「早くして!」と子どもを叱る前に。“ポジティブ言い換え”術で心がラクになる

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 子どもは言うことを聞かないし、周りを見ずに勝手なことをするのが当たり前。時には大人がイライラしてしまうこともありますよね。「こんな言葉は絶対に言わないようにしよう」と常々思っていても、感情的になって「イライラ言葉」を発してしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。しかし叱ったところで、子どもは縮こまってしまったり、反発したりするだけで悪い影響ばかり。

『子どもを育てる 魔法の言い換え辞典』の著者で、自身も娘2人を東大に現役合格させた教育コーチングのプロ・江藤真規さんは「子育てとは自分育て」だと話します。

◆“イライラ言葉”のない子育てなんてない

「子どもを産んだばかりの頃の私は子育ての初心者。何もわからず、見よう見まねで子育てを始めた当時の私を支配していたのは、焦りと不安でした。そのはけ口が子どもへの『早く、早く!』というイライラ言葉になっていたことを思い出します。

 親として少しは成長するものの、受験や勉強など、子どもを取り巻く世界にはイライラの原因が常にあり、『なんでこんなことができないの!』『つべこべ言わずやりなさい』『まだできないの』といったイライラ言葉を私はどれだけ使ってきたことでしょう。

 私もそうであったように、子育てにはイライラする場面はつきものです。むしろ本気で取り組む子育てには、イライラ言葉のない子育てなんてないと言っても過言ではありません」(江藤さん)

 では、どうしたらいいのでしょうか。江藤さんが幼児教室などでも教えているのが、「イライラをなくそうとしなくていい」という逆転の発想から「子どもに話しかける語彙を増やす」というもの。

◆子どもに話しかける“ポジティブ言葉”の語彙を増やす

「イライラを抑え、常にニコニコしている親を演じても持続することは難しく、根本的な解決になりません。ならばイライラしてしまう自分を認めつつ、子どもに対する新しいアプローチ法を取り入れてみる、こんな発想が現実的な助けとなると考えます」(江藤さん)

 そこで必要なのが、今まで使っていたネガティブな口グセをポジティブな表現に置き換えた“ポジティブ言葉”。たとえば子どもがうるさいときには「静かにしなさい!」ではなく「ちょっと聞いてくれる?」、朝時間がないのにグズグズしているときは「早くやりなさい! 間に合わないよ!」ではなく「10かぞえるまでにできるかな?」。こんなふうに言い換えるだけで、子どもは変わるそう。

 こうした魔法の言葉を、シチュエーション別に5つご紹介します。(以下、江藤真規『子どもを育てる 魔法の言い換え辞典』より抜粋)

◆「早くしなさい!」の言い換えは?

ほかには…
・早く寝なさい
・早く食べなさい
・早く片づけなさい
・早く! 早く!

⇒「時計の針が『6』になったら出かけるよ」


 早くしなさいと言われて急げる子どもはまずいません。子どもは大人ほど時間感覚が育っていないので、親が教えてあげる必要があります。つねにこの先やるべきことを考えている大人に対し、子どもは「今」という世界に没頭して生きているからです。急がせるという発想ではなく、時間になったことを伝える気持ちで声をかけてみましょう 。

◆「何度言ったらわかるの!」の言い換えは?

ほかには…
・いつもそうなんだから!
・どうしていつもそうなるの!

⇒「3回言ったよ。次はできるかな?」


 子どもが約束を破ったときに言いがちな言葉ですが、「何度」や「いつも」といったフレーズは要注意。実際は「数回」のことを「いつも」と言っていませんか? 
「いつも」と決めつけられると、子ども自身が自分はいつも失敗するダメな人言と感じてしまうかも。回数を水増しせず、前向きに次の目標を立ててあげましょう。

◆「そんなことしたら危ないでしょ!」の言い換えは?

ほかには…
・そんなことしたらケガするわよ!

⇒「気をつけてやりなさいね」


 子どもに「危ない未来」ばかり言いすぎると、子どもはなにをするにも怖気づくようになる可能性も。なにもかもを危険とするのではなく、どうしたら危なくないかを考えさせるような言葉かけをしましょう。子どもが自分から「このやり方は危ないから気をつけよう」と思えるようになることが大切ですよ。

◆「遊びながら食べない!」の言い換えは?

ほかには…
・いつまで食べてるの!

⇒「おいしいね」


ほかには…
・いっしょに食べるとおいしいね

 食事の時間は家族で楽しい会話をする時間。親には、たとえ忙しくても、次にやることを考えて焦るのではなく、そんな価値ある時間を大切にして子どもとのコミュニケーションをとってほしいものです。家族で楽しい時間がもてれば、子どももほかのことに気を取られて遊んだりせず、自然と楽しく食事をするようになりますよ。

◆「なんでウソつくの!」の言い換えは?

ほかには…
・ウソついたらだめでしょ!?
・ウソつきはドロボウの始まりなんだよ!

⇒「それは本当のことかな?」


ほかには…
・私、ゆっくり聞くね

 ウソには、悪意のウソと、本当のことを言えなくてついてしまウソがあります。容易に「ウソつき」のレッテルを貼らないで、「本当のことかな?」とやさしく問いかけてあげましょう。その場では本当のことを言えなくても、時間や場所を変えれば、自分から話してくれることも。自発的に本当のことを言える環境を整えることが大切ですよ。

◆親子関係や子どものタイプ、年齢に応じて使って

 子どもへの言葉かけは、考えてから言うというより、感情的になっているときに反射的に出てしまうものです。子どもに対してかける言葉を変えるだけで、効果はてきめん。自主性をのばし、自分で考えることができるように導くことができるようになります。みなさんの家庭における親子関係や子どものタイプ、年齢に応じて、「使えるもの」「気にいった表現」を使ってみてください。

【江藤真規】
株式会社サイタコーディネーション代表。サイタコーチングスクール主宰。クロワール幼児教室主宰。アカデミックコーチング学会理事。公益財団法人民際センター評議員。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。講演、執筆、支援活動のほか、「サイタコーチングスクール」を設立して、家庭におけるコーチングコミュニケーションの普及活動を行っている。著書に『勉強ができる子の育て方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「勉強が好き!」の育て方』(実務教育出版)など多数。

<文/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】
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