三代目 J SOUL BROTHERS、コロナ下の奮闘。人々を元気にした「ラタタダンス」とは

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 2021年11月10日、「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」(以下、三代目JSB)がデビューから11周年を迎え、ベストアルバム&ニューアルバム『BEST BROTHERS / THIS IS JSB』がリリースされた。

 LDHのレジェンドHIROからメンバー選びを託されたEXILE NAOTOと小林直己を筆頭に、パフォーマーのELLY、山下健二郎、岩田剛典に、ツインヴォーカルの今市隆二と登坂広臣で結成された三代目JSB。

 LDHのモットーである「Love」「Dream」「Happiness」を体現するダンス&ヴォーカルグループ、三代目JSBのデビュー記念を祝して、「LDH」と「イケメン」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、これまでの輝かしいその足跡を前・中・後編で振り返る。

 後編は、2019年元日からのビッグ・アナウンスに始まり、「Rat-tat-tatダンス」で駆け抜けたコロナ禍を経て、1年越しのアニヴァーサリーイヤーが描く「夢の未来図」を紐解く。

◆「RAISE THE FLAG」のコンセプチュアルな世界観

 三代目JSBは、毎年のように新年早々から、必ずビッグ・サプライズで何かしらのリリースをおこなう。2019年の元日はこれまで以上にワクワクするようなビッグ・アナウンスで新年を祝福した。

 2012年以来、7回目の出場となった2018年の「第69回紅白歌合戦」ではトップバッターを務め、年が明けたタイミングで、2019年3月13日リリースの23rdシングル『Yes we are』収録の「RAISE THE FLAG」予告映像が公開された。赤・白・青のテーマカラーをコンセプトに、新たなロゴが表記された旗(フラッグ)を打ち立て、新たな決意を込めた。

 さらに4度目のドームツアーとなった『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2019 “RAISE THE FLAG”』を開催し、125万人もの観客を動員した。1年を通じてリリースされたシングルは、「青」をテーマにした『Yes we are』に始まり、24thシングル『SCARLET』(8月7日リリース)では「赤」を、25thシングル『冬空/White Wings』(12月11日リリース)では「白」をそれぞれ表現。大ブレイクとなった2014年の「春夏秋冬」シリーズからバージョンアップされたコンセプチュアルな世界観を描き出した。

◆「R.Y.U.S.E.I.」以来のダンスチューンの誕生

『Yes we are』、『SCARLET』、『冬空 / White Wings』の3作のシングルは、2020年3月18日リリースの8thアルバム『RAISE THE FLAG』にまとめられている。同アルバムには、『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2019 “RAISE THE FLAG”』ツアー中に配信リリース(2019年9月19日)されたデジタルシングル『Rat-tat-tat』を同時収録していた。

 この「Rat-tat-tat」、タイトル自体、非常にベターな響きを伴いながら、小林直己考案の「Rat-tat-tatダンス」がTikTokで瞬く間に2億再生回数を突破し、一大ブームとなった。

「R.Y.U.S.E.I.」をしのぐファナティックなダンスチューンに日本中が沸き立ち、「さぁ行こう 最高のもう一歩先へと」とラップ調で歌われるように、狂騒の最中で加速度的に未曾有のコロナの時代に突入していく。

◆コロナ禍と“ゲリラタタ企画”

「Rat-tat-tatダンス」がコロナ禍の中で果たした役割は非常に大きかったと思う。

 2020年2月14日に「EXILE NAOTO オネストTV」で初動画をアップしたリーダーのNAOTOは、コロナ禍でのリモートを駆使しながら、相手の隙をついてドッキリ的に「Rat-tat-tatダンス」を仕掛ける「ゲリラタタ」企画を開始。このダンスが日本中を活気づけた。

 5月8日アップのYouTube動画では、おうち時間中の岩田剛典にテレビ電話をし、ゲリラタタを仕掛け、黒のパーカー姿の岩田が満面の岩ちゃんスマイルを見せながらキレキレのダンスを披露。

 三代目JSBメンバーだけでなく、後輩分のダンス&ヴォーカルグループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」メンバー全員を対象に狙った企画もあり、昼食中に仕掛けられたパフォーマーの関口メンディーも見事なゲリラタタで神対応だった。

 ちょうどコロナが日本中を暗い闇で覆おうとしていた2020年2月のタイミングでのチャンネル開設。そして「ゲリラタタ」ムーブメントによって、LDHメンバーだけでなく、日本中の視聴者のおうち時間を勇気づけ、リーダーとしての責任と存在感を発揮したのだった。

◆10周年ライブツアーが中止となるが……

 一方で、デビュー10周年を記念するライブツアーは歯止めのかからないコロナの拡大によって中止を余儀なくされた。

 6年に一度開催の「LDH PERFECT YEAR 2020」がコロナ禍の危機に晒されることになるとは、LDHだけでなく、エンタメ業界全体にとって予期しない事態であった。

 デビュー10周年を記念する『三代目 J SOUL BROTHERS PERFECT LIVE 2010▶︎2020』開催は困難に。

 『RAISE THE FLAG』で打立てられた旗を靡かせていた力強い風がピタリと止んでしまったようだ。しかし10周年記念の年に第1弾シングルとしてリリースされた26thシングル『Movin’ on』の表題曲がひとつの希望を指し示す。

 「振り向けば遠い 遥か旅路 願ってたどり着いた場所に まだ答えは無い」

 歌い出しの歌詞を、人類史に刻まれるコロナ禍の危機がすでに「振り向けば遠い」過去の「はるか旅路」と読み込むとどうだろう。ロサンゼルスで撮影されたMVでは、荒野のハイウェイをメンバー7人が乗った3台のオープンカーが滑走していく。

「Movin’ on」というタイトルが示すとおり、過去を振り返り、過去の記憶を背負いながらも、「先へ進む」ことを決して忘れない。

 ここで筆者は、2014年に「R.Y.U.S.E.I.」で大ブレイクを果たし、2015年に初の単独ドームツアーを行なったあの期間、つまり「パーフェクトイヤー」を思い返してみた。

◆パーフェクトイヤー”を記録したドキュメンタリー映画

 三代目JSB初のドームツアーを追い、パーフェクトイヤーを記録したのが、2016年公開のドキュメンタリー映画『Born in the EXILE ~三代目 J Soul Brothers の奇跡~』(以下、『Born in the EXILE』)であった。

 1999年にHIROが結成した「J Soul Brothers」の意志を受け継ぎ、偉業を成し遂げてきた三代目JSBは、これまで幾度の困難を乗り越えながら、「EXILE魂」を胸に「夢」を体現してきた。

「他の人の夢を応援して、自分の役割をしっかり全うしている」とリーダーNAOTOが話すように、まずはメンバー7人それぞれの夢や展望がある。そして2015年以降、ソロ活動を活発化させながら結果的にはグループ全体の力として集約されていった。

◆三代目JSBが描き、ファンへ繋がれる「夢の未来図」

 2021年は、ヴォーカルの登坂広臣自身がプロデュースするプロジェクト「CDL entertainment」を本格始動させ、『ANSWER...』シリーズとして表現性をより深め、パファーマーの岩田もソロプロジェクト「Be My guest」の1stシングル「korekara」(9月15日リリース)でソロデビューを果たした。

 コロナの逆境によって改めて自分を見つめ直し、再確認されたメンバーたちの多彩な個性。それは、7月16日から開催されているドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2021 “THIS IS JSB”』として結集し、三代目JSBアニバーサリーの夢が1年越しで実現した。

『Born in the EXILE』ではさらに、自分たちの夢だけでなく、ファンに対する夢についても語られている。ツアーライブでフランキー・ヴァリのソロ曲「君の瞳に恋してる-Can’t Take My Eyes Off You-」をストロングなサウンドでカヴァーするとき、サビ直前の間奏で今市が次のように会場に言い放った。

 「みなさんの夢が叶いますように

 サビとともに銀打ちテープが観客席にきらきら降り注ぎ、観客ひとりひとりが今市・登坂のミラクル・ヴォイスに涙し、勇気づけられる。この希望の瞬間、メンバー7人がすべてのファンに心から願いを込めた。

 三代目JSBの夢はこうしてファンへと繋がれる。2021年11月10日の11周年デビュー記念日にリリースされたベストアルバム&ニューアルバム『BEST BROTHERS / THIS IS JSB』収録曲が8月にファン投票で決められたのも、ファンとの深い絆を物語っている。

 この「夢と絆」の物語、ファイナルを迎えようとしているアニヴァーサリーツアーでは、いったいどんな「夢の未来図」を描いて見せてくれるのだろうか。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。 ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」や「映画board」他寄稿中。日本大学映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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