとお芝居をさせていただきました。高良さんはずっと映画などの作品で見させてもらっていた役者のひとりなので、一緒にお芝居をさせていただいて、やっぱり素敵だなと思いました。役として生きることにものすごく真摯に向き合っている方で、台詞ひとつにしても「喜作だったらこうだったかな」と後悔されたりしているくらい、本当にひとつひとつに向き合う姿勢をそばで見ていて、すごい集中力だなと感じました。僕は喜作がいるだけですごく安心するし、一番近くで支えてくれていたのがお千代と喜作なので、この2人は僕にとって特別な存在です。

― 第31回の喜作との再会シーンで、2人が泣いている姿がお芝居を超えていたように感じ、とても印象に残っています。

吉沢:台本に「泣く」とは書いていなかったと思うのですが、泣いてしまいました(笑)。喜作があんなふうに振る舞う姿を今まで見たことがなかったので、僕自身も思わず感極まりました。

― すごく素敵でした。高良さんとの共演シーンのほかに、“お芝居を超えた”“気持ちが高ぶった”ようなシーンがあれば教えてください。

吉沢:基本的には台本にそって演じるのですが、“この人だからこそ生まれた化学反応”の話で言うと、イッセー尾形さんとのシーンです。コミカルで憎たらしい三野村とのお芝居は本当に楽しかったし、「役ってあそこまで広がるんだ」ととても刺激を受けました。三野村が敵なのか味方なのかわからず、栄一としては警戒している人物ではあるのですが、僕自身は三野村が好きすぎて、その愛が画面に出ていたのではないかなと思います(笑)

◆吉沢亮、草なぎ剛から受けた刺激「2人だからこそ生まれるものだった」

― 栄一と慶喜の関係性もすごく素敵だと感じているのですが、慶喜役の草なぎ剛さんとは、役を通してこの1年でどのような変化がありましたか?

吉沢:栄一と慶喜の関係性に引っ張られているのかはわからないのですが、僕は草なぎさんといると緊張してしまって、撮影の合間に話すことはあまりありませんでした。終盤になって2人で取材する機会もあったのですが、僕はその度にだいぶ緊張しています(笑)。距離感は共演当初からあまり変わっていませんが、その緊張感も程よくお芝居にのっていたのかなという気もしているので、それはそれで良かったです。

草なぎさんのお芝居は本当に何が出てくるのか想像がつかないので、演じていて良い意味で不安になるし、揺さぶられる感じがありました。相談して作り上げるというよりは、お互いから出たものをその場で拾って返すキャッチボールのような空気感だったので、他の共演者の方とのシーンに比べると少し特殊だったのかもしれません。

― 草なぎさんは、吉沢さんと共演してすごく刺激を受けたと話していました。吉沢さんは草なぎさんとの共演がご自身の俳優人生でどのようなものになりましたか?

吉沢:セリフの間を詰めたり、空けたり、声を荒げたり、皆さんそれぞれお芝居をする上でのプランがあると思うのですが、草なぎさんはそれがまったく読めないんです。その場でしっかり慶喜として存在していて、草なぎさんの存在がゼロになるので、何を考えているのかわからず不安になるのですが、僕にとってはそれがすごく良い方向に引っ張っていってもらえるし、草なぎさんとお芝居をしている瞬間にしか生まれない緊張感があって、同じ仕事をしている人間としても「すごいな」と思うことばかりで、本当にたくさん刺激をいただきました。

― 草なぎさん流のお芝居の仕方を吸収し、吉沢さんが今後役を演じるうえで変わっていく部分もあるのでしょうか?

吉沢:あれは草なぎさん特有のものであって、僕が同じことをやれと言われても絶対に真似できないと思います(笑)

◆吉沢亮、“平成生まれ初の大河主演”経て得たもの―

― 長い間栄一を演じていますが、大河ドラマの大変さや面白さなど、今改めて感じていることをお聞かせください。

吉沢:大変さでいうと、一番は台詞量です。栄一がとてもおしゃべりな役というのもあるのですが、とんでもない台詞量を短期間で覚えて一気に消費するというのを1年以上繰り返していたので、なかなか他の現場では味わえない苦労がありました。でも物理的に追い詰められながらも、クオリティの高いものを出し続ける、役者としての基礎のような部分がすごく鍛えられた気がします。1年以上かけてひとつの役を演じ続けると、役が自分に染み込んで、何もしなくてもその場に栄一として立っていられる安心感を得ることもできました。自分が積み上げてきたものが形になっていく様を肌で感じられる安心感はすごく嬉しいし、他ではなかなか味わえない経験となりました。

栄一は素晴らしい功績をいっぱい残している人なので、演じる前は調べれば調べるほど「僕はこんなすごい人を演じるんだ」と思っていたのですが、実際に台本を読んでお芝居をしていくうちに、この時代の人たちはみんな「世の中を変えなければいけない」というパワーを持っていて、栄一の周りにもスターがいっぱいいるんです。それこそ慶喜も、栄一にとってはすごく理想的な人。そういう人たちが時代の波に飲まれていく瞬間や、何かが生まれて何かが終わっていく瞬間をずっと横で見てきた人で、栄一はいろいろな人にいろいろなものをもらった人なんだろうなと、今改めて感じています。

― パリでの撮影ができなかったことを踏まえ、コロナ禍での撮影において大変だったことや苦労したことはありますか?

吉沢:本番までマスクがとれない状況下での撮影だったので、監督も本番をやってみないと僕たちの表情がわからないし、演じている僕たち自身でさえ相手側の表情がわからないという、これまでにない苦労は確かにありました。口から下が見えないだけでこんなに表情は変わるのかと、その点が苦労でもあり楽しいと感じた部分でもあり、それはコロナ禍特有のものだなと思いました。

パリで撮影ができなかったことに関してですが、この撮影に入る前の一昨年、実は僕、別のお仕事でパリに行っていて、その時にいろいろと渋沢栄一が行ったであろう場所を見てきたんです。建物自体は残っていても、周りが今の風景になってしまっているので、実際にパリで撮影するとなると大変だろうなと思っていました。なのでグリーンバックで撮影すると割り切ったことで見せ方も広がったので、むしろ良かったのかなと感じています。

― 当初大河ドラマのオファーを受けた際、「本当は戦国武将がよかった」という思いはありましたか?また、徳川家康が物語を解説することについて一視聴者としてどのようにご覧になっていたかを教えてください。

吉沢:織田信長など、わかりやすい日本の歴史上のヒーローに対する憧れはもちろんありましたが、演じるうえで知らなかった人物を深く知れるのもこの仕事の醍醐味だと思いました。正直最初に渋沢栄一と聞かされた時は、「お札になる人」という認識しかなかったので、そこから深くいろいろなものを探っていって、渋沢栄一という人物像を知っていって、さらにお芝居をしていくうちにどんどん見え方が変わっていったので、人は一面ではないなと痛感する瞬間でもありました。栄一を演じられたことは、何よりも嬉しかったです。

家康は最高です。視聴者の皆さんも家康を待っているところがあると思います(笑)。後ろに黒子の方が出てくる演出が新鮮すぎて、最初は「そんな感じで出てくるんだ!?」とビックリして、視聴者の方にどう受け止められるのか想像できなかったのですが、今ではもうみんなが家康を待っていますよね。僕も待ってます!(笑)

― 栄一の役がご自身に染み込んでいるとのことですが、来年は舞台が控えています。役はすぐに抜けそうですか?

吉沢:今は正直わからないです。僕はわりと終わったらすぐに切り替えられるタイプだとは思っているのですが、これだけ長い間同じ役をいろいろな年代で演じてきたので、お芝居をするうえで等身大の27歳を完全に忘れている気がします(笑)。これから一気に老けたりしないかな、という不安もあるのですが、そこは全力で切り替えて、次の役に向かわなきゃなと思っています。

― 大河ドラマの主演という経験を経て、吉沢さんが成長したと感じている部分をお聞かせください。

吉沢:長台詞が多かったので身になっているものはあると感じているのですが、未だに無我夢中で余裕を感じている瞬間はあまりないです。演じている間は、周りの出演者や役の年齢、人との関わり方などどんどん変わっていくので、結局最後まで無我夢中なんです。今でも初心は忘れられないし、きっと終わった後に初めて気付くのだろうなと思います。

― ありがとうございました。

“平成生まれ初の大河主演”として、渋沢栄一という大役を務めあげた吉沢。最後の瞬間まで見逃せない。(modelpress編集部)


【Not Sponsored 記事】

関連リンク

  • 11/20 0:00
  • モデルプレス

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます